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33.鈴の音

- 鈴の音 -


始まりは、いつも鈴の音で

私が歩く度に、リュックに付けた鈴が

静かな森の中で、優しく響く


森の中を歩きながら

蕎麦屋の店員に教えてもらった

秘境の花畑へと向かって歩く


背負ったリュックが肩からずれ落ちそうになり

もう一度、肩の位置に背負い直すと

また、鈴の音が森の中に響く


鈴の音を鳴らしながら

森の奥にある花畑へ向かって

ゆっくりと慎重に歩く


静かな森の中を歩いていると

微かに香る花の香りに

また、鈴の音が鳴る


旅に出る前日に

君がいる病院に立ち寄った時に

君がお守りとしてくれた小さな鈴


今もなを、無くさない様に

胸ポケットに入れている

赤い紐で結ばれた鈴


「君との約束、守らないとな」


鈴の音を鳴らしながら、花畑に着くと

君に見せたい光景をスマホで撮って

言の葉にして、写真と共に君に送る


「約束、だったからな」


君と一緒に行きたかった

約束の場所の一つだった

あの花畑へ向けて


私は、鈴の音と共に

君との約束を守る為に

あの場所へと向かう

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