58 コーラでぐつぐつ
コンロの一つにどーんとでっかい鍋。あ、かまどだけどね。もう一つにも鍋を置く。
どうせ煮込むなら、ついでに作ればいいって気が付いた。大事なのは鍋の前について、アクを取ることと、焦げないようにかき混ぜてタイミングを見て火からおろすことだもん。二つ一緒に作れる。問題ない。
てなわけで、片方に角煮。
もう一つの鍋は、たっぷり増えたMPポーションをふんだんに使ってあれを作ろうと思います。水分いっぱい飛ばせばコーラには砂糖がいっぱい入っているはずだから、砂糖替わりになるはずっ!
そしてコーラに入っているのは、シナモン バニラ クローブ カルダモン レモン。
うん。バニラ以外は材料一緒だから大丈夫だよね。バニラがどう作用するかは知らないけれど……うまくできると信じよう。
材料入れて、角煮の鍋に調味料を目分量で……入れては味見、入れては味見。
あ、メモ……いや、こんな大量に作るレシピの分量いるかな?……食堂で作ったりする?じゃぁ一応メモるか。
えーっと、瓶何本と、何メモリみたいな書き方になるな。
それからもう一つの小ぶりの鍋にはMPポーションを……正の字で足して行けばいいか。メモリいくつなんて微妙な調整しないよ。
さぁ。あとは焦げないように。
ぐつぐつ。
あくとり。
ぐつぐつ。
火加減調整。
ぐつぐつ。
うはー、甘い匂い。こっちだ。コーラ大量のため、匂いが甘い。
角煮、コーラ少なめにしておいてよかった。流石にバニラ風味の強い角煮は嫌かも。
ぐつぐつ。
とろんとろん。
はー、おいしそうです。
そういえば、味見で口に入れるとどうなるんだろう?
「ステータスオープン」
えっと、夕飯で食べたものの効き目は確かローファスさんがもうないって言ってたから、補正値そのほかは味見の段階で口に入れたものの効果だって分かるよね。
「あれ?」
補正値が付いてない。
HPは満タンだし、MPも満タンだから回復効果があるか分からないけれど……。
醤油も酒も使ったのに、守備力も攻撃力も補正値が付いてないよ?なんで?
MPポーションが打ち消しちゃった?
そういえば、そのまま飲んでも効果がないって言ってたけど、調理中の味見はそのまま飲んだ時と同じ扱い?
料理として完成してからしか効果がない?え?だとしたら完成度の低いものと高いものじゃ効果違う?
うっかり焦がしたりするとどうなるんだろう……?
分からないことだらけだよねぇ。本当。
まぁ、いいか。
さて、完成です。
あとは冷めると味がよくしみます……って、こんな大鍋、冷めるまでにどれだけ時間がかかるの?!
一夜干しにするって、冷めてから干して一夜干しになるの?しゃーない。鍋から引き揚げよう。
「ブライス君、干し肉にするにはどうすればいいですか?」
「ユーリさん、ありがとう。僕がやりますよ」
「いえ、やり方を覚えたいので教えてください」
ブライス君が、簡単ですよと、ざるのようなものに並べる方法と糸でくくってつるす方法を教えてくれた。
とにかく肉を風通しの良いところにおいで乾燥させればいいらしい。
「おお、ちょうどいい。こっちだこっち。干し肉作る場所作ったぞ」
ローファスさんが手招きする。
物干しざおみたいなのと、棚が倉庫の外に設置されていた。素早い。食に関する行動力がすごすぎる。
「で、干してる間に獣に食べられないように獣除けも設置してある。
物干しざおを取り囲むように干し草みたいなのをくくった石が置かれていた。獣が嫌う匂いだろうか。
「雨が降ったらどうしたらいいんですか?」
「倉庫に入れればいい」
「雨の日の倉庫の中って、湿度が高くて風通し悪そうですけど、大丈夫でしょうか?」
腐ったりカビたりしないかな……。
「あー、これがあるから大丈夫。
ローファスさんが、倉庫の壁を指でがつっと付いた。
……穴が開きました。はい。空手家でも、指で壁に穴をあけるの難しいと思います。
そこに、石を埋め込む。
赤じゃないから火の魔法石じゃないでしょ。
青じゃないから水の魔法石でもないでしょ。
黄じゃないから光の魔法石でもないでしょ。
緑は何だろう?
いつもありがとう。
強火で野菜がおどるだの、弱火で沸騰しないようにだの、必要があれば補足するつもりですが、とりあえず語彙がどっか行っているのでいつもぐつぐつになっております。
カルダモンを買ったので使ってみました。
カルダモントースト(シナモンのがおいしい)、カルダモンウインナー(さっぱり味がしないし臭いも飛んだ)
カレーは作る予定はないですが、一瓶、ほとんど減ってません。何か簡単で美味しい使い道ありませんか?




