41.
(※マーシー視点)
「中止になる前に、私は学園祭を楽しんでくるわ。学園祭中止が決定したら、あなたの絶望する顔を見に来てあげる。それでは皆さん、ごきげんよう」
私はカトリーたちの元を去っていった。
このままいけば、私の計画通り、学園祭は中止になる可能性が高い。
だから、年に一度の学園祭を、今のうちに楽しんでおかないとね。
相変わらず中等部の生徒たちは、私とすれ違うたびに眉を顰めたり、声をあげたりしている。
しかし、そんなことはわざわざ気にしない。
今の私はここの生徒ではなく、ただの一般の客である。
カトリーたちが暗い顔をしている間、私は学園祭をとことん楽しむわ。
ああ、なんていい気分なのかしら。
……でも、何か違和感があった。
楽しい学園祭のはずなのに、何だろう……、この感じは……。
虚無感というよりかは、喪失感といったほうが近い。
大切な何かを失ってしまったような感覚である……。
いやいや、余計なことを考えている場合ではないわ。
私はこれから、学園祭を楽しむのよ。
それに、学園祭が中止になれば、カトリーの絶望する顔が見られるから、それも楽しみだわ。
あ、そうだ。
もう一度カトリーたちのところへ行って、彼女たちの辛気臭い顔を拝もうかしら。
何度見ても、あの顔は見飽きないわぁ。
*
「このままだと、学園祭が中止になってしまう。何とかしないと……」
「あ、ハワードさん、それには触るなって先生が言っていたのでは……」
倒れたお客さんが食べた料理に近づこうとするハワードに、私は言った。
「見るだけですよ」
ハワードはその料理を近くでじっと見つめていた。
そして……。
「皆さん、これを見てください」
ハワードが、近くにいた私たちに手招きをした。
私とエリオットとシンシアは、彼の側へ行った。
「これって言われても……、どれのことだ?」
「ここですよ。よく見てください」
ハワードが指を差したところを、私たちはじっと見た。
「……は!?」
エリオットは驚いていた。
私とシンシアも、それは同じだった。
どうして料理の中に、こんなものが入っているの!?




