38.
「さあ、もうすぐ私のクラスに着きますよ。少し変わった名前の料理がたくさんありますよ」
私はハワードと並んで歩いていた。
「へえ、たとえば、どんな料理があるんですか?」
「えっとですね、たとえば、画家の卵が作った卵かけご飯とか、歯科医師の息子が作った鹿肉のワイン煮込みとか、あとは、演劇部のロイくんが作った激辛パスタとか、ほかにも色々ありますよ」
「なるほど、駄洒落ですか、面白いですね。それに、鹿肉のワイン煮込みって、すごいですね。お店で食べるような料理を、まさか学園祭で頂けるとは」
「ええ、うちのクラスのおすすめですよ。お肉の品質管理も徹底していて、安全安心です」
「それは楽しみですね」
私のクラスに到着した。
私たちは席に座ろうと思ったのだけれど、何か様子がおかしい。
……何かあったのかしら?
「カトリー、ハワード……」
エリオットとシンシアがこちらにやってきた。
彼らも、うちのクラスに来ていたのか。
「えっと、何かあったのですか? お店をやっていないようですけれど……」
「それが、大変なことになったんだよ」
エリオットが話し始めた。
「さっきこの店に来ていた人が、料理を食べている途中に、突然倒れたんだ。それで、今はこのクラスは営業停止になっている」
「え……、そんな……。それで、その人は無事だったのですか?」
「ああ、さっき先生が来て、無事だったと教えてくれた。胃の洗浄をして、そのまま退院したそうだ」
「そうですか……、それはよかったです。あ、その人って、この学園の生徒だったのですか?」
「いや、違う。一般の女性だ。今は先生たちが、これからどうするのか、会議をしているところだ」
「え、どうするのかって、まさか、学園祭が中止になるかもしれないのですか?」
「その可能性もある」
「そんな……」
さっきまで、ハワードと一緒に学園祭を楽しんでいたのに、まさかこんなことになるなんて……。
非日常のお祭り気分は、すっかり冷めてしまっていた。
どうして、こんなことに……。




