07.ダンジョンと盗賊
体育館くらいの広さの大きさな部屋。石作りの床、壁や天井。天井は薄く光っている。
ダンジョン内に点在するセーフティゾーン。
その部屋に縛られ動けない冒険者が3人、死体となった盗賊が6人いた。
そして尚人は、生きている最後の盗賊の首に刀をあて尋ねる。
「これで残党全てか?」
「お前のせいで、お前のせいで、お前がサカイにあらわれなければ俺たちは上手くやっていたんだ!」
「そう」
冷たく答えて刀を持つ手に力を入れる。盗賊の首筋からすうっと血が流れる。
「わかったやめてくれ!俺達で最後だよ!これで俺達の盗賊団は壊滅だ!」
刀から力を抜くと盗賊は安心したように喋りだす。
「なぁ俺を雇わないか?役に立つぜ?何でもやるぜ?なっなっ?」
刀で一気に盗賊の首を両断する。
「死ぬ覚悟のないやつが盗賊なんてやるなよ。もう聞いてないか」
オワリの宿での目覚め。昨日の夜に自作したハルバードの具合を確かめる。
さて、ダンジョンに潜りますか。
宿の朝食をとり、焼き立てのパンをいくつか分けてもらう。
ダンジョン近くの道具屋で「楽しいダンジョンセット」というのがあったので買った。
ネーミング・・・。
中身はまずスライムランプ。
スライムが落とす素材、スライムオイルを燃料にしたランプだ。
熱を発さない光を出し、煙や臭いもない、燃費も良い。
これは普段使い出来るのではないかと道具屋に聞いたら、燃料以外に魔素が必要で、ダンジョンや魔物が多い地域ではないと使えないそうだ。
昔、天才魔道具技師と呼ばれた人が魔物の檻付きスライムランプというものを作ったそうだ。
檻に魔物を入れれば魔素の補給が出来てどこでもスライブランプ使えると謳っていたすぐに没になった。
そりゃそうだ。
その魔道具技師は一部の人に天才と敬われ、彼女の作った試作品達はマニアの間では凄い値段で取引されているそうだ。
天才スゲー。
話はそれたが、他の「楽しいダンジョンセット」は、魔物除け石。
これはダンジョン内に点在するセーフティゾーンにある魔物除けの魔道具の燃料でこれを魔道具にはめると魔物が近づかなくなる。1個の石で72時間効果がある。
あとは、水分を飛ばしてカチカチに焼いたパン、マッピング用の白紙のノート、筆記用具、水筒用革袋などなど。
『収納』にしまったらダンジョンに移動。
ダンジョンの入り口は街の中心にあり、その周りには屋台やバザーが広がっていた。
色々なものが売っていたが地図屋があったので5階くらいまで買ってみた。
一度目を通せば『電脳』で検索できるので立ち読み出来たがちょっと罪悪感があり正規に購入した。
さていよいよダンジョンに。
ダンジョンの入り口でステータスプレートを見せて入場料の銅貨10枚を払う。
受付の衛兵がステータスプレートを凝視していたので問題でもあったのかと思ったが特に何も言われず中へ入れた。
地下一階は単純な構造で発生する魔物もスライムのみ。
初心者向けで、スライムのオイルと核が結構な収入になるので子供達もこの階層でよく狩りをしているそうだ。
ハルバードの試し切りで何匹かスライムを倒す。
小型のスライムは、核ごと両断出来たのでサクサク倒せたが、大型はちょっときつい。
粘度の高いスライムオイルの体に邪魔されて核まで攻撃が届かない。
何度か突いたり切ったりして核の周りのスライムオイルが薄くなったところで一気に両断していたが、物理での攻撃諦めた。
面倒だし両断したスライム核でアイテム作成すると量と質が悪くなる。
核を壊せばスライムオイルが手に入るが核の質が落ちる。
魔法でスライムオイルを攻撃すれば上質の核が手に入るがスライムオイルは消滅してしまう。
風魔法でスライムを蹴散らせながら地下二階に下りる階段あたりまでさくっと移動。
スライムは素材は手に入るが魔石が手に入らないからなぁ。
核もオイルもある程度手に入ったからもう一階には用はない。
地下二階はゴブリンがよく発生する。他にスライムやジャイアントバットなどだ。
ゴブリンはハルバードでジャイアントバットは風魔法で倒していく。
倒した魔物を解体していくと結構な数のゴブリンの魔石とジャイアントバットの魔石、討伐部位のゴブリンの耳とジャイアントバットの翼はその場に放置も癪だったので回収だけした。
しばらく進むと、体育館くらいの広さの大きさな部屋に出た。セーフティゾーンだ。
部屋の中央あたりにあった魔除けの魔道具に魔物除け石をはめると天井が光り始めた。
照明の魔道具とも連動されているようだ。
ここでハルバードを『収納』して刀を取り出す。そして『索敵』
ダンジョンに入ってからずっと尾行している何者かがいた。
『索敵』をかけながら警戒はしていたがセーフティゾーンに入ってから一気に詰め寄ってきたのでここで一波乱ありそうだ。
尾行者を警戒しながら休憩していると冒険者風の男が10人ほどセーフティゾーンに入ってきた。
素早く『鑑定』すると盗賊が7人と冒険者が3人
冒険者は殺しては不味いがあとは獲物だな。
「こんにちは」
盗賊の一人が挨拶をしながら近づいてきたので挨拶を返しながら居合いの真似で刀を抜きながら一刀両断。
居合いではなくただ切っただけだったが奇襲には成功。
残り9人。
次の盗賊に切りかかりながら魔力を練る。
『並行詠唱』を習得しておいてよかった。
盗賊に止めを刺しながら風魔法ウィンドボールを冒険者にあてる。強い衝撃で冒険者が吹っ飛んで気絶した。
残り7人。
躊躇なく盗賊を殺していることで残りの冒険者2人はびびって怯んでいる。
僕は盗賊ハンターの称号のおかげか以前より盗賊が簡単に切れる気がする。
盗賊達も怯んでいた。
ファイアーボールが飛んできたので術者に向かって走りこみながらウォーターベール。
ファイアーボールをしのぎながら武器を刀からハルバードに変えて突進。
見事盗賊に貫通したが盗賊の体から抜けなくなったので『収納』で回収してからまた取り出す。
残り6人。
こちらに切りかかってきた盗賊をハルバートの斧頭で薙ぐ。冒険者も切りかかってきたので腕を薙ぐ。
武器を刀に変え転がっていた盗賊に止めを刺す。
残り4人。
弓を構えていた盗賊にダガーを投擲してけん制しながら練り上げた魔力で冒険者にウィンドボールを当てて気絶させる。
これで冒険者3人は動けなくなったので残りは盗賊のみだ。
残り3人。
弓を使っていた盗賊は確かサカイで逃げ出した奴な気がする。
盗賊の2人の攻撃をかわしながら握られないようにウィンドカッターで後方にいた弓盗賊の片足を切断。
更に盗賊1人を刀で両断。
残り1人。
残った一人は、他の盗賊達よりレベルが高めで両断とはいかず何度か切り結ぶ。
ステータスはこちらの方が上なので何度か切り結んだろところで盗賊は怯みだす。
最初に気絶させた冒険者が意識を取り戻し、こちらを攻撃しようと近づいてきたので盗賊から意識をそらしたところで逃げ出そうとしたので背中からばっさり両断。
こちらに攻撃しようとした冒険者に向かってウィンドボールを打つ。
ウィンドボール躱されたがそのままタックルして冒険者を組み敷く。
その冒険者は縛りあげ、気絶していたもう1人も縛る。
腕を切られ蹲っていた冒険者を縛りポーションをかけておく。
そして足を切断した盗賊の首に刀を当てて確認をする。
うん、これで盗賊の残党はいないようだな。
最後の盗賊の首を斬り戦闘終了。
『解体』で盗賊の指を回収して捕まえた冒険者に近づくと怯えていた。
何で盗賊と一緒にいたのか聞いたが「殺さないでくれ」と話にならない。
ちゃんと答えないとお前らも処分するぞと脅したら全て喋った。
どうやら元々は冒険者だったが盗賊に誘われて盗賊団に入ったらしい。そして今回は初仕事。
まだ犯罪歴がないので職業は冒険者のままだったぽいな。
しかし、ダンジョンに入るには冒険者ギルドのステータスプレートが必要なのに何故盗賊達が入れたのだろうか。
その辺の疑問も冒険者の答えですぐに分かった。
入口の衛兵が盗賊に買収されていただけだった。
なんとも単純な。
ステータスプレートに細工とか普通できないよな。
衛兵ごと冒険者ギルドにつきだしてやろうと捕まえた冒険者を連れてダンジョンから出る。
盗賊の仲間になったわけだから処分しても罪にはならないが、ギルドが冒険者と盗賊の関係を調べるのに時間がかかりそうだったのでやめた。
さっさと罪でも犯して職業盗賊になっていれば楽だったのに。
ダンジョンの入り口に僕のステータスプレートを凝視した衛兵がいたのでウィンドーボールを当てて気絶させた後に拘束する。
こいつ、盗賊達に賄賂を貰って僕がダンジョンに潜ったら、連絡するように頼まれてたんだ。
騒ぎになって他の衛兵が集まってきたが事情を説明。捕まえた冒険者に証言させたが僕も疑われて冒険者ギルドまで一緒に連行された。
まぁ身内に甘いのは何処の世界でも一緒だな。
1時間くらいの取り調べで無罪になり拘束から解放。
衛兵の偉い人からも謝罪貰い、何か補てんするというのでセーフティゾーンに忘れてしまった魔物除け石を貰うことにした。
何故か10個も貰った。
そして「このことは外で言わないでほしい」と衛兵の不始末の口止めをされた。
補てんとか言ってたけどこれも賄賂なんじゃね?
ありがたく貰っておいた。
宿に戻りステータスを確認すると『槍術』と『斧術』を習得していた。
すぐにハルバードに合成してみたら
_____________________________
ハルバード 槍斧
純度の高い鉄と名工の手による鍛錬によって出来た槍斧
斬る・突く・叩く・引っかけるという使い方が出来る
槍術2斧術1
___________________________
おっ、予想通り。
同じスキルの合成でスキルレベルが上がった。
これを利用すればスキルレベルの強化が簡単だ。
しかし、スキルを付与した武器を使う時だけに限定されるのが欠点かな。
また閃いたのでハルバードを材料に鉄の槍を『万物創造』する。
こうやっていけば武器の強化のスキルの強化が簡単に
ただの鉄の槍になっていた。
消えたスキル・・・。
一縷の希望を込めて鉄の槍を材料にハルバードを『万物創造』
ただのハルバードの完成。
不貞寝した。
_____________________________
名前 真神尚人 17歳
種族 人間族
職業 勇者
レベル 5
HP 1500/1500
MP 1762/1762
力 300
体 280
俊 280
魔 350
【スキル】
万物創造 共通言語認識 電脳
剣術 刀術 投擲
体術 回避 解体
水魔法 風魔法 生活魔法
遠見 警戒 索敵
空間認識 料理 状態異常耐性
並行詠唱
【称号】
異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ
盗賊ハンター
【装備】
ハルバード
皮の鎧
お洒落なマント
_____________________________




