閑話 ―キュアティーチャー マジカル☆モモ―
山田桃子 31歳 独身。高校教師。
彼氏無し。友人無し。貯金無し。
顔は童顔で可愛い系だし、おっぱいもでかくて男受けしそうなのにモテない。
さっきフラれてきたばかりだしね!
「魔法少女のコスプレしてデートしたいて言ったらなんでフラれるのよー。些細な夢じゃん。魔法少女に人権を!」
ビール片手に魔法少女アニメを見ながら一人愚痴を垂れ流す。
「あーあの男、一生顔から生ゴミの臭いがすればいいのよ!」
桃子は、玩具の魔法ステッキを振り回しながら元彼に魔法をかける。嫌な魔法だ。
山田桃子は、幼少のころに魔法少女アニメにはまり、自分も魔法少女になりたいと、アニメ、漫画、書籍とありとあらゆる魔法少女物を研究した。
その結果、魔法少女にはなれなかった。
が魔法少女オタクになれた!
気付いたら、魔法少女コスプレイヤーとしてその界隈で有名人になっていた。
痛い残念系女子である。
桃子は、まだ魔法少女を諦めていない。いつか変身できる。魔法が使えると信じている。アラサーだけど。それが婚期逃してる原因だけど。
そんな桃子を魔法少女の神は見捨てなかった。そう異世界召喚だ。ユニークスキルだ。
ユニークスキルは、趣味趣向などが強く影響される。
アースガルドに召喚された桃子のユニークスキルは『魔法少女』
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魔法少女 1/10(ユニーク)
女神の祝福によるスキル
所持者の魔法少女知識を具現化、魔法化することが出来る
マスコットを召喚できる
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桃子は歓喜した。
魔法少女になれる。
思わず声がでそうになるが、異世界の偉い人が何か喋っているので声を出すのを我慢した。
あー早く試してみたい。変身してみたい。フリフリの衣装を着たい。
偉い人の話は、幾程聞いていなかった。
話の流れでステータスを表示することになった。
生徒たちにスキル欄の『魔法少女』を思いっきり見られた。
どんな顔をしてるのか怖くて生徒たちを見れなかった。
『魔法少女』のスキル内容について自己申告することになったが、異世界人に魔法少女をどう説明していいのかわからず、「地球の魔法使いです」と答えたら、ひろっとした男の人、グリードさんという方が食いついてきた。宮廷魔術師長で偉い人みたい。
日本で魔法使い的なことを言うと引かれるのに異世界ではモテるみたいなんだかウキウキしてきた。
ちなみにグリードさんはイケメンだけどちょっとガチムチでタイプじゃなかった。男性はやっぱり、黒いシルクハットとタキシードを着こなす仮面のイケメンじゃないと!
異世界にいないかな!そんな人!
もう生徒とかどうでもよくなっていた。
アルカディア王国で割り当てられた部屋で人払いをして早速『魔法少女』スキルのマスコットを召喚という能力を使ってみた。使い方はよくわからなかったが「小動物出てこい」と念じたら
キュポン
ファンシーな効果音と共にぬいぐるみチックなハリネズミが現れ、普通にしゃべり始めた。
「初めまして桃子。僕は魔法の国から妖精のハりィーだよ。これから君のサポートをするからわからないことは何でも聞いてね!」
大好きな某女性声優のシャタ声で再生されたハリィーの声を聞いてよだれが出た。
しばらくハりィーを見ながらニヤニヤしていたが、ふっと我に帰って改めに『魔法少女』使い方をハりィーに聞いてみた。
まず大前提としてこのスキルを使うためには、魔法少女に変身しなくてはいけないらしい。
変身後の姿は、知識にある全ての魔法少女から好きな姿になれるし、自分でイメージした姿でも良いらしい。
早速、変身してみた。もちろん、小さい頃からずっと妄想してきた私の考える最強の魔法少女!
突然、光に包まれ全裸になり頭から足先までゆっくり変身衣装に変わっていく。
全身が魔法少女に変わると同時に光がはじけ飛び
「キュアティーチャー マジカル☆モモ!素敵に華麗に参上!あなたのハートを教育しちゃうぞ☆」
脳内で念じるだけで変身出来るのがそれではつまらない。やっぱり変身後の口上や変身バンクないとね!とか考えてたら勝手に変身バンクと口上が出てきた。
なにこれ、素敵!
「モモ、変身おめでとう。モモの知識にある全ての魔法少女の魔法と技をイメージすれば何でも使えるよ。魔法の道具だってイメージすれば大丈夫だよ。」
ウキウキしながら魔法のステッキをイメージしてみた。魔法のカード組み合わせると色々な力を使える例のあれ!
キュポン
ピンクのステッキと「fly」と書かれてカードが出てきた。
これは夢にまで見た!やばいテンション上がる。空飛べる!
ここれで突然意識がブラックアウトし、私はぶっ倒れた。
目が覚めたら真夜中だった。
石の床に顔面からぶっ倒れていた。
状況がわからないのでハリィー呼び詳しいことを聞いたら、魔力の枯渇による気絶だった。
変身中は継続して、更に魔法少女の力を使うとMPが減っていく、そして0になると気絶するらしい。
ずっと魔法少女でいられいのは残念だけど、そんな制限も魔法少女ぽい!またニヤニヤしてきた。
興奮して眠れないので真夜中だけど変身して夜間飛行することにした。
例のピンクのステッキは行程が多い分MP消費が激しいので単純に空を飛ぶイメージをしたら簡単に飛べた。
魔法少女になって夜空を月をバックに飛行。最高!
月が3つくらいあったけどここ異世界だっけ!
夜間飛行を満喫していたら地上から悲鳴が聞こえてきた。
女の子が、男達に追われている!事件臭い!
女の子を守るべく男達をバラのツルで拘束!
「なんだこれ魔法か!」「イテテ」「なんだ魔族の襲来か!」
「アルカディア王国の平和と笑顔は私が守る。キュアティーチャー マジカル☆モモ!素敵に華麗に参上!あなたのハートを教育しちゃうぞ☆」
男たちはピンクの煙と共に爆発した。
「さぁもう大丈夫よ。早くおうちに帰りなさい。」
女の子はポカーンとしながら飛んでいく全身ピンクのフリフリな服を着たおばちゃんを凝視していた。
その日から、桃子は昼は眠り夜はアルカディア王国の平和を守るため、マジカル☆モモとして活動するのであった。
アルカディア王国のとある酒場では
「最近、夜になると全身ピンクの女魔族がでるらしいぜ」
という噂でもちきりだった。
調子に乗って書き殴ってしまいました。
今後、マジカル☆モモの活躍はあるのか、これっきりなのか(笑)




