第235話 連携訓練
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物資の振り分けが決まって、最初の連携訓練のため、実技棟へ向かう。ちゃんと使用許可を取っていたのだ! コスティも根回しの人だった。
「ここだ。もちろん貸切だ」
『模擬訓練室』の鍵をコスティが開けると中に入った。
「連携の訓練だからまずハンドサインと、この動作をしたら、こう動くというパターンを覚えて行こう」
それから、コスティの指示で陣形を整えたり、攻撃をする訓練をした。ハンドサインは去年使ったのと同じだったから、ケンダルとマルコムに頑張ってもらおうと思う。
「ルヴェール先輩は魔法が得意なんですね」
感心したようにケンダルに言われてなんとなくもぞもぞする。
得意、得意なんだろうな? なんかいっつも色々止められてるから実感わかないけど。
「魔力量が多いから、出力絞るのが大変かな?」
「僕も魔力量は多いはずなんですが、生活魔法しか使えなくて、憧れます」
ケンダルは眩しそうに俺を見た。
属性魔法適性がないのかな? でも適性はなくても初級魔法は使えると思うけど。
「あっ、身体強化は使えます」
首を傾げた俺にケンダルは慌てて言った。
「ああ、だから剣なのか。槍とか、斧とかでもよさそう。ハンマーとか」
「貴族は剣だと言われて頑張りました。他の武器は取り扱える程度の腕前ですね」
「僕も頑張ったけど、剣はどうにもモノにならなくて短剣術の方が得意だよ」
「そうなんですか。短剣もかっこいいですね」
うわ、ケンダルっていい子じゃない?
「ケンダルは盾は使わないのか?」
タビーが聞いてくる。
「盾を使う訓練は少ししましたけど……身軽な方が性に合うようで、諦めました」
「スピード重視なのかな?」
身体強化で素早く動くって感じか。
「単純に筋力が足りてないのかもしれません」
頬を指で書くケンダルを脇からマルコムが肘で突く。
「ケンダルは筋力つけようといろいろ頑張ってるんですが身になってないようです」
くすくすと笑ってマルコムがからかうように言う。
「マ、マルコ」
むっとしている様子だけど、気安い言葉は仲のよさなんだろう。
「子供の時分に筋力鍛えるのは確か背が伸びない危険性があるんじゃなかったかな?」
俺がぼそっと言うと、周りに緊張が走った。
「あ、でも、そこそこ鍛えるのはいいんだよ? こう、筋肉隆々にするのがまずいらしい」
マッスルは成長しきってから!
早く背が高くなりたい!
「休憩終わり。次のフォーメーションをやるぞ!」
コスティが声をかけて、俺たちは木製の武器を持って連携の訓練に勤しんだ。
「よし、今日はこれまで」
全部のフォーメーションを一通りやったところで、コスティが終了の宣言をする。
「やっぱり実際にやらないとぶっつけ本番は難しいんじゃないか?」
ヤニスがコスティに言う。
「北の森の魔物狩りに行ってみるか?」
ヤニスの言葉にコスティは唸っていう。
「下見に行く感じならいいんじゃないか?」
ヤニスも頷く。
「僕も賛成です!」
ケンダルが手を挙げる。
張り切ってるな。横にいるマルコムが生暖かい目を向けているよ。
「僕もです」
と落ち着いた声で、マルコムも手を挙げて言う。
「俺も行きたいな」
タビーも手を挙げた。なら俺も挙げねばなるまい!
「僕も!」
コスティはメンバーの顔を見回す。みんなが頷いた。
「では先生に提案してみるから、その返事次第ということで今日は解散だ」
「はい!」
みんなが揃って返事をして訓練室を後にした。
『精霊王の愛し子よ。あれの血筋に近づくのは感心せん』
ぞくりと身体が震える。
これは神気だ。
「か、みさ、ま?」
思わずその場にへたり込んだ。
すぐに神気は収まったけれど、圧倒的な畏れを伴う威圧は消えなかった。
初めて精霊王に会った時と同じ感じがした。
「どうした? ルオ!」
タビーが慌てて俺の腕を掴んだ。
「タビーは聞こえた?」
「何をだ?」
(僕聞こえたよ。まほうの神さまの声だったよ!)
魔法の、神様?
魔法神が誰に近づくなって言ってるの?
一体、どうして?
「ルオ、馬車止まりまで肩貸すよ」
「あ、ありがとう、タビー」
俺は震えが収まるまでタビーに支えてもらい、馬車止まりまで歩いた。
次の投稿は明日になります。
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