第114話 魔法の授業(中級)
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「お? 早いな。もうこっちへ来たのか?」
中級の実技の教室に入ると、師匠が迎えてくれた。師匠が手を出す。
「修了証を出してくれ」
俺とタビーは言われるまま、もらった修了証を渡す。
「これは終わりまで預かっておく。入学式で紹介したから知ってるとは思うが、コランダム・ヴァンデラーだ。中級以上の魔法授業を受け持っている。フルオライト・ルヴェールと、テイバート・トレメインだな」
「はい。テイバート・トレメインです」
「はい。フルオライト・ルヴェールです」
「よし、他の生徒と合流しろ」
言われるまま、五人ほどの人数の生徒のそばに行く。
え、少なくない? 他の学年の生徒ってもっといたような?
いや、もしかしてここにいるの、一年だけ?
その中の一人、緑の髪に緑の目に長い耳の少年が、俺を見て驚きそのまま綺麗な土下座をした。
俺に向かって。いや、これ、五体投地っぽい!
エルフ!?
師匠、めったに会うことないって言ってたのに!!
「私を従者にしてください!」
はあ!?
いや、頭上げて!!
思わず周り見たら他の生徒は遠ざかっているし、師匠は額に手を当てて唸ってるし、タビーは口開けて呆然としてるよ!
「あー、グフルーン、そういうことは授業が終わってからだ。とりあえず立て」
ぴくっと震えた後渋々と立ち上がる。
「わ、かりました。では後で……」
すっごい熱量の瞳で射貫かれた!
なに?
俺なんかした!?
やっぱりタビーが一緒でよかった!
もうすでにほかの生徒が遠巻きだよ!
「タビー……」
「諦めろ」
なにを!?
「……さて、中級とはどういう魔法を言うかだが、まあ、勝手に研究者がつけた説から、スキルに書かれているからとかいろいろ定義があるがこれというのはない。初級はある程度の魔力があり、属性があれば発動することは可能だ。その際、発動された魔法の規模がどれだけ大きくても初級といえるか、という問題は残るが」
そこでちらっと師匠は俺を見た。
種火がああなったのは仕方ないじゃない? ちゃんと今は蝋燭の火レベルで発動させてるよ?
「初級と呼ばれ、定義されてる魔法の呪文は入学時に購入してもらった初級の呪文集に載っている。それが初級魔法だ。しかし、貴族学院の魔法の授業の初級ではそれは学ばない。生徒の属性はバラバラで、かつ、力量も差がありすぎるからだ」
そう言ってたなあ。
俺とタビーは顔を見合わせた。
「君たちは生活魔法を全て発動できたから、初級を卒業した。それは魔力制御ができているとされたからだ。魔力制御ができないと、威力の大きな魔法を扱うことはできないからだ。何故だかわかるか?」
赤みがかった金髪の子がそっと手をあげた。見覚えがあるな? ……第二王子殿下だ!
大物がいた! 師匠が発言を促す。
「暴発したりする可能性がある、からですか?」
「そうだ。祝福の儀が過ぎてからでないと、魔法を習うことができないのもそういう理由だ」
ん?
おかしいな? 俺、生活魔法は祝福の儀前に習ったけど……?
あ、視線そらした!
「さて、中級の呪文を唱えよう。火、水、風、土、一つずつだ」
それから一個一個、みんなで詠唱して、的目がけて打った。全員で。
属性のない振りしたけど、ヤバかった。全部できるからなあ。
火属性はラヴァが口開いて炎を出した。
みんなびっくりしてた。
(主! 僕頑張る!)
思わず頭を撫でた。
そして端っこの方でエルフがまた土下座してた。
怖い!
そして授業が終わって更衣室に着替えに来た。着替える時に視線を感じてますます怖くなった。
(タ、タビー、あのエルフ何とかなんない?)
(俺に何とかできるかよ!?)
と、こそこそ話した。
「とりあえず、教室帰ろうぜ」
「そうだね」
二人で教室に戻ろうとしたら着いてくる!
ええ~マジ怖いんだけど!
早足になったら、追いかけてくるように相手も早足になったので、走った。
そうしたら、師匠にエルフが捕まっていた。
よかった!
「今のうちに!」
「おう!」
Bクラスまでの道のりが遠かった。
「な、なんだろう? あのエルフ」
「厄介なのに目をつけられたな」
鞄を手に帰る支度をした。
二人で帰ろうと扉を開けて、閉めた。
(なんでエルフがいるんだよ!?)
(わかんないよ!? 怖いよ!)
(教室出れないんじゃないか?)
そう。扉をあけたらエルフが仁王立ちしていたんだ。
師匠! 助けて!
「どうしたんだ? 帰らないのか?」
同じクラスの生徒が聞いてきた。
「あ、どうぞ、お先に……」
俺と、タビーは扉の陰に隠れた。
「あ、ああ……」
首を傾げながらも、扉を開けて帰っていった。他の生徒の邪魔はしないんだな。
でもよけたまま、居座ってるし。
「窓から帰ろう」
「ええ? ここ一階じゃないぞ?」
「風の魔法使えば何とかなる」
「いや、魔法は使用禁止だろうが」
「ああああ」
俺は頭を抱えた。
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