59 大王の名、正義の味方
「そよ風」
ローファスさんの合図で、無風だった倉庫の中に風が吹き始めた。
「風の魔法石だよ。停止」
停止の合図で風がやんだ。
す、すごい!
風の魔法石があるなら、風と水で冷蔵庫みたいな
「小さな魔法石だから、これで半日くらいかな。ここに予備おいておく」
え?たったの半日しか持たないの?じゃぁ、ずっと使わないといけない冷蔵庫とか無理だよね?
あー、残念。やっぱり魔法が使えるようになって氷を作る……!これしか冷蔵庫ゲットの道はなさそうです!
次の日になりました。
今日でブライス君が出ていくかと思うと、早くに目が覚めてしまったのですが……。
うん。感傷に浸るよりも、外から聞こえるドカンドコンという音が気になります。
米を洗って、水につける。このまま30分。
その間にこそっと外の様子を見に行く。
ぎゅおーんと大きな火の玉がファーズさんめがけて飛んでいく。
「う、うわぁっ、ドラゴンボートみたい!」
詳しい人には違うって言われそうだけど、私の知っているなんか火の玉みたいなの飛んでいくのがそれくらいしかない。
なんだったっけ、南の島の、えっと、大王の名前、えーっと、その名は?
亀、亀、えーっと。
「亀なんだったかなぁ……」
「ん?かめ?何それ?おいしい?」
へ?
気が付くと横にカーツ君が来ていた。
「おはようカーツくん」
「おはようユーリ姉ちゃん。なぁ、かめって何だ?」
えーっと、何と言われても……。
「故郷で子供向けのお話があって、ブライス君の使ってるあの魔法の名前がね、南の島の大王の名前なんだけど、それが亀なんとかだったと思うんだけど思い出せなくて……」
「へー、大王の名前がついてるんだ、かっこいいなぁ!」
うっ。
言えない。
南の島の大王がかっこいいというよりは陽気な感じの存在で……。ギャグマンガ寄りだった時代の笑いを産むためにつけられた技の名前だったなんて……。
目がね、きらっきらしてるの。
「いいなぁ、ブライス兄ちゃん。大王の名前が付いた魔法まで使えるんだ。すげー」
あああ、ごめんってば。
「で、ユーリ姉ちゃん、大王の名前思い出したか?」
……思い出さない方がよさそうだ。この世界で、亀なんとか派とか流行ったら私の心臓が耐えられない。
「ごめんね、思い出せないや……」
「そっか……」
しゅんっと思いっきりうなだれるカーツくん。
おおう、ごめんっ!
「思い出したら、教えてくれよな!」
うぐっ。
そんな会話をしていると、巨大な火の玉をよけたファーズさんが地面を蹴り垂直に4mくらい飛び上がった。
すごい!
そして、そのままグーにした手を突き出してブライス君に向かっていく。
「あ、あれ、アーンパー……」
おっと、行けない。
口を手で押さえる。
「何?アーンパー?」
かわいい子供たちと何度も見た、幼児向けアニメのね、キャラクターのね、必殺技なんだけど。
あの子たち元気かな。すぐにそのアニメは卒業してヒーロー物に夢中になってたね。今はそれも卒業して……何を見ているんだろう。頭を小さく振る。
きっと幸せになってるよ。略奪されたということにはショックだけれど……。ママは優しくて一生懸命で……。
主人の言う通り、彼女は私なんかよりもずっと素晴らしい人なんだろうなぁ……。
思い出を振り払い、目の前に目を向ける。
そこには幼児の見るアニメのキャラクターとは似ても似つかぬ筋肉もりもりのローファスさんがいる。
うん、いくら同じポーズをしたって、ローファスさんには似合わないよね。
「ねぇ、それは何?何?」
カーツ君がまたもや目をキラキラさせてこちらを見ている。
いつもありがとうございます。
お遊び回になってしまいました。子育てあるあるですよね。子供向けアニメのことをツイ思ってしまうの。え?違う?
カルダモンレシピをたくさんありがとうございました。
人気NO1はミルクティーみたいなので挑戦しようと思います。それがダメだったら肉に振りかけてみます。
さて、もう一つ買ったはいいのですが使えてない「クローブ」これどうしたらいいんでしょう……




