第89話 ダンジョンに挑戦(二)
評価、ブクマありがとうございます!
(暗いね)
そういうとラヴァは頭の上に姿を現してぼうっと光る。
薄暗い洞窟はそれでもある程度は見える。暗さに慣れるとそこそこ見えるようになった。
(向こうから何か来るよ)
「ありがとラヴァ」
俺は杖を構えた。魔法使いになったみたいだ! いや、俺、錬金術師だけど。某漫画にあるような便利使いの出来る戦闘用の魔法は錬金術師固有のスキルにはない。
俺が覚えたのは魔術師系統の詠唱系の魔法。魔術と呪文と詠唱とどう違うのかはわからないけれど、生活魔法は使えるし、呪文大全に載っている魔法の呪文は半分くらい覚えたから何とかなる!
ぴょこんとスライムが現れた!
「サンドストーム!!」
杖の先から勢いよく砂塵が放たれて、スライムも勢いよく飛んでいった。
「あっれ~?」
魔力の通りが良すぎて威力倍になってない?
(あ、今べしゃって)
「べしゃ?」
あ、どっかに叩きつけられて、潰れたのかも。なんか可哀想なことした気がする。
(主、オーバーキル)
はい、すみません。
気を取り直して二度目の遭遇のスライム。
「ファイヤーボール」
ぽっと灯った炎がピュン! とスライムに直撃!
跡形も残さずに消えた。
「え、魔石とか、皮とかの素材が!」
あれ以上威力を弱めるのか。
がっくりと膝を着いて落ち込んだ。
(主! よくなってる!)
ありがとう、ラヴァ。
そうしてスライム相手に杖に慣れる練習をした。
十匹ほど斃した時だった。
あれ? なにか体が熱くなった気がする。
フルオライト・ルヴェール
十歳
人族
男性
職業:錬金術師
レベル:一
ユニークスキル:アーティスト・精霊眼
スキル:鑑定・インベントリ・魔力制御・魔力回復増大・無詠唱・詠唱破棄・調薬・抽出・攪拌・加工・錬成・計量・算術・記憶術・複写・召喚術
武術:短剣術
魔法属性:全属性
魔法:生活魔法・初級魔法・中級魔法・複合魔法・付与魔法・精霊魔法
加護:芸工神の加護・精霊王の加護・火の精霊の加護
称号:精霊の友
あ。レベルの欄が出現した! 今、レベル一って事は、最初はゼロだってこと? ゼロだと表記もされないのか……
なんか不思議。でもこれでレベルはわかるよね。
あ、なんか増えてる。召喚術ってあれかな? フェンリル飛び出た奴。
中級魔法の詠唱覚えたから生えたのかも。
複合魔法はあれかな。サンドストーム。
とりあえず、レベルが上がるってわかったから頑張っていこう。
杖も慣れないと困る。
サンドブラストやらなきゃだからね!
第一階層を隈なく歩きまわった。めっちゃ疲れた。少し休もう。
インベントリから水筒を出した。中には祝福の泉の水が入っている。
だってね、回復の効能があるんだよ? 持ってこない選択はないよ?
「ラヴァも飲む?」
(飲む!)
小皿を出して、水を注ぐ。ラヴァはチロリと舌を出してそれを飲んだ。
飲んでる間、壁を鑑定したら、目の前の壁に採掘ポイントを見つけた。
俺には採れないから見つけても仕方ないんだけど。
そう思ってじっと見てたら、ポロリと壁から落下した。
え?
下に落ちてカツンと音がしてころころと俺の足元に転がってきた。
「……え?」
とりあえず拾って鑑定した。
鉱石
蛍石を少量含む。
とりあえず、しまっておこう。
え~なんで採掘できるの?
それから同じようなことが何度も発生。
俺はダンジョンを出ることにした。
「おう、疲れた顔をしてるな」
「師匠見てたんでしょ?」
「杖に慣れてないっていうのはわかったが、石を拾ってたがどういうことだ? しばらく河原に行ってないから禁断症状でも出たか?」
「師匠、僕、鑑定しただけで採掘できるかもしれない」
「は?」
母の屋敷に戻って師匠に石を鑑定してもらった。
「確かに、鉱石だ。しょぼいけどな」
「第一階層だから仕方ないよ」
「明日第二階層に行ってもこの現象があったら……」
「あったら?」
「ルオは最高にラッキーだということで……」
「師匠!」
「俺だってわからんわ!」
「確かに」
「とりあえず、夕食食べて寝なさい。ルオが思っているよりずっと、疲れているからな」
「はい」
それから毎日ダンジョンへ潜った。石拾いは習慣になってしまった。
不思議と、師匠が鑑定して発見しても、ポロリはなかったらしい。
ラッキーなのかなあ?
とりあえず、第五階層まで、頑張らないとね。
第二階層 スライム、ビッグマウス。単体だったのが群れてた。
第三階層 スライム、ビッグマウスに加えてこうもり型の魔物が出現。
第四階層 スライム、ビッグマウス、こうもり型に加え、虫型魔物が出現。
第五階層 スライム、ビッグマウス、こうもり型、虫型魔物が群れるようになり、ホーンラビットが出現するようになる。
「はあ、やっとおわったぁ」
地図をかけ、と言われたので、地図を書き、どこに何が出たか、記入する。
頭の中に地図が浮かぶ。
これが記憶術なのかな? これは、実際自分で地図を書かないとダメって事か。
「よし、帰るか」
「はい!」
「もう少し杖とレベルに慣れたら、屋敷に戻るか。あと二、三日ってとこかな」
「はあ~よかった」
「もっとダンジョンに潜ってもいいんだぞ?」
「暗いからヤダ」
「ああ、そういうことか」
「違うからね!」
「わかったわかった」
もう!! 暗所恐怖症や閉所恐怖症はないよ。ないと思う。多分。
次の投稿は18時になります。
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