神の試練
『……面白い』
またそれだ。
だが今度は、少し深い。
『貴様は“枠内で逸脱する”』
「褒めてる?」
『半分な』
軽い会話。
だが、その裏では何かが測られている。
『ならば証明してみせよ』
「何を?」
『その干渉が、“価値あるもの”であると』
空気が変わる。
重い。
圧倒的な“拒絶”。
「……なんだこれ」
「領域負荷が上昇しています」
フロールが即座に分析する。
「村全体に影響が出ます」
見る。
畑が、枯れ始める。
水が、濁る。
「おいおい」
『干渉には代償が伴う』
創造神の声。
『それをどう処理する』
試されている。
今度は、完全に。
■第17話「発想の転換」
「……なるほどな」
状況を整理する。
・俺の干渉 → 村が発展
・神の干渉 → バランス崩壊
つまり。
「“釣り合い”が問題か」
「はい。その可能性が高いです」
なら――
「釣り合わせればいい」
俺はミスリルを使わない。
代わりに。
“仕組み”をいじる。
水路を再設計。
土壌を分散。
負荷を一点に集中させない。
さらに。
「フロール」
「はい」
「この村だけじゃダメだ」
「……範囲拡張ですか」
「そう」
村単位じゃなく、
地域単位でバランスを取る。
変化が止まる。
枯れかけた畑が、持ち直す。
水が戻る。
《経験値を取得しました》
今までより、明らかに大きい。
フロールが静かに言う。
「……“局所干渉”から“構造干渉”へ移行しました」
「要するに?」
「一段階上です」
沈黙。
神の気配。
そして。
『……合格とは言わん』
少しだけ間を置いて。
『だが、否定もせん』
圧が消える。
領域が元に戻る。
「……見逃し?」
「はい。“継続観測対象”です」
フロールが答える。
俺は空を見る。
もう歪みはない。
「なあ」
「はい」
「今の、楽しかったな」
一瞬。
間があって。
「……はい」
はっきりと。




