64.
マーシーは捕まり、連行された。
彼女は施設で生まれ変わったと思っていたけれど、それは気のせいだった。
少し信じかけていたけれど、やはり彼女は、何も変わっていなかった。
それどころか、さらに悪質なものに生まれ変わっていた。
もう、彼女には、二度と会うことはないだろう。
彼女は、重罪を犯した。
そして、この国では、十八歳未満の者は更生させるために施設に送られるが、十八歳以上の者は、牢獄に送られる。
そして、彼女は現在十八歳だ。
家からは、爆弾の材料が大量に見つかり、彼女は一生牢獄で暮らすことになった。
あぁ、これで、やっと心の底から、学園生活を楽しむことができる。
私はそのことが本当に嬉しくて、思わず笑顔を浮かべていた。
*
(※マーシー視点)
私は、一生牢獄で暮らすことになった。
そのことに、私は絶望していた。
最悪だ……。
復讐を果たすこともできず、こんなことになるなんて……。
しかも、牢獄は施設よりも、厳しいという噂も聞いたことがある。
私は、不安な気持ちに支配されていた。
しかし、よく考えてみれば、噂はただの噂でしかないかもしれない。
私はあの施設で、あの指導員に、かなり手厳しい指導を受けた。
あれに比べれば、牢獄といえど、天国のような物なのではないか、そう思い始めていた。
しかし、そんなことを思っていると、私の前に、看守が一人現れた。
私はその看守の顔を見て、体が震え始めた。
「マーシーさん、お久しぶりですね」
その看守は、施設にいた指導員だった。
え……、どうして、こんなところにいるの?
「まさか、この私が出し抜かれるなんて思いませんでしたよ。あれがすべて演技だったなんて、大したものです。こんな屈辱を味わったのは、初めてですよ。でも、そんな時、あなたがこの牢獄に収容されると聞いたのです。だから私は、あの施設の指導員を辞め、この牢獄の看守に転職したのです。あなたに会いたい一心でね。どうやら、天職になる予感がします。これから、よろしくお願いしますね、マーシーさん」
彼は笑顔を浮かべていた。
「よ、よろしく……、お願いします……」
私は身体を震わせながら引きつった表情で、ぎこちない笑みを浮かべていた。
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