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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、民族 2

 私が助けたあの人たちは、仲間の人たちと合流をした。私たちがあの人たちを害そうとしていないことは納得してくれたようだ。ドングさんはどこかへ行ってほしいという希望は告げたらしい。食料なども与えてという話だ。―――だけどあの人たちはこの場にとどまっていると、レイマーが報告してきた。

 納得したと口では言っているけれども、実際は全く納得していないということなのかもしれない。彼らは私たちの住んでいる場所を探しているのだろうか、周辺をうろうろしているのだと。しかし、村にはたどり着けていないようだ。



 この村はそこまでわかりにくい場所につくられているというわけではない。寧ろ、目立つとさえ思える。だけど、見つからない。



「――恐らく、レルンダが居るからですね。レルンダは一度は彼らを村に入れようとしていたようですけれど、ドングさんたちの話を聞いて村に来てほしくないと思っているでしょう。その気持ちがこういう結果に繋がっているのか、それともその方たちがこちらを害そうという気持ちが少なからずあるから見つけられないのか、どちらかでしょう」

「……そう」

「ええ。そうだと思いますわ。本当に、神子とは興味深い存在ですわ」

「……確定してない、でしょ」

「ええ、確かに本当にレルンダが神子であるかというのは確定しておりません。でも私は貴方が神子だと思っております。それに神子ではなかったとしても、レルンダが特別な力を持っているのは確かですしね」



 ランさんは穏やかに笑って言い切った。

 そしてランさんは続ける。



「それにしても周辺にいるとは困りましたね。この村の場所を見つけることは出来ないかもしれませんが、用心はきちんとしていた方がいいでしょう。神子の力は決して完璧ではない、というのはアトスさんの件でも明らかです。ドングさんたちも分かっていて気をつけてはいるでしょうが。何が起こるかも分かりません。あちらは何か考えがあって、こうして私たちの村周辺をうろついていることでしょう。このまま誰ひとり見つかることもなく、去って行ってくれればいいですが、この村の場所が見つからないにしても近くに住まうということになればかかわらずに生きていくというのは難しいですしね……」



 村を見つけられないからと去ってくれれば一番良い。だけど、もし周辺に住まうのならばかかわらずにいられない。

 あの人たちは何を考えているのだろうか、あの人たちは何を望んでいるのだろうか。――それがわかれば何か変わるだろうか。この周辺からどこかへ旅立ってくれたりするだろうか。それとも深く知ってしまったら、かかわらないという選択肢はなくなるだろうか。



 分からない。分からないけど、ひとまず、このままの状況では駄目だろうということは分かる。だからランさんとのお話が終わった後、

「フレネ……」

 私はフレネの名を呼んだ。



 フレネはすぐに反応を示してくれる。



「フレネ、私……この村のためにも、あの人たちが何を考えているのか、知りたい」

「知ってどうするの?」

「わかんない。けど、知ってるのと、知ってないのだと、知ってる方がいいって思う」



 知ってどうするか、に即答は出来ない。その答えを私は持っていないから。だけれども、知っているのと知っていないのだと知っている方が何かあった時に動きやすいのではないかって思ったから。

 フレネは私の言葉に頷いてくれた。フレネの姿や声は、フレネが自分から見せようとしなければ彼らには見えないはずだ。だからこそ、フレネなら何か情報を集められるのではないかと思った。



 フレネはその後、あの人たちの元へいってくれた。

 私はその後、ガイアスの元へと向かった。



 ガイアスは、というよりこの村の子供たちは、今は外に出ないようにと言われている。あの人たちの問題があるからだ。だから村の中でガイアスは魔力を使う練習をしていた。身体強化は使えるようになったといっていたけれど、他の魔法らしい魔法は使えないといっていた。



「ガイアス」

「レルンダか……」

「……ガイアス、どうなる、思う?」

「……あの人たちのことか?」

「ん」



 ガイアスは私よりも、ちゃんと色々考えていると思う。私たちの目標も、ガイアスが最初に言ったこと。ガイアスは、あの人たちについてどう考えているのだろうか。あの人たちは、最終的にどうなると思うのだろうか。



「………正直、このまま去ってはくれないと思う」

「どうして?」

「……多分、あの人たちは俺達とかかわりたいと思っているように思えるから」

「うん……」

「でも、かかわらないほうが互いのためっていうか、俺達のためにはなるんだろうと思う」

「うん」

「俺は、俺達が安心できる場所作りたいっていった。―――本当は、あの人たちが俺達と同じように逃げてるならともに安心できる場所を作れるのが一番良いと思う。でも、その前に、今の俺達が本当に安心できる場所を作ってからではないと、あの人たち受け入れられないだろうな。……タイミングがもっと遅ければ、もっと、俺達の村がきちんと形になってたらあの人たち全てを受け入れることも出来たかもしれないけれど、今は時期が悪い」

「うん……」

「……でも多分、このままかかわらずに終われない気がする。どうにか、俺達に被害がないようになればいいんだけど」

「うん……」



 このままかかわらずに終わるのが、お互いのため。



 ―――だけど、おそらくこのままかかわらずにはいられない。



 そのガイアスの言葉通りに、彼らは村の近くから去らない。どこかにはいこうとしない。そして相変わらず村の場所を探しているらしい。



 ――――少女と、民族 2

 (多分、神子な少女はかかわらないほうがいいけれども、かかわらずにいられないというその言葉を実感する)




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― 新着の感想 ―
[一言] そもそも、人間のいる場所から偶然でも出会わない場所に新たな村作りをし始めたのに、どうして彼らは神子がいないのに獣に襲われてもどうにかここまでたどり着けたのか不思議です。あの程度の装備の者がた…
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