第七十七話『行方不明にゃん』
第七十七話『行方不明にゃん』
《ふにゃあ》
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「こうして、
あったかぁい陽にゃまりの中で、
寝そべっているとぉ……、
ふわああぁぁんにゃ。
——いつににゃく間延びした、
大あくびがもれてしまったのにゃん——
自然に、うとうと、してくるのにゃあ。
世はこともにゃし。
しばしおネムとしようにゃん」
すやすやすや。すやすやすや。
《世はこともにゃし、にゃん》
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ぱたぱたぱた。
「んもう、ミアンったらぁ。
どこに行っちゃったのわん?
ちぃとばかし散歩してくる、なんて、
出かけていって、
気がついてみれば、もう夕暮れ。
どうせ例によって例のごとく、
睡魔に襲われて、
おネムの真っ最中なんだろうけどさ。
こうして心配して探し回っている、
こっちの身にもなって欲しいのわん」
ぱたぱたぱた。
「ミーナちゃん」
「うん?
今アタシを呼ぶ声が、
聞こえたようなぁ……うわん!」
ぎゅうぅぅん!
ばさっばさっ。
「あっ、イオラ。
——ミアンの捜索、なもんで、
飛行と探知、両方の能力に優れた、
大翼竜アーガと同じ姿になっているのは、
いいとして……なんでまたピンクなの?
そういやあ、
大霊蛇に化けた時も、だっけ。
好きなのかな?
あの、どこか抜けたような感じが。
待てよ。どこか抜けたような、といえば、
……そっか。
んだから、ミアンに一目ぼれしたのわん。
自分の命のかけらを分け与え、
化けネコとして、
生まれ変わらせたのわん——」
「ミーナちゃん。
なに、ぼぉっ、としているの?」
「えっ。
ううん、なんでも」
「ひょっとして」
ばさばさっ。ばさばさっ。
「ワタシの姿に、
一目ぼれ、しちゃったのかしら。
まぁ無理もないわね」
『変幻自在で、どんな姿にでも変われる』
「とはいっても、
それが理由で、
ワタシの美しさが損なわれる、
なぁんてことは、
皆無に等しい、ううん、皆無。
あり得ないから。
美しいものは、
どこまでいっても、
なにをしたって、
美しいまま、だから。
でしょ? ミーナちゃん」
「えっ。あっ。うん。
——イオラったら、
多分、滅びるまで、ずぅぅっ、と、
このまま自信家でいるんだろうなぁ——」
「ミーナちゃん。
ホントにどうしたの?
しっかりして。
ミアンちゃんが行方不明なのよ」
「はっ!」
《そうにゃの? にゃあんて聴く間も与えず、つづくのにゃん》




