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美少女


 「なんでっ・・・無駄に・・・長いんだよこの坂は!」

 

 長い坂をくだりながら入学初日から汗を流しながら走る。家に着くとすぐに上履きを準備して校舎を目指す。

 もはやこの時点で遅刻ギリギリというタイミングである。それでも走るしか選択肢はなかった。

 

 「くそ、こうなるんだったらやっさんの上履きでも強奪すればよかった!!!」

 内心アホだなだなと思いつつも吐かずにはいられない。こうなると道中にある桜並木など眼中には入らず、ただひたすらにピンク色のした何かであった。


 無駄に長い坂を登りきって校舎の前に着いた時、すでに遅刻は免れなかった。


 遅刻です残念でした~と嘲笑うかのように澄み渡る青空を背景にした校舎を見つめていると後ろからドンと背中に衝撃が走った。


 

 「君も遅刻かい!?!?!?」


 長い黒髪に吸い込まれそうな大きい瞳。整った顔立ちに健康的な胸がいい感じでまるで全国男子高校生達にとっての理想とも言うべき女の子が立っていた。

 

 「真琴・・・君・・・?」

 

 さらに言うと太ももが健康的な太さで良いですねグフフ・・・ってあれ?


 そこには何故か初対面の僕の名前をしっている美少女が驚きの眼差しで僕をみていた。



――――――――――――――――――――――――――――――


 

 「あのすみませ―――」彼女の驚いた視線を他所に何故僕を知っているのだろうという疑問を投げかけようとした時、


 《ピンポンパンポンピンポンパンポン~♪》というチャイムの音が会話を遮った。


 「さ、サラバっ!!!」

 と、即座に始業式に参加する為走り出す彼女を他所に、突然起きたことを理解できず僕は校舎の前に立ち尽くしていた。


 何故あんな美少女が僕の顔を知っているんだ?というかあんな美少女と登校初日から話せた(?)し、あぁ、薔薇色の学校生活が僕を待っているんだと思いながらふと我に返る。

 



 「逃げられたあぁああああああああぁあぁあ!?!?!?!?」




 澄み渡る青空を背景にした青春の学び舎は僕を嘲笑っていたに違いない。

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