表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/64

22.

 (※マーシー視点)


「確かにその頬の腫れ痕は、あなたの言う通り、動かぬ証拠としては充分ですね」


 ハワード様が、私の言い分に賛同してくれた。

 私は、思わず踊りだしそうなほど喜んでいた。

 あぁ、なんてことなの……。

 ハワード様はカトリーに気があるのかと思っていたけど、やっぱり私のことが好きだったのねぇ。


 今のカトリーの顔、傑作だわ。

 ハワード様が声をあげた瞬間は、自分の味方をしてくれるのかと思って明るい表情になっていたけど、私の肩を持つ発言だと分かると、途端に暗い表情になった。


 いいわ!

 とてもいいわ、その顔!

 その絶望した顔が見たかったの!


 それにしても、まさかハワード様が私の味方をしてくれるなんて思わなかったわ。

 エリオット様と違って、とても好印象よ。

 彼はカトリーを庇って、私に楯突いたのですからね。

 この際、エリオット様から完全にハワード様に乗り換えようかしら。

 うん、それもいいわね。

 

 少しエリオット様を突き放すことにしましょう。

 そうすれば、私に楯突いたことを後悔して、ハワード様と仲良くなった私に迫ってくるかも。

 うんうん、嫉妬心をくすぐる、いいアイディアだわ。


 さて、ハワード様が私に賛同してくれたおかげで、生徒たちのカトリーへの不信感は、より強固なものとなった。

 この状況ではさすがに、カトリーの退学処分は決定的だろう。

 やっと、邪魔者が消えてくれる。

 思えば、ここまでくるのに長かった。


 初めはエリオット様との婚約を破棄しろと言ったのに、あの女は断った。

 だから、私は嫌がらせをして、何とか私の言うことを聞かせようとした。

 それなのに、カトリーはエリオット様との婚約を破棄することはしなかった。

 無理だと言い張り、強情な態度がさらに私をイラつかせた。


 しかも、エリオット様というものがありながら、今度はハワード様と仲良く下校しているところを、私は見せつけられた。

 このことが、さらに私をイラつかせることになった。

 だから、私は決意したのだ。

 今までの嫌がらせでは、まだまだ甘かった。

 

 もっとカトリーを追い込んで、私に楯突いたことを後悔させようと思った。

 そして考えたのが、現在実行していることだ。

 予想通り、否、予想以上にうまくいっている。

 カトリーは絶望感に包まれながら、この学園を去ることになるだろう。

 そう思っていたのに……。


「みなさん、落ち着いてください。何か、勘違いしているようですね」


 再び、ハワード様が発言した。

 生徒たちの注目は、彼に集まった。


「先ほど確かに、動かぬ証拠としては充分だと言いましたが、それがカトリーさんがいじめの犯人だと示すものだとは言っていません。その頬の腫れ痕は、マーシーさん、あなたが犯人だと示す、動かぬ証拠だと言ったのです!」

 

 ハワード様の言葉を聞いて、生徒たちはざわめき始めた。

 彼らは混乱している。


 そして私も同じく、わけがわからず混乱していた……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ