142、 エンゲージ 1
村に帰って来た俺は、住民の家を人小屋に置換する作業を終えて
クスちゃん宅の内部の改造を終えようとしていた。
後はキッチンだけだな、大型システムキッチン出して 冷蔵庫置いて、
オーブンレンジセットして炊飯器も出して、序でに朝ごはん作ろう。
簡単にホットドック作って 俺・フォー・クスちゃんで食べた (爺さんは
疲れて寝ているらしい) 食後にお茶を飲んでいると インターホンが鳴った。
インターホンの対応と人族交易部屋の転移装置の操作は当然人族交易部屋の
廊下及び ここ1階リビング そして1階執務室で対応可能だ。(クスちゃん
忙しいから自宅のクスちゃん動線上に設置したのだ)
当然今回はリビングで対応する、モニターにはしかめっ面した軍人さんが居た。
<今回初めてだから私が対応するね。> フォーがやらかす様だ
<はい いらっしゃいませ、お求めの商品は何ですか?> 余所行きの声だ
「何が商品だ、貴様ら何処に居る出て来い!態々出向いて来たのだ顔を出せ
直ぐに出て来い・見てる間に出て来い・アッと言う間に出て来い!」*兵士
かなりの剣幕で怒鳴り捲って来るお客様、血圧上がりますよ。
<大変申し訳ありませんが、この方法以外では御取引は出来かねます、
それを不服とするなら 御引取下さい。> 余所行きの声
「ふざけるなぁぁぁ!!!」*兵士 ダメだこれ言う事聞かない人だ
その後もインターホンの向こうで埒の開かない事を怒鳴り捲っている兵士を
放って置き、お茶を楽しみながら モニターを見ていた。
くそ! 何も言い返して来なくなった。これでは何も出来ない、如何する?
村は見当たらないが 奴らは何処かに居る。先程迄確かに会話は出来ていた、
魔鋼の販売はするつもりであろう。此方の事を ”お客様” などと言っていた
からその考えは正しいのだろう、では何処に居る? 先ず周辺探索からだな。
その後兵士達に指示をして 周辺を探索したがもう半日以上経つが全く
手掛かりは無い、 何処に居るんだ。
<太一君 つまんないねぇ~。> 同意である
モニターを見ているが、兵士達が周辺調査に出かけているので 情報待ちなの
だろうが見ている此方は暇だ。 何か事が起ると拙いので目が離せないが
こうして監視しているだけって 暇だけど疲れるよね。
「あのぉ~、フォー様 村の人たち呼んで来ます 交代で監視した方が良いと
思いますので 誰か暇そうな人呼んで来ます。」*クス はい 御願いします
その内ワラワラと住民が集まって来たので 交代でモニターを見てを監視
して貰う、見難いので壁に大型モニターを取り付けた。 映画館みたいだ。
この建物はラウス住民の避難所も兼ねている、大きなお風呂やキッチンに
したのはその為だ。丁度お昼になるので 近隣の主婦・お姉さん方が集まって
キッチンで料理を作り始めた (皆で食べるらしい) 段々人が増えて来る。
クスちゃんが帰って来た。
「あのぉ~、フォー様 村の中を回っていて気が付いたのですが 村の
外壁(垣根程度の物)の近くを通った時気が付いたんですが あの、見えるん
ですよね、外の様子。」*クス 何、如何言う事?
クスちゃんと外に出て外壁方向に歩いて来て直ぐ気が付いた、外の様子が
とっても自然に見えるのだ。 そうか、村の外からは見えないけど 村の中からは
外は普通に見えるんだ。 丁度村の外に有る転移魔道具の近くに来たら
魔道具傍の大きな木の下で 偉そうな兵士が休憩していた、(あれが責任者かな)
兵士達迄の距離は10メートルも離れていない、俺・フォー・クスでワイワイ
話していても声は聞こえないらしい。
てな訳で、レジャーシート出してクスちゃん宅からお料理取りに行って住民達と
御近場ピクニックを始めて見た。 誰が持ち込んだか酒も飲み始めてまるでお花見
みたいな様相を呈して来た、ドンチャン騒ぎである。でも外の兵士は気付かない
多分人族に虐められたのであろう 村の子供が外壁(垣根)に掴まりながら
外の兵士達に ”バ~カ、バ~カ”を繰り返し叫んでいる。 物投げちゃダメだよ
既にお昼から3時間を優に経過した頃、方々に散っていた兵士達が帰って来て
ラウンドアバウト付近は人が溢れて来た、 ガヤガヤと五月蠅い。
偉そうにしている多分隊長に兵士達が報告しているのを 外壁近くから聞いて
いたが やはり何もないとの事、(そうだよね 見えないんだもん)
やはり手掛かりは何も無い、そろそろ夕刻だ野営の準備もしなくてはならない
先に手配するか? この場所で野営して大丈夫なのか? 余りにも情報が少ない
ため 全ての行動に疑問が付き纏う、しかしこの手掛かり(看板)の近くからは
離れない方が良いだろう よし、此処で野営の準備を始める指示を出した。
・・・兵士達が野営の準備と食事の準備をしている傍らで、魔法兵として
今回の出兵に参加していた魔鋼研究部職員の一人が 看板横の板を繁繁と見ている
手で触って見たり・周りの土を掘り返して見たりして 唸っている。
そして 此方を振り返って 私に言った。
「隊長、この板はミスリルと思われます。」*魔鋼研究部職員
私は飛び上がるように立ち上がって目を剥いた、そしてその板に近づくと
手を触れて見る、見た目では私には判断出来ないが魔鋼研究部職員が言うのだ
その通りの物なのだろう、そして彼が一部穿り返した場所を見ると板はその表面
から地中に向かって10センチ以上の厚みを持っている事は想像に難くない
この大きさでこの厚み、こんなに大きなミスリルの塊は見た事も無い。
一体幾らの価値が有るのか想像もつかない、が これは必ず持ち帰らなければ
ならないと心に誓った。
即座に兵士に指示を出し 野営の準備など後回しにして ミスリル板の
回収に当らせた。
<ねぇねぇ太一君 あいつ等 転移装置穿り返してるよ、大丈夫?>
クスちゃん宅でおトイレを拝借して戻って来た俺に フォーが話しかけて来た、
『ああ それね、大丈夫だよ 絶対持って帰れないから。』
この行為をされるのは想定していた、例え商人でも詳しい人が居れば転移装置が
ミスリル製と気が付く、気が付けば持って帰りたくなる、と思い対策した。
アマに調べて貰ったのだが、此処の土地は太古に火山活動で出来上がった
岩盤の上に土砂が堆積して出来上がった物だったので 俺の魔法で転移装置の
地中に埋没している部分と地下に眠る岩盤を接着(て言うか融合)した。
此処の岩盤は一枚板の様で(アマ調査済み)若し持って帰るとしたら
ここから遠くに見える山の麓から続く岩盤ごと持って帰らないとイケナイ、
不可能なのだ。
<ほ~ん、そうなんだね それじゃあ安心だね。>
このまま作業は続きそうなのでクスちゃん宅に今夜はお泊りして 明朝から
また監視しよう、夜間の監視はフォーとヴィーヴォがヤッテくれると言うので
お任せした。 (寝なくて大丈夫なの 何だったら途中で代わるよ)
{告 マスター、魔族は基本睡眠は必用有りません。一応ユグドラシルも
ビフォアー・フォー様も魔族です、因みにマスターも魔族です。}
そうだった 魔族寝ないで良いんだ、って俺何時まで寝るんだ?
{肯定 マスター、マスターは其の精神に引っ張られて睡眠を欲するのだと
思われます、大丈夫ですからお好きなだけお休み下さい マスターの寝ている
顔は私大好きです。(キャッ)} キャッって寝顔見られてるの恥ずかしいな
お風呂借りてから 寝よう。




