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「クエスト:神へ至れ」  作者: Iori-y-


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10/10

達成

「飢えてる村は放置が正解か?」


「発展させたらダメなのか?」


「均一じゃなきゃダメなのか?」


言葉を重ねる。


「それって“維持”であって、“進化”じゃないだろ」


空間が軋む。


神々が“揺れる”。


ノイズの中。


声が戻る。


「……裕太様」


「フロール!?」


「制限を突破しました」


声が弱い。


だが確かにそこにいる。


「推奨される行動は撤退です」


「だろうな」


「ですが」


一瞬。


「あなたは撤退しない」


「当たり前だろ」


「……はい」


その一言で、全てが揃う。


俺は一歩踏み出す。


神に向かって。


「俺はさ」


息を吐く。


「“バランス”壊したいわけじゃない」


間。


「更新したいんだよ」


空気が変わる。


「もっとマシな形に」


「誰も詰まない形に」


「努力がちゃんと返る形に」


言い切る。


「それが俺のやることだ」


沈黙。


長い。


そして――


創造神が言う。


『ならば示せ』


圧が収束する。


『貴様の定義が、この世界に値するか』


次の瞬間。


視界が白に染まる。


気づけば、“外”にいた。


世界全体が見える。


流れ。


循環。


歪み。


全部。


「……これが」


「はい」


フロールの声。


今度は、はっきりと隣にいる。


「“神の視点”です」


理解する。


選べる。


壊すことも、保つことも、変えることも。


全部。


「フロール」


「はい」


「これさ」


世界を見下ろす。


「全部完璧にできるよな」


「理論上は」


「でもそれ、つまんないな」


間。


「……はい」


笑う。


「だからさ」


手をかざす。


「“少しだけ”変える」


極端じゃない。


強制でもない。


ただ――


“良くなる方向に流れやすくする”


それだけ。


光が広がる。


静かに。


確実に。


《クエスト達成:神へ至れ》


■エピローグ


目を開ける。


元の場所。


村。


空は青い。


「……戻ったか」


「はい」


フロールが答える。


少しだけ。


声が柔らかい。


「神になった感想は?」


聞いてみる。


少し考えてから。


「……不完全ですね」


笑う。


「だな」


立ち上がる。


「じゃ、続きやるか」


「続き、とは?」


ニヤッとする。


新しい表示が浮かぶ。


《クエスト:世界を面白くしろ(0/∞)》


フロールが、ほんのわずかに笑った気がした。


「……終わりがありませんね」


「いいじゃん」


歩き出す。


「その方が面白い」

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