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空になる
空に深くみなぎっている
底なしの蒼に、
人が、街が、歴史が、
呑みこまれていく
わたしたちの瞳と光のように
せばまることのない空、
高く、一面に蒼く澄んだ
空にわたしはみられている
わたしの瞳孔はいつか
体をのみほし星を覆うほど
拡がってしまうだろう
わたしは空っぽの空になる
わたしのなかに積もった
時間のすべてを吐き出して
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