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後日談

【後日談】


結局、あの巨大柏餅は二人で美味しく完食した。

皐月の術が「甘味限定」で高精度なのは、神界の七不思議の一つである。


食べ終えた後、縁側に並んで座る二人の間には、ほんのりと甘い香りが残っていた。

「……ねえ先輩。これ、もしや狙って出せるんじゃないですか?」

サクラが悪戯っぽく笑う。


「む、無理よ! 狙って成功した試しなんて……」

そう言いかけた瞬間、皐月の指先からぽふん、と小さな草餅が現れた。


「……ほら、できてますよ?」

「う、嘘でしょ……」


思わず固まる皐月に、サクラはくすくすと笑いながらその草餅を半分に割る。

「じゃあ半分こです。先輩の得意分野、これからも期待してますね?」


「な、なんか複雑なんだけど……」


拗ねたように頬を膨らませる皐月だったが、差し出された草餅を結局は素直に受け取った。

新緑の香りに、ほんのり混ざる甘い匂い。


失敗ばかりの神様でも――

その季節は、ちゃんと誰かを幸せにしている。


そんな当たり前のことを、皐月は少しだけ誇らしく思ったのだった。

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