3~5人目(渡邉晋、久知野直紀、小田一斗)
ジャイアンがいやいや出て行った。出るときに「そがんカッコで行くとか!!」とか怒られていた。ゴミはローソンとかの袋がいっぱいあったのでそれに入れて捨ててフトンをたたんだ。ジジイのフトンをたたもうとしたらジシイがケツに敷いていた。頼んだらジジイが怒ってケツをずらしながら、
「その髪は丸坊主にさすけんな。長い髪やら必要なか。」
「すいません。」
別に俺は長髪じゃない。とりあえずひととおり掃除がすんだので、ジジイの背中にサイレンサーをくっ付けて撃ってみた。ジジイがずっとテレビを見ている間に缶のガムテープをひっぺがして銃身に固定してたんだけど、ビシュン!だかなんだかわからないスゴいデッカい音がして缶はどっかにふっ飛んでいってジジイは前にぶっ倒れた。反動が変な感じにかかって銃を落っことした。缶は変な形にへしゃげて(ひしゃげて)て拾おうとしたときにヤケドしそうになった。あの音なら鉄砲の音とは思わないかもしれないけど、あんまり使えない。耳も穴になんか詰めたみたいになった。聞こえないことはないけど変だった。あんまりそうもしてられないのでジジイの死体にフトンをかぶせて俺は横の押し入れの上の段に隠れた。下の段には無線機とか木刀とか拳銃みたいなもんがあったけど、なんで無線機を使ってなかったのかは知らない。誰か来るのを待ちながらコートの内ポケットからビニール袋に巻いた千枚通しを出した。ドタドタした足音がしてドアをいきなり開けて入って来たけど、ジャイアンじゃなかった。電話に行ってた奴だ。部屋の中は火薬の臭いが充満してたのでなんか気付いたみたいで、異常にゆっくりしゃがんでジジイの足の方のフトンをはぐろうとした。それがちょうど俺が見ている真下に頭があったのでフスマ開けてそいつの首を上から掴んで一気に体重かけながら背中に飛び乗って、ヒザでフトンに頭を押さえつけながら首の真後ろから脳の方に斜めに針を刺し込んだけどなかなか刺さんなくてコイツは暴れるし、でもカエルの解剖のときにこんな風に刺して脳の中で先をクルッと回すのと同じ要領でやれば死ぬ筈だから、針をグイグイ押し込んだ。管だかスジだかをかきわけるようにゴリゴリいわせながら刺しこんでいくうちに、だんだん元気がなくなった。仕上げだと思って脳みそのほうにグッと突き入れると、そいつがものすごい勢いではじけた。ケイレンだったんだろうけどスゴい力だった。疲れたし、ヒザのところはフトンからジジイの血が染みて汚れたし、耳もキーンって鳴っていた。やっぱり凝ったことをしようとしたのが間違いだった。もっとオーソドックスに殺せばよかったと思っているところにジャイアンが弁当買って帰ってきた。
「どうしたとや!!」と叫んだので適当に狙って撃ったら顔に当たった。ドアを開けたときに状況が飲み込めなかったらしい。そのあと電話を掛けに行った奴のポケットからアドレス帳とさいふを取った。その間に廊下はジャイアンの脳みそだか血だかが広がってて、よけて歩くのが大変だった。そして、最初来た路地から表の通りには出ないで塀を乗り越えると隣の家の勝手口だった。家の裏に溝があって塀との間が40センチくらいあったのでカニみたいになって通って、また塀をまたいで駐車場に出た。家の窓の下を通るときテレビの音がしたような気がするから人がいたのかもしれないけど、耳がバカになってたからよくわからない。あとは藤崎まで歩いてそこから地下鉄に乗って箱崎の下宿まで戻ってきた。前の日寝てないからさっそく寝て、夜中に起きた。セブンイレブンに行って弁当と新聞を買ってきた。結局弁当は食わなかったけど新聞は読んだ。それから夜が明けないうちに友泉の寮に行って必要なものを持ってきて、その後は市民図書館に行ってここ最近の新聞やヤクザの本を読んで勉強してきて、夕方に帰ってまた寝る。それから起きてこれを書き出す。そういえば、おっさん家で朝めし食ってから何も食ってないな。まあいいや。あと、すっかり忘れてたけど三村やタコの熊本の〝山本一家〟ってのは、ここの組長かなんかが殺されたから抗争が始まったってトコだった。おっさんの話聞いたときにピンとこなかったんだけど、一冊目のレポート用紙に自分でも書いてんだよな。図書館で調べてるときにやっと思いだした。どうでもいいか、そんなことは。今絶好調にソウ状態だし、興奮も持続してるし。
参考)https://subway.city.fukuoka.lg.jp/eki/route/
https://yusentei.com/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9/




