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第173話 春!

評価、ブクマありがとうございます!

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「はっる! 春だ~!」

 タビーがくるくる回っている。あれ? タビ―こんなキャラだっけ?

「タビー大丈夫?」

 ぐるり、と大げさな動作で俺の方に体を向けたタビーの目は爛々としていた。

「雪が! 無くなったんだ! こんなに嬉しく思った日はない!」

 課題が堪えたんだな。

「とりあえず、門の中に入ろう。目立ちすぎ」

 俺はタビーを学院の中へと押し込んだ。

 車寄せの真ん中の奇行はたまたま同じ時間に降りてきていた学院生たちの忍び笑いを誘っていた。


「もう、タビー浮かれ過ぎ」

「ガラスを手にしたルオよりはましだと思う」

「なんだって?」

(主、喧嘩よくない)

「はい」

「お、俺も悪かった」

 ラヴァの仲裁で事なきを得た。

 教室のいつもの席に座って授業の支度をする。

「ダンジョンどうなるかな?」

「春になったら、調査が再開される、でしょ? これから調査だったら、まだ先なんじゃないかな?」

「まだ先かあ。せっかく王都にダンジョンが出来たのに」

 タビーは机に肘をついてため息を吐く。

「ダンジョンって攻略しないといけないんじゃないの?」

 ダンジョンってなんだろうね? 異世界にある異世界って感じなんだけど。入った感覚では。

「魔物を適度に狩って溢れないようにできるなら資源になるはずなんだけど」

「そこら辺はどうなのかな。うちの領の側のダンジョン、溢れたし」

 二人で顔を見合わせて唸ってしまった。

「ああ、そういえばちょっと前に新発見があって壁に採掘ポイントがあって鉱物資源が採れることがわかったっていうのは資源としての価値を高めたって父から聞いたな」

 うわ、すっごく身に覚えのある話だ。

「じゃあ、攻略するより適度に活かす方向がいいの?」

「そこら辺は大人に考えてもらうっていうことで」

「タビーずる~い!」

「あ、先生来たぞ」

 タビーってばもう。

 それからは真面目に講義を受けた。


「ダンジョンの意義? 難しいことを論じてたね」

 アリファーン殿下とサロンでお茶会だ。

 すっかり四人で過ごすのが常態化している。

 これはもう友達なのではないのかとちらっと思うけど、踏み込むにはまだ早すぎる気がするので、ルーンと一緒にまだチャレンジ中にしておこう。

「ダンジョンはほっておくと魔物が溢れるんでしょう? 危険だから無くしてしまった方がいいって僕は思うんだけど」

 紅茶を一口飲んでから俺はアリファーン殿下に言ってみる。

「ああ、ルヴェール領はスタンピードを経験したばかりだからね。仕方ないか。そもそも、攻略自体難しいし、深層に行くにしたがって強い魔物が出てくるから、補給とかが万全じゃないと戦い続けるのは現実的に難しいよね」

「あ、そうか。ダンジョンの中はお店屋さんはないものね」

 食料と水がないと、魔物と戦う以前の問題だよね。

「そういう場所を作ろうということも試したみたいだけど、結果的にダンジョンに飲まれてしまうのがわかっているね」

 アリファーン殿下、めちゃくちゃ詳しいぞ。

「あとはマジックバッグで補給物資を運ぶ手だけど、時間停止がついてるものじゃないと、長期間は無理だし、容量問題もあるし、何より高価だ」


『がっぽがっぽだ』

 あれ? 師匠の顔が浮かんだぞ?

「昔はそれこそ、ダンジョンで偶然手に入れるしかなかったけれど、今はヴァンデラー先生のおかげで高いけど、手に入るようになったのは大きい。現状時間停止機能付きは先生しか作れないみたいだけどね」

「そりゃ、高いはずだよなあ」

 タビーが頷いている。

「スキルとか、ないのかな? マジックバッグのようなスキル」

「商人の付属スキルに倉庫スキルというのがあるけれど、時間停止はなかったかな? それも魔力量によるみたいだから個人によって容量が違うようだよ」

 俺のインベントリとは違うんだろうか? でも、師匠も持っていたから時間停止機能があるとインベントリになるんだろうか?


「じゃあ、難しいね。商人がダンジョンへ挑むのってなさそうだもの」

 俺は肩を竦めた。

「わ、私は低層でいいから潜ってお金を稼ぎたいです」

 ルーンが突然世知辛いことを言いだした。

「留学費用は国費で賄うとかじゃ……」

タビーが突っ込んだ。

「授業料とか寮費は出ます。でも、ほかにも細々したものが必要じゃないですか。実家からの仕送りだけじゃ、正直足りないです」

「な、なるほど」

 アリファーン殿下が困った顔をした。あれ? ルーンはお友達手当出てない?

「ルーン、お金稼ぎたいの? ポーション作る?」

「ポーション?」

 ルーンが首を傾げた。

「ちょっと師匠に聞いてみよう」

 こういうときは師匠えもんに相談だ!



次の投稿は18時になります。


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加筆いっぱいしましたのでぜひご覧いただきたいです!

師匠も活躍!!

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