第250話 ナラは窮地っ!
「ロイヤルナイトスパイダーは任せたよ。」
ナラはルーカス達にそう言って向かってくるマリラの前に立つ。
「ニンゲンの姿の貴方になにができる?」
マリラは笑いながらナラに前脚を振り下ろす。
「麻痺の魔眼。」
ナラは黄金の瞳を輝かせてマリラの動きを止めさせようとする。
「うふふっ、今の貴方の力では私は止められない。」
マリラの前脚は一瞬止まったが、魔眼の力を破り、前脚を振り下ろした。
「ちっ、やっぱりマリラクラスの蜘蛛にはこの姿ではきびしい。」
ナラはそういうとマリラの攻撃をひらりとかわして、背中から蜘蛛の脚を三対出して、8つの目を出現させた。
一部人化を解いて蜘蛛のような姿になり、本来の力を限定的に取り戻す。
「麻痺の魔眼。」
ナラは再度麻痺の魔眼を放った。
「なっ!?おのれ!!だけど、うふふっ。その姿、どれだけもつかな?」
マリラは麻痺の魔眼をくらうが、ジリジリと抵抗し、緩慢に動き始める。
「グフゥ、私が倒れる前に貴方を殺せば済む。」
ナラは吐血し、8つの目からも赤い血の涙が流れる。
ナクアの毒がナラの変化に反応してナラの身体を脅かし始めたのだ。
しかし、それでもナラは止まらない。
ナラはマリラに凄まじいスピードで飛び掛かった。
「ロイヤルナイトスパイダー厄介だな。」
ドルフは攻撃してくる蜘蛛の攻撃を捌きながらそう言った。
「くっ、これではナラさんを援護しに行けない。」
ルーファはそう言って顔色を曇らせる。
「ニンゲンども、ここまで来ていたとは。」
新たなマザースパイダーが異変に気づき、自身の取り巻きのロイヤルナイトスパイダーを引き連れてマリラの元に駆けつけてきた。
「ここで、Aランクモンスター…くっ!」
ルーカスは新たなマザースパイダーの出現に苦虫を噛み締めた表情を浮かべた。
「やるしかないよ、ルーカス!アリアちゃんに期待されてるんでしょ?」
アリルはルーカスに回復魔法をかけてそう言ってルーカスを奮い立たせた。
「あぁ、僕はアリアの剣だ!ナラさんの邪魔はさせない。絶対にクーリッヒは落とさせない!!」
ルーカスはそう言って新たに現れたマザースパイダーと対峙した。
マリラの取り巻きのロイヤルナイトスパイダーと新たに現れたマザースパイダーとそのマザースパイダーの取り巻きのロイヤルナイトスパイダーがおり、一気にルーカス達は劣勢だ。
しかし、今、ナラの元に新たな敵を向かわせることはできない。
ルーカス達はこの場を死守する。
「あ、あれはナラ様!?なぜここに!?いや、なぜマリラと戦っているのですか!?」
駆けつけたマザースパイダーはナラがマリラと戦っている姿を目にして困惑する。
「ナラさんは族長ナクアと話す為にここで戦っているんだ。お前もナラさんの仲間ならここは手を出さないでくれないか?」
ルーカスは戸惑っているマザースパイダーに説得を試みる。
「うぅ、しかし、族長の言うことは守らなければ、それにナラ様は追放された。もう一族では…わからない。とりあえずお前らは殺す。それからナラ様と話して考える。」
しかし、ルーカス達を殺すという選択には変わり無いようだ。
「ダメだ。やるしかねぇ。」
ドルフがそう言って拳を構える。
「そもそも虫相手に説得なんて無理なんだよ。」
アベリオはそう言って身体を龍化していく。
「アベリオ、よくないと思いますよ。どんな相手にでも敬意を。それが私たちが望む世界だと思います。」
アベリオの発言にアリルは叱責して杖を構える。
「ごちゃごちゃとうるさい。我が子らよニンゲンを殺せ!!」
マザースパイダーはロイヤルナイトスパイダーに号令を出してルーカスたちに襲いかかった。
「来るぞ!!」
ルーカスはそう言って剣を振りかぶる。
「や、やばいかも。グハァ。」
ルーカス達が戦いを始めた時、ついにナラの身体がナクアの毒に犯され、身体中から血が噴き出て膝をついて動けなくなった。
「族長の毒にそれほど耐えるとは、さすがは族長の右腕だった者ですね。でも、これで終わりだ!」
マリラもすでにナラとの戦いの傷で満身創痍であるが、まだまだ余力を残していた。
マリラは動けなくなったナラにトドメを刺すために鋭い牙を出してナラに噛み付く。
マリラの鋭い牙がナラに迫った。
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