190、 精神的虚弱体質
昼過ぎに帰って来て、食堂に居るが 食欲が無い、理由はさっき迄見てた
映像のせいだ。
空いている席に座って 今ジャスミンティーを飲んでいる。 心の静寂を
求めて香り優しい花茶など飲んで見たが、余り効果は無かった。
「パパ 元気ないです、大丈夫ですか?」*アハト
『ああ アハト大丈夫だよ、 人の死ぬ所なんて見慣れていないから
精神的にグロッキーて奴だけど 少し休んでいれば治るから。・・・』
なんて言っては見たが一向に解消する感じが無い、 何時までも心が
モヤモヤして 晴れて来ない。 如何しよう 酒でも飲んで見るか?
1時間程モヤモヤしていたら リト達が表から帰って来た。
俺の異常を見て取ったリトは早速近づいて来て 俺の頭を撫でた、
一体如何いう理由で俺が撫でられているのか自分で理解出来ないで居たが
少し遅れて近づいて来た ディパ・カヌレ・スフレにも頭を撫でられた時
俺は自分が泣いているのに気が付いた。 あれ? 俺泣いてる! 何で?
今も溢れ出て来る涙、俺は何故泣いてるんだ リト達の優しさに泣いてるのか?
あの胸糞悪い映像に映っていた 命を失った者達の為に泣いているのか?
自分にも理解し難い感情、 涙ってどんな時に出るんだっけ?
嬉しい時にも涙は出るが、今のシュチエーションでは嬉しい涙じゃ無いよな
では悲しい涙か? (胸糞映像で死んで行った者達は 俺が現在庇護している
魔族を蹂躙した 言わば敵対者だ、ディパに80年に渡って呪いを行使していた
俺の敵だ。 そんな者の為に俺が涙を流すのはオカシイ!
そんな思考のループに俺は泣きながら陥っていた。
「太一さん それは貴方の優しさです、 太一さんはリトちゃん達が来る前は
涙を流して居ませんでした ですがリトちゃん達に撫でられた後に涙を流し
ました。 多分感情が重複したのです、 生き物が死ぬ映像を見て悶々と
した感情これは 如何ともし難い と言った言葉が太一さんの前世に有ったと思い
ます、 ”如何し様も無かった”のですよね。
そこにリトちゃん達の行動が引き金になって 太一さんの感情が暴走している
のが 現在の状況です。 太一さん 幼いですね、でも大好きですよ。」*
ヴィーヴォ うわっ! 突然の愛の告白擬きにドギマギし始める俺
(この状態、ヴィーヴォが夢に出てくる人型だったら 俺間違いなく抱き着いて
いたな)
翌々周りを見渡すと リト達だけじゃない。 自宅住民達が心配そうな
顔で俺を見ていた。
あれ? 俺ってば 相当心配を皆に掛けていたのかな、
今の時点でも心の整理が出来ていないが、 ヴィーヴォに言われた俺幼い
疑惑が俺の思考を支配している。 (俺もう直ぐ40歳だぞ! 幼いか? 俺。)
翌々考えて見る、 側近に居るカヌレとスフレを先ず見て観た。
第6感、鑑定で2人を観たら 供に8才だった、 (俺より年下だな)
ディパを観たら88歳だった リトは212歳だった。 (俺って幼いかな?)
もう一度周辺を見渡して 目に付いたプレストさんと大じいじに鑑定をしたら
プレストさんが 1万????歳で 大じいじも2万??!?歳だったので
おれが幼いのは決定だった様だ。 因みにディパとリトに鑑定を掛けた時
片側の眉毛が上方に上がって居た事を察知したのは ヴィーヴォとアマだけ
だったらしい。 (カヌレにも 見えていた様だが 怖かったらしい その事は
後日スフレから聞きました)
要は俺の精神的な未熟が原因なんだな。 よし!俺は今から幼い魔族として
生きて行くぞ! (俺少年だし、若年だし、是からも勉強はするけど 俺は
若年だ! 若いんだ! ・・・でも感覚はアラフォ~なんだよな。)
<何やってるの? 太一君、 そんな事より 報告聞いてよ。 あのね ・・>
フォーの報告は最悪だった、ディパに付いていた呪いが暴走して人族を
無差別に 呪い始めた様だとの事。 それって俺が人族領に行く前に
人族居なくなっちゃうって事かな? それは拙いではありませんか
今迄見て来た人族は何だか残念さんばかりだったが、中には良い人だって
居る筈だ、 そんな人をクシャミ殺しの刑に処したく無い。
<あの呪、ディパちゃんに80年取付いていて 如何やら同情
しちゃったらしいね、 それじゃないと 辻褄が合わない。>
!呪いって 同情するの? 如何言うシステムなの、 感情でも有るの
でしょうか?
<太一君 何言ってるの、 感情(想い)が無ければ呪い何て発動しないよ。>
有るんだ、感情!
何なんだ? 呪いって、 呪いに感情が有るって言う事は アマみたいな
精神体なのかな? でも感情が有るならアマに近い存在なんだろう。
それなら 話が出来ないかな、 フォーなら呪い呼び戻せるかな?
でもその前に 裏取って置かなくちゃいけないな、念の為にボイスレコーダーに
記録させておこう。
多分母屋に居るディパに電話して、 今の呪いが暴走している事を伝えて
ディパの見解を聞いて見た。
「私から魔道具が無くなったから、 如何でも良いです。」*ディパ
と 割とドライな返答をくれた。
『あのね、ディパに取付いていた 呪いが如何やらディパに同情して
無差別に 人族を呪っているらしいんだ。 それを聞いてディパは如何
思うかな?』
「関係有りません、 私に取付いていた呪いが 私に同情しようが
しまいが 人族が全滅しようが 私には関係有りません 自業自得ですし
別段 呪いにも感謝する積りも有りません 80年迷惑を掛けられたの
ですから、 序でに呪いも消滅して貰いたいです。」* おぅ!とっても辛辣
ディパの見解は聞いたので 次のステップに移行、 多分呪いとはアマ
と同じく 精神体に近しい存在と思われる。
精神体なら多分お話しが出来ると俺は思うので 此処は1つ説得を試みようと
考えた、 呼び寄せられるかな?
『フォー その呪い一度此方に戻せないの?』
<出来るけど 何で態々呼ぶの?>
『うん チョット説得して見たくて。』
<呪いを 説得するの! そんな事、誰(魔族)も考えないよ。>
『だろうね、 でも呪いってアマ見たいな精神体と同等なんでしょ、
だったら 一度試して見たいんだ 如何やら其の呪いも何か勘違いしている
らしいしね。』
<まあ 太一君が如何してもって言うなら やって見るね。>
そして フォーが呪いを呼び戻した。
呪は やはり黒いモヤモヤさんだった。
「何だ? 何故私がこんな所に居るんだ?」*呪いさん
『はじめまして 呪いさん 太一と申します、お見知り置きを。
御忙しい所 今回呼ばせて頂きましたのには理由が有ります、
一寸御話に御付き合い頂けませんか?』
「ふむ、呪いに対しても丁寧な物言い 良いだろう少し付き合ってやる
但し その ”呪いさん”呼びは止めろ。」*呪いさん
『それでは クシャミの呪いさん。』
「それもダメだな、何か壺から出て来そうだし。」*呪いさん
(どんなイメージ何だろ?)
『それでは ディパに80年も取付いていた 執念深い呪いさん。』
「うがぁ~! やめろ、私は悔いているのだぁ あの子の時間を止め
続けた事を。 そして今 彼女の代わりに 呪っているのだ。」*呪いさん
やはりそう言う事だったんだな、 ここは釘刺しとこう。
『そこです ハクションさん! 貴方はディパの事を思って仕返しを
している様ですが、 ディパ本人は何とも思って無いし 序でにハクションさん
にも 消えて欲しいって言ってましたよ。』
「・・・・・・・ 何、 彼女が無関心だと、 私にも消えて貰いたいと
思っているだと。 何故だ こんなに頑張ってるのに! それにお前
勝手に私に名前を付けるのを止めろ! ハクションさんって何なんだ、
前の奴より壺から出て来そうだろ変更しろ。」*呪いさん 元ネタが大体判明した
『まあ 名前は良いとして、 彼女が無関心なのは事実ですよ 貴方にも
消えて欲しいと願ってるのも事実です。 大体貴方、ディパに確認して
ますか? 本人に確認もしないで勝手に行動しても 彼女が喜んで貴方の事を
有難がる筈無いじゃないですか、 チョット考えればわかる事ですよ。』
「なっ!」*呪いさん おっ、固まった
此処で追い打ち、さっき録って置いたボイスレコーダーの音声を聞かせて
見た。
「ぐっ!」*呪いさん 更に固まった御様子
さて此処迄追い込んだので、摘めは如何しよう? この呪いの現在の所有権
は 誰なんだろう? この呪いは今後も改造出来るのだろうか?
<それはねぇ 太一君 見た目は私が改造して 私が返してるから 私っぽく
思えるだろうけど 違うんだ。 実質的に魔道具に封入されていた呪いを
取り除いた者、つまり太一君が呪いの所有者になるんだよ。> 俺か
<改造も出来るよ 太一君の想いのままに。> 改造も出来ると
そうすると 方向性が大体決まって来る、大まかな予定を頭に描いてから
行動を開始する。
『呪いさん そろそろ落ち着て考えて見ましょう。 ディパの望んでもいない
殺人を繰り返しても 何の得も有りませんよ、 今後の行動を考え直した方が
良いですよ。』
「はっ! 確かにそうだな。」*呪いさん 固まってても聞いていた様だ
『1つ提案が有るのですが、 聞いて下さい。 俺は貴方を作り替えられます
他人に対して危害を加えるのでは無く、 取り付いた対象を幸せにする力を
振るう事が出来る様に貴方を作り替える事です、そしてディパに御伺いを
立てて彼女が受け入れたなら 全力で彼女の味方に成って上げて下さい。』
その後呪いさんは色々悩んでいた、本当に俺が改造出来るのか、とか 若し
改造出来ても呪いさんがディパの役に立つ事が出来るのか、とか 出来たと
してもディパに受け入れて貰えなかった時は如何なるのか、とか 大いに
悩んでいたが 最後のディパが受け入れて貰えなかった時には現在の所有者
である 俺が責任を持って彼の呪いを請け負う事を話すと 決断してくれた。




