第十話『ウチがでっかくにゃってしまったのにゃん』
第十話『ウチがでっかくにゃってしまったのにゃん』
《気がついてにゃん》
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『ミーにゃあぁん! ウチにゃよぉ!』
「はっ!
自分ながら、あっぱれ、なのわん」
『あれは紛れもなくミアン』
「と間髪容れずに、
アタシの洞察眼が見抜いたのわん。
……ああでもぉ。
一体どこから聞こえてくるのわん?」
『ミーにゃあぁん!
こっちこっちぃ。真上にゃよぉっ!』
「うわん!
またまたアタシの洞察眼が」
『真上を向け』
「と見抜いたのわぁん」
『……あのにゃあ、ミーにゃん。
洞察眼もにゃにも、
ウチがしゃべってるのにゃんよ』
「うわん!
しつっこいくらいに、またもや洞察眼が」
『ミアンがしゃべってる』
「と見抜」
「いつまでやってるつもりにゃん?」
《あきれたもんにゃん》
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かくっ。
「——あれっ?
アタシったら、
霊体なのに身体が硬いのかなぁ。
頭を90度上にかたむけた途端、
骨っぽい音がしたのわん……って、
ありゃりゃ?——
見上げたアタシのお顔と、
見下ろすミアンのお顔とで、
にらめっこしているのわぁん」
「どっちが勝ちにゃん?」
「と聴かれてもなぁ。
なにしろミアンのお顔が、
ケタ違いに成長して大っきく……って、
なにをどうしたらそんなに……待つのわん。
お顔がこれだけ大っきいってことは」
ぱたぱたぱた。
「——と上昇してみれば、
『驚き桃の木山椒の木』なのわぁん——
な、な、な、な、
なぁんて、でっかいミアンなのわん!」
「にゃあにいってんのにゃん?
今の今まで、
ウチの足元に背中をあずけておきにゃがら」
「まぁそりゃあね」
『へぇ。
偶然とはいえ、
寄りかかるのにちょうどいい、
クッションの利いた障害物が、
こんなところにあるなんてぇ。
一体なんなの……あれれっ?
この、つやのある、
「もわんもわん」とした毛並みって、
見た目もさわり心地も、
「幼少のみぎり、より、十二分にたんのうしている」
なぁんて気がしてならないのわぁん』
「なぁんて、なじんではいたのわん」
「あのにゃあ」
《『ウチと判ってにゃん』との口惜しさで、つづくのにゃん》




