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廃村
森を抜けた先。
小さな村。
柵は壊れ、畑は荒れ、道具は摩耗しきっている。
典型的な“詰みかけの拠点”。
「ここにする」
「……理由をお聞きしても」
「一番伸びしろあるから」
フロールがわずかに沈黙する。
「……合理的です」
村人は警戒していた。
当然だ。
見知らぬ若者が、いきなり現れてこう言う。
「道具、貸して」
――怪しすぎる。
だが。
ミスリルをほんの少し混ぜた鍬を渡した瞬間。
空気が変わる。
「……軽い?」
「壊れねぇ……」
「なんだこれ……!」
反応は早かった。
《経験値を取得しました》
小さい。
だが確かに、“世界が認識した”。




