↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
291/317

第285話 ガラスペンと変化

 今日は朝から工房だ!

 エリックにお弁当をもらって工房に向かった。

(ガラス作る?)

 朝から元気なラヴァは心なしか、炎が艶めいて見える。

 いっぱい魔力を吸ったのだろうか。

「作るよ! ラヴァの力が必要なんだ」

 そう言うとラヴァはふんすと鼻息荒く俺の肩で足をふんばった。

(僕、頑張るね!)

 めっちゃ可愛い。

「頼もしいなあ。お願いねラヴァ」

(うん!)

 ラヴァの頭を指で撫でて、ガラス管を置いてある場所に向かった。

 作業服を着て、ゴーグルをかける。

 色を付ける金と銀、色ガラスも何種類か用意した。

 ペン先は前に作ってたあったものを使う。


 まずは軸からだ。

「ラヴァ、炎をお願い。少し細く」

(わかった!)

 ラヴァが口から細く炎を吐き出す。

 炎がピンセットで持った金属片に当てられて燃えて煙がガラスに付着する。

 ガラス管も熱くなって溶けだしたところを成型する。

 内側に色と模様を。

 表面はクリアガラスで、中に浮かぶようにする。

 球体を軸の前後につけて、持ち手は少し太めに。

 先端にペン先をつけて、調整する。

 冷えてきたガラスペンにちゃんと模様が入っているか、色味はどうか、確認する。

 ペン先の付いている球に透明度の高い緑色がうっすらと浮かぶ。

 軸はペン先の方が濃い藍色で、先端に向かって薄くなる。

 そこをネオンのような緑の筋が螺旋を描いて、先端の球に向かう。

 先端の球の中に緑色の石が入っていてクリアガラスの中に金箔のかけらが入っている。


「いい出来だと思うけど、どうかな?」

(綺麗!)

「そう? 嬉しいな」

 ペンを徐冷庫に入れて屋敷に戻ることにした。

「あー、もう夕方だ」

 グーとお腹が鳴る。

(お腹なった)

「お昼、食べたんだけどなあ」

(健康!)

「健康? 育ち盛りって言って」

(育ち盛り!)

「そうそう」

 それがフラグとなったのか、なんなのか。

 その夜からあちこち痛み出した。


 痛いと訴えたら、大人たちは口を揃えて言った。

「成長痛だな」

 父が顎を撫でながら言う。

「ですね」

 師匠も頷く。

「まあ、もうそんな年なのね」

 母が少し寂しそうにつぶやく。

「声変わりはまだね」

 母が言ってはっとした。

「僕、大人になってきている?」

(大人?)

 母が笑う。

「背は伸びてきているから、きっとゼオくらいにはなると思うわ」

 今は母と同じくらいの背だ。

 もっと伸びるのだろうか。

 せめて師匠くらいにはなりたい。

「この痛いの、薬とか?」

「病気じゃないから、ポーションとかは効かない。痛み止めも必要はない」

 師匠がスパっと斬り捨てた。

「え、えええ?」

 けっこう痛いんだけど!

「鍛錬は痛みがある時は休め」

「そうなの?」

「痛みは身体の悲鳴みたいなものだ。無理はしないようにするんだ」

 師匠は俺に言い聞かせるように言う。

「はい」

 足や背中が痛いので無理をしようにもできないなと思った。


「ルオ様、紅茶をお持ちしました」

 ベッドで唸っていたらギードがやってきた。

 そういえばギードは背が高くなっていたからこの痛みも経験したのかな。

「私も夜、かなり痛みましたよ」

「そうなんだ」

「痛みが治まってくると、今度は喉の調子が悪くなります。声変わりですね」

「あ、そうか。ギードも声が低くなっているから……」

「体が大人に変化していくのですから大人のようになります。あと一カ所、変化があるはずですが、それはまだのようですね」

「あと一カ所?」

「変化が来ればわかりますよ」

 ワゴンをベッドに横づけしたギードはそこで紅茶をカップに注いだ。

「変化かあ。ありがとうギード」

 昔は渋く感じた紅茶も、今では美味しく感じる。

 味覚も子供から、大人へ変化しているのだろうか。

「美味しいよ、ギード」

「ありがとうございます」

 ギードは嬉しそうに微笑んだ。




お読みいただきありがとうございます。


面白いと思われましたら☆応援(評価)お願いします!

ブックマークもぜひ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新作です!こちらの作品もぜひご覧ください↓

「とぼけたS級冒険者と悪役令嬢 」

「ガラス工房の錬金術師」書籍&コミカライズ公式ページリンク↓

ドラゴンノベルス「ガラス工房の錬金術師」公式ページ

good!アフタヌーン「ガラス工房の錬金術師」公式ページ

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。