164、 ティム
・・・・ 『うわぁ~!』
デカいライオン面が直近に有る、 俺を凝視している、そしてデカい声で鳴く。
”グワオォ~ン” そして俺に向かって攻撃を仕掛けて来る。
最初からデカいのに デカい口を開けて俺に迫るシメール。
怖いから一歩も動けずに固まってる俺、(ああ、死ぬんだなぁ本格的に) と
思っていたが。 生存本能とは誰にでも有るのだろう、俺は叫んだ。
『やめろ~!!!』
時間が止まっていた。 何だ? 俺死んで無いの?
{肯定 マスター、死んで無いですよ。そして そのシメール マスターの
従魔に成ってますよ。} はぁ?
今、眼前に居る シメールは伏せをして、目をシバシバさせて 完全に悪戯して
飼い主に怒られている 犬の作法と同じだ。(君はライオン顔の犬なの?)
一寸可哀想になって、近づいて鼻を撫でたら、又大口開いて俺に向かって来た。
”バチン” と音がしたら シメールが又伏せ姿勢で 眼を回していた。
(何が起きたの?)
シメールの横にはリトが立っていた、 割と怒っている御様子だ。
[私以外が お兄ちゃんに Kissしちゃダメなの。]
リトが強行手段に出たらしいが、 シメールの行動は 俺への愛情表現なのか?
{肯定 マスター、ティムされた個体は その主人に絶対の愛情を持ちます。
ですから あのシメールは既にマスターの物です。}
”ジリリリリリン” 昔懐かしい黒電話の着信音が鳴った、俺のスマホだ。
「太一殿 良いかの?」*魔王
チョット面倒臭いやり取りが 想像出来るが、此処は静かにしておこう。
『はい 太一です、何か有りましたか? 魔王様。』
「ははっ、 なら良いのだが、其方今 シメールに食い殺される直前
なのではないのか?」*魔王
ああ、 そう言えばこの状況を第三者的に見れば、 殺される直前に
見えますよね、俺もさっき迄そう思ってました。
『あの 大丈夫ですよ。 何かティムしちゃったらしいですが。』
「はぁ?」*魔王
・・・・・・・・・・・・・・・・・!
「いや いや 太一殿、可笑しいだろう! 何故太一殿がシメールをティム
出来るのだ? 太一殿はシメール程の魔獣でもティム出来るのか?」*魔王
{僭越ながら魔王様、進言申し上げます。 私も未だ困惑しておりますが、
マスターがシメールをティムしているのは確かです。 魔王様も御存じと
思われますが、マスターは悪魔と人族の合成生物です。 先程ステータスも
確認したのですが 謎だらけです。 文字化けして不明な点は多数・スキル欄に
魔法が含まれる等、全く判りません。 多分スキル欄に動物好きが有るので
それが ティムスキルと判断するしか無い様ですが、 効果が余りにも高過ぎる
様子です。}*アマ
「ふむぅ~、 まあ 太一殿だからって事なのか?」*魔王
{はい、 そう思われます。}*アマ
あははは、俺からは何も言う事は無い。 試しに魔王様が狩って来たシメール
(半死に)を俺にティムしろと命じて来たので 傷ついたシメールに俺水掛けて
元気にしてから ティム(鼻面に手翳し)をしたら ティム出来た。
そして 現在左右からとっても大きなシメール2匹に頬ずりされている俺がいる。




