31.幸福と悪夢の花
今日もアグニさんは、カブトムシの角が付いた金色の兜をかぶって浮かれてる。
ダサいとは言えない・・・。
四十七階。
巨大な部屋と中央に魔物。
人間サイズの猿が1匹いた。
『鑑定』すると魔猿という名称だった。
猿以外は怪しい所もなく、これは楽に倒せそう予感。
次の瞬間、アグニさんが殴り飛ばされた。
殴ったのは猿、まったく動きが見えない。
ただいま苦戦中。
目で追えないスビートで攻撃してくるので反撃が出来ない。
こちらのダメージが蓄積する一方である。
攻略法が見つからず苦戦しているとルミナスさんが床に何かを巻いた。
そして何かの魔法を使うと床にツタがびっしりと這いめぐらされていく。
そのツタは猿の足に絡みついて動きを止める。
チャンス!
一斉に攻撃しようとすると猿が炎上した。
どうやら猿は自分に火魔法を当てて自分と一緒にツタも燃やしたようだ。
だが床にはまだツタは生えている。あのスピードかなければ!
猿が吠えるとその背中から鳥の翼が生えた。
そして空中に浮かびあがり、今度は上から滑降しながら攻撃してきた。
空中からの攻撃で苦戦していると、松本さんの号令で白百合騎士団が密集する陣形をとる。
そこに攻撃する猿。
白百合騎士団は自分達を犠牲に猿を捕まえて動きを拘束した。
「はやく!」
動けなくなった猿に止めを刺す。
なんとか猿は倒せたが、白百合騎士団はボロボロになってしまった。
ここで回復も兼ねた休憩。
激戦続いたせいか持ち込んだポーション類が底をつきかけていた。
『万物創造』を使えばポーション類を作れるが・・・ユニークスキルは使いたくない。
申し訳ないが作れることは黙っていることにした。
四十八階。
巨大な部屋の中央に・・・
プリン?
巨大なプルンが鎮座している。
黄色の円錐台で頭頂部には黒いシロップみたいなものがかかっていて
やっぱりプリンだ。
スライム系のモンスターなのか?
刀で突いてみてもやっぱりプリンだった。
「私、今プリン食べたかったんですよー」
ルミナスさんがプリンに突進する。目の色がおかしい。
パクリ。
ルミナスさんが食虫植物の様な葉に食べられた。
さっきまでプリンだったものはラフレシアの様な巨大な花になっていた。
その葉は、食虫植物の様に口になっていた。
葉を切り裂き、ルミナスさんを救出。
だが、ルミナスさんは痺れて動けなくなっている。
「ナオト君!」
目の前に僕がいた。
松本がフラフラ寄っていく。
「松本さん止まって!」
パクリ。
松本さんも食べられた。
松本さんもすぐ救出したが、ルミナスさん同様に痺れて動けなくなっている。
だんだんこいつの仕組みがわかってきた。
魔法が何かで獲物が欲する物に擬態して引き寄せる魔物だ。
ん?
松本さんって僕が欲しかったということ?
「団長!」
アンジェリカさんが松本にかけよる。
「それ違う、擬態」
パクリ。
アンジェリカさんもやられた。
さっきからどうもおかしい。
頭がぼんやりする。
目の前に家族がいた。
美雪の両親でもない、叔父夫婦でもない、死別した両親と妹が。
「いなくなったと思ったらこんなところにいたんだ」
僕の足は家族に向かって歩みだす。
「違う違う違う」
「父さん・・・」
「違う違う違う」
「母さん・・・」
「違う違う違う」
「舞・・・」
「違う違う違う」
僕は刀で家族を切り裂いた。
ぼんやりした思考がはっきりしていく。
目の前には、ラフレシアの魔物の屍骸。
「クソッ!」
僕の意識は突然途切れた。
久しぶりに家族の夢を見た。
皆でファミレスで食事する夢だ。
ああ、楽しいなぁ。
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名前 真神尚人 17歳
種族 人間族
職業 勇者
レベル 10
HP 3000/3000
MP 2862/2862
力 550
体 510
俊 510
魔 600
【スキル】
万物創造 共通言語認識 電脳
狩人 剣術 刀術
投擲 体術 ゴブリン式格闘術
回避 解体 火魔法
水魔法 風魔法 土魔法
回復魔法 重力魔法 生活魔法
状態異常魔法 弱体化魔法
遠見 警戒 索敵
空間認識 料理 農業
状態異常耐性 並行詠唱
【称号】
異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ
盗賊スレイヤー 帝国勲章 カレーの王子様
【固有魔法】
ブリットショット
ブリットバースト
リバイブ
【装備】
アダマンタイ刀
皮の鎧
手甲
お洒落なマント
世界樹のペンダント
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