第三十話『口ゲンカするほど仲がいいのにゃん』
第三十話『口ゲンカするほど仲がいいのにゃん』
《ネコの目覚めが奇跡をもたらすのにゃん》
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『よぉし!
決めちゃったのわぁん!』
「あら。
一体なにを決めたの?」
「そろそろ遊び場にみんな集まる頃だし、
ミアンをたたき起こして、
一緒に遊びに行くのわん」
「エラいわぁ。ミーナちゃん。
ミアンちゃんに、
怒られるのを覚悟の上でやるなんて。
親友思いなその心根に、
ワタシ、感動の一言よ」
「あのね、イオラ。
アタシだって、
んな役回り、まっぴらごめんなのわん」
「じゃあ、誰が?
……いっておくけど、ワタシはパスよ」
「ええっ! そんなぁ!
造り子がこんなにも困っているのを、
黙って見すごすつもりなのわん?
んれでも、
アタシの創造主だぁって、
胸を張っていえるのわぁん?」
「ミーナちゃん。
ワタシ、あなたが造り子だからって、
胸を張ったことなんて一度もないわよ。
……そうね。
肩身のせまい思いをしたことなら、
星の数を超えて、いくらでも、だけれど」
「今さら、
なにつまんないこと、グチってるのわん。
天空の村の守護神さま、とあろうもんが。
ほらほら。
四の五のいわずに、
さっさと起こしやがれ、
っていいたいのわん」
「あのね。ミーナちゃん。
なにも好きで守護神なんかに、
なったわけじゃなくってよ。
森の精霊が、
誰もいなくなっちゃったから、
それじゃあ、ってことで、
無理矢理、格上げされちゃったの。
とんだとばっちりよ。エラい迷惑だわ。
だからワタシ、自分に誓ったの。
もうこれから先、
損な役回りはごめんだって」
「アタシだって、
ごめんこうむるのわん」
「あら、奇遇ね。
こうして意見が合うなんて」
「創造主と造り子だもんね。
いわば親子も同然。
似て当たり前なのわん」
「そう。だったら……。
子どもらしく親のいうことを、
ちゃあんと聴いたらどうなのっ!」
「んならアタシも、
エンリョなくいわせてもらうのわん。
親なら親らしく、
子どもにいらぬ負担をかけるの、
やめるべきなのわぁん!」
「ミーナちゃんっ!」
「イオラっ!」
「ふわああんにゃ」
ぱちくり。ぱちくり。
きょろきょろ。きょろきょろ。
「——目を覚まして、周りを見ればぁ——
にゃあんかうるにゃいと思ったら、
ミーにゃんとイオラにゃんじゃにゃいの。
相も変わらず、仲が良くて結構にゃん」
「ミアン……やったぁ!
——ミアンが起きたのわぁん。
お悩みが、
一気に解決しちゃったのわぁん——
ミアァン! お早うなのわぁん!」
「ミアンちゃん……ああ、
神さま、仏さま、ガムラさまっ!
——素晴らしいわぁ!
これを奇跡といわずして、
なにが奇跡なのかしら。
きっとワタシの、
真摯な祈りが通じたのね——
ミアンちゃん! お早う!」
「はて?
にゃあんでふたりとも、
うれしさではち切れんばかりの、
幸せそうにゃ顔をしているのにゃん?」
《似たもん同士ってことはあらためて理解したのにゃけれども》




