#プロローグ
これは中学時代の時に友達と一緒に書いた合作です。
ではどうぞ。
「お姉ちゃん、お買い物しよ!」
「えっ? こんな暑い日に?」
「お姉ちゃんったら! 今日は母の日でしょ! もしかして忘れたの?!」
「あ、そういえばそうだね……行こっか」
5月15日。
ボクとその妹、未来は母の日のプレゼントに、ケーキの材料を買いに行くことにした。
5月といっても蒸し暑い。
いつものボクだったらこんなの暑すぎるから絶対買い物にいかない。
でも、ボクのお母さんは毎年、ボクたちのプレゼントを見ると、
「まあ! とっても素敵! 本当に嬉しいわ。アオイ、ミライ。2人とも大好きだよ!」
そう言ってくれるんだ。
10歳になったボク。今年はどんなケーキを作ろう。
青い屋根、古びたスーパーマーケット。ボクたちが「隠し通路」と読んでいる路地裏。
木々が生い茂っている。時々吹いてくる風も涼しい。
5月15日は、毎年ボクと来未は小さな冒険をする。
ボクにとってこの日が一年で1番好きだった。
「お姉ちゃん、今年は甘夏のケーキね!」
「それいいね。おいしそう」
「甘夏は皮をむいたら宝石みたいにピカピカしてるんだ! お母さんみたいに!」
未来は好奇心旺盛で、話す言葉がちょっと不思議。
ボクと話すときはいっつもぴょんぴょんはねている。
こんなに元気なのはちょっと羨ましいかもしれない。
丘のふもとまでついた。そこからは少し急な登り坂になっている。
冒険においては大きなボスのような存在。
「あ、あつい…」
「お姉ちゃん本当に体力ないね? もしかしておばあちゃん?」
「お、おばあちゃんって……」
なんだかんだで古びたスーパーに到着。もうヘトヘトだ。
でもスーパーの中は冷房がきいていてすごく涼しい。
ボクたちは甘夏と生クリーム、スポンジケーキを買ってレジに並んだ。
「あら! あおちゃん、みらいちゃん、こんにちは」
「こんにちは! おばちゃん!」
レジのおばちゃんとはよく話す。
おばちゃんは手芸が好きで、いつもボクたちに小さなぬいぐるみやマフラーをプレゼントしてくれる。
「今日は甘夏に、生クリームに……ケーキでも作るのかな?」
「そうですっ! 母の日なんで!!」
「なんて優しいプレゼントなの! お母さん、絶対に喜ぶよ!」
「えへへ!」
「あ、そうだ!このリボン、手芸用だけど可愛いからあげる!」
「いいんですか? ありがとうございます!」
ボクは優しいピンク色のしたリボンとケーキの材料をうけとった。
「おっきな甘夏買えて嬉しいなっ!」
そう言った未来は満足そうに材料を袋に詰め込んだ。
でもいざ持ってみると予想以上に重いらしい。
「うっ、お姉ちゃんこれ重い! 持ってくれない?」
「ボクだって力持ちじゃないんだから。まあいいや、持つよ」
「ありがとー!」
時刻は12時をまわっていた。
スーパーの自動ドアを抜けると一気に熱気が来る。
このままじゃ夏はこせないと思うほど暑かった。
でも、丘の上から見る景色は最高だ。
連なった青い屋根、真っ直ぐな道路、その先にある眩しい海。
どこを切り取っても1つの絵になる。
「わあ、きれいだね!!」
「うん……!」
「大きくなっても、またここに来れたらいいな……」
「流石に毎年登るのは疲れるって……」
「いいじゃん。お姉ちゃんとこの景色見られるって。私は何回でも見たい」
「まあ、そうだね」
「そうだ! いいこと思いついた!」
未来が目を光らせている。
こんなに暑いのに、元気が有り余っているのは本当に羨ましい。
「帰りにお花摘んで花束にしない? ほら! いいリボンあるじゃん!」
そう言ってリボンをひらひらと振り回す。
「それはいい考えだね」
「あ! たんぽぽ!!」
「違うよ、これはオニタビラコ」
「へえー! そうなんだ、これもかわいいね」
「そうだね」
「あ! これが本当のたんぽぽだ!」
「まあ、正確に言えばセイヨウタンポポね」
「これはスミレ!」
「正解! 花言葉は、小さな幸せだよ」
「ふーん」
「あ! これ見たことある! 名前は……」
「ナガミヒナゲシ」
「……なんじゃそりゃ」
少しずつ、少しずつ未来の手に花束が完成してきている。
ボクも大満足の出来だった。
そんなとき、ボクは遠くにある花が目に入った。
カーネーション。まさに母の日を代表する花だ。
それも1本だけで純白ですらっとしていて、美しい。
「見て。未来! 真っ白なカーネーションがある……!」
「え?! どこにあるの?」
「そこそこ! 道路のむこう」
「あっ! 本当だ! 取ってくるっ!!」
未来は飛ぶように駆けた。
「わあ、本当にきれい! お姉ちゃん!! 見て!」
こちらに向かって駆けてくる。
未来と目があった。
確かに笑ったんだ。
なのに、
クラクションが、鳴り響いた。
「み……らい……?」
眼の前には、血を流した妹の姿。
トラックの運転手が救急車を呼んでいる。
硬直した足を動かし、未来の方へ向かう。
「お……ねえ、ちゃん……いたいよ」
その手には、本当に美しい花束が出来上がっていた。
「……なんで……!!」
白かったカーネーションは、赤く染まっていた。
「おかあさんに、ぜったい……あげてね」
ボクは血の匂いをまとった美しい花束をうけとった。
「生きて!! お願いだから!! ねえ!! なんで未来が死なないといけないの? ねえ!! みらいっ!! 未来…!」
「泣かないで、お姉ちゃん……がんばって、いきるから。ほら」
みらいの小指がボクの前に来る。
「……約束だよ」
その後未来は病院に搬送された後、息を引き取った。
母と父はボクたちの花束を見ると、静かに離れていった。
「うそつき」
5月15日。ボクは、「ボクの未来」を奪われた。
プロローグどうでしたか。
続きはもう当分書いていませんが、途中までの成果を見てもらいたくて投稿しました。
これをきっかけにまた続きが書けたらいいなと思っています。
「面白いな」「続きが気になる」と思った方は是非ブックマーク、評価ポイント、リアクションよろしくお願いします。




