剣術って分かんない、教える人はもっと意味不明
あれからずっと、無基点発動を覚えるため、ひたすらイメージトレーニングをしている。しかも座禅、昨日のビウンの両目眼帯を着けてだ。どうやらこの眼帯こうして使うために持ってきてたらしい。普通に目閉じればいいじゃないかと思うが、こだわりなんだろう。30分毎ぐらいにお題を与えられ、それについてイメージを膨らませるという形式でやっているがそうだとするともう4時間経ったことになる。
「よし、そろそろ終わりでいい」
「やっと、終わったー」
眼帯を外し、伸びをする。そして、ストレス発散に大きく振りかぶり眼帯を床に投げつける。
「爆ぜろぉぉおぉぉ!」
眼帯が地面についた瞬間、爆発が僕を飲み込む。
はぁ!? 何だこれ、めっちゃ痛いんだけど。ってそれより周りの物が粉々なんだけど……あーもうめちゃくちゃだよ。
「詠唱か、結果は出てるようだな。だが目指すのは無基点発動だ。今日はこれで終わりだが、明日もあるからな。では、また明日」
手を降ってビウンは帰ろうとする。
「ちょっと待って! ここからどうやって出るの? あとケテルの場所どこ?」
「案内した方がいいか?」
「お願いするよ」
「ついて来い」
ビウンの後ろに続く。真っ黒で見辛すぎて分かんなかったけど出入口ここなんだね。壁もだけど、よく見ないと気づかないよこれ。魔法とか使ってるかと思ってた僕がバカみたいだ。てか、ドアぐらい取り付けて欲しい。
ケテルの部屋についたが本人の姿は見当たらない。
「いないようだな。待っていれば来るだろう。また明日会おう、少年」
そう言ってビウンは帰ってしまった。
この部屋物がないけど本当に使われてるの? てか、広すぎない?
後ろから足音がした。
「ケテル何で呼び出したんだ?」
振り返りって、ケテルに問う。
だがそこには、大剣を高く振り上げている女がいた。
既に剣は降り下ろされ始めている。
「爆ぜろ!」
爆発に身を任せ、吹き飛ぶことで距離をとる。さらに空中で魔方陣を展開し、光の弾丸を打ち出す。
やり易いような、そうでもないような、あの瞑想みたいの意味あんのかなぁ。
着地をする前に魔方陣で結界を張る。
「着地狩りはさせないよ。で、お前誰?」
女は黙ったままだ。そして、これで戦えと言うようにブロードソードを投げ渡してくる。今のトキちゃんの形とほぼ同じだ。
これってまさか、剣の方も教えるって事じゃないよね。うん、絶対そうだな。
「これって剣の稽古的なやつです?」
ん? 笑ってる? 女は人差し指で上を指した。上? あれそういえばこの神、大剣はどうした?
上ってことか!
上を見ると、大剣が降ってきている。
「爆ぜろ!」
爆発で、大剣の軌道を反らす。大剣は僕の少し横に突き刺さっている。ビックリしたけど、こんなのじゃ死なないよ。まあ、言われなきゃ、終わってたかもしれないけど。ってどこいった?
後ろか!
振り返りながら剣を振る。あれ、いない!? どこd……
上から降ってきた何かのせいで、地面に叩きつけられる。
「う、ぅあ」
やべ、背中打ったときのやつだ、呼吸ができない。
何とか呼吸しようとしていると急に意識が途切れる。
目が覚める。頭に何かついてると思ったら、包帯が巻かれていた。最後のって頭に何か当てたのか。それって、鈍器じゃ。むしろそっち教わった方がいいかな?
「起きたみてぇだな。で、今日はどうだった?」
「潰されるし、降ってくるし、散々だったよ」
あれ、何だったのか分から無いな。いつ上に飛んでた? 聞けるときに聞くか。
「ハッ、そうだよなぁ、あのバカ達だからなぁ!」
「じゃあ、何で頼んだんだよ!」
「そりゃ、実力はあるからな。あと、俺が頼んでもあいつらぐらいしか受けてくれねぇしな」
ケテルと関わりたい神はやっぱ少ないんだね。というより、変人しか関わらないんだね。
「ビウンもあれだけど、あの女はなんなの?」
「ハッセンか、あいつは戦神で一番の問題児だ。言葉は話さないがこっちの言うことは分かってる。なにかを伝えるとき、文を書くんだが、字が物凄くきたねぇ。で、これが一番重要なんだが、ハッセンにあだ名つけるとか、ハッセン以外の名で呼ぶのは止めた方がいい。その場にいなくても、だ。まあ、これさえ分かってりゃ大丈夫だ」
なにそれ、すごく気になる。明日試してみるか。
「あのーちょっと聞いていいですか?」
「何だ?」
「ここにいる神って皆、黒髪なの?」
「そんなことか。そうだ、大体が黒髪だ、この世界に生まれた時からな」
「へぇ、だからビウンも四千×二さんもか」
「おいお前!やめろって言ったろうが!」
ケテルが誰からも分かるぐらい焦ってる。え、そんなにまずいの?
後ろに殺気を感じた。振り返る間もなく意識を失う。
目が覚める。あれ? 顔の上に何かある。紙かこれ?
照明が点いていないのでスマホの光で見る。
二欠lよ無り
次は無い、と書こうとしたんだろうけど………字が汚いのもあって、軽くホラーなんだけど……