第1話 こういうのって普通は服があるもんだろ!
「本当にここはどこなんだあああああああ!」
目を覚まして、約10分後。俺は叫んだ。
それはもう、某絶叫するバービーのように。
辺りは森と草木しか無く、全く知らない場所に俺は立っていた。
「昨日は普通に寝てたし……それに酒は飲めない年齢だしなぁ……」
頭をポリポリしながら考えていた。
そして、何より1番の謎があった。
「なんでズボン履いてないの!寒すぎて、息子が縮まってるよ!」
……そう、俺はズボンを履いて寝るタイプなのだが、なぜか下着とTシャツという変態スタイルになっていたのだ。
「もしこれで誰かと出会ったら、完全にアウトだよな……」
俺は少し考え、近くに生えていたタンポポを、パンツに差し込んだ。
「よし、これでマシだろ。これでおしゃれですよって言えば何とかなるはず……だよな」
その瞬間、風が強く吹き始め、パンツに差したタンポポが強くなびいた。
そして俺の背後から、ガサガサと音がした。
「あ、そこにいたんだね。探したんだよ?レンくん」
中性的な声で俺の名前を呼ばれ、ビクッと驚いてしまった。
声がする方に振り返ると、そこには淡い水色のウルフカットをした中性的な見た目の人が立っていた。
「なっ……なんで俺の名前を……?それに誰だ?」
「あはは、僕はテラ。君をこの世界に呼んだ張本人さ」
「テラ……?それに俺をこの世界に呼んだって?」
俺はテラの言葉を理解できなかった。
「理解できてないって感じだよね……?ごめんね、急にこの世界に呼んじゃって。でも理由があるんだ」
すると、テラは段々と俺に近づいてきた。
風がテラから漂う匂いを運んできた。優しく、お日様のような温かい匂いだった。
「でもその理由を話す前に……それはなんだい?」
「あっ」
予想していた事が起きてしまった。
絶対に俺の格好を見て、変態だと思われている……!
俺は落ち着いて答えた。
「おしゃれだよ、下着にタンポポを差し込むのが流行してるんだ!」
するとテラは首をかしげ、話した。
「このペンダントの事だよ……?」
俺は一瞬でタンポポを抜き取り、地面に叩きつけた。
そして何事も無かったかのように、首元にあったペンダントを手に取った。
「な、何だこのペンダント」
「……君の格好は良いと思うよ」
「うるさい!だまらっしゃい!」
そして俺はペンダントに視線を戻した。
「にしてもこのペンダント、見覚え無いな」
シンプルなペンダントで、装飾部分には紫色の宝石がはめられていた。
一見はただの綺麗なペンダントだったが、どこか奥深さも感じられた。
そしてテラは不思議そうに見つめていた。
「なあ……ペンダントの話より、なんで俺をこの世界に呼んだんだ?」
俺の言葉に、テラは本題を思い出し話した。
「そうだったね!それじゃあ変態さんをこの世界に呼んだ理由を話すとするよ」
「誰が変態だ!」
テラはクスクスと笑い、近くにあった倒木に腰を下ろし、話し始めた。




