25.大輝と喧嘩
廊下。放課後。
「ねえ、サクラとモールに行ったんでしょ?」
もやもやした気持ちが表面に出てしまった。
「そうだよ。ちょっと買い物に付き合ってもらったんだ。」
「へえー、横にいる女子が私じゃなくてよかったねー。こんなボテ腹女子が横に行ったらあんたは最悪だもんねー」
「なんで怒ってるの?」
大輝は眉間をしかめながらみさきに問いかける。
「怒ってないよ。気分は最高だもーん、そりゃね、着ぐるみ着たみたいな体型だし、みんなから陰口たたかれて笑いものにされてるのもわかってるし、あなたの彼女からは昨日、さくらちゃんには昨日、超軽蔑した目で見られたけど・・・」
「彼女じゃない!それに軽蔑した目って言うけど彼女はそういう目をもともとするんだ」
「そう、じゃあ、勝手にすればいいよ。」
・・・・・・。沈黙が続く。
口を開いたのは大輝の方だった。
「僕に怒る理由なんてないはずだ。僕は・・・・モールで、サクラの買い物に・・・あっ」
「へえーそう。買い物にねー。そりゃよかったね。」
「違う。僕が買い物につき合わせたんだ。」
「はああ~?なに言い訳みたいなこと言ってんの?ありえな。」
もう二人はばりばりに火花が散ってしまっている。
「確かに、退屈だったから私からあんたにセックスは誘ったよ。もしかしてあれ?私から告って結婚しようって言わなかったからとか?」
「そっちこそ考えすぎだ。それに退屈だったなんて嘘だ。最初はふたりでモールに映画を観に行こうって言ってたじゃないか。それなのに急に君は気分が変わったのかしらないけど、誘ってきて、や、やったんじゃないか。」
「はあー、わかった。さくらちゃんとどこへでもいけばいいよ。お幸せに」
そう皮肉を言って、みさきは去っていこうとうする。
「君の下着、実はまだ家にあるんだけど・・・・」
「あんたの童貞は私が奪ったって証拠として残しといてよ」
「おいっ、やめろって!」
背中を向けていたみさきは男の少しあらげた声にびくっと両肩をあげる。
しかし体が恐怖した事に自分の弱さを感じて反骨心が湧く。
「なに、やったこと後悔してんのー!?」
「ち、違う・・・」
「得だよね、男子はやったって証拠が残らなくてさ。あたしはこんなんだよ!」
廊下中にみさきの声は響き渡る。
「・・・・・・」
大輝は何も返答できない。
みさきは重たそうに持っていたバックを再び肩にかける。
「・・・待って。僕が持つよ。体に良くない」
「いまさらなによ。これぐらい」
「ああ・・・・・」
みさきは大輝の横を通り過ぎていく。




