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11/12

積土成山:初めての盛り上がり

# TID:C01_P01_T0500_I00__00X__

# EID:00X

# タイトル:積土成山:初めての盛り上がり


---


## ■ 季節

・夏の始まり(短い夏の夕方/昼の熱が残り、谷風で一気に冷える)


## ■ 舞台

・学園都市ベイルスレイブ外縁(安全帯寄り)

・冒険者協会(合同課程窓口)

・風鳴りの風穴・外縁フィールド

・帰路(屋台通り)

・水理邸・裏庭(夜の反省会)


## ■ 登場人物

・ミナト(15)

・リーン(17)

・ランド(15)

・さやか(15)

・田中結菜(16/合同課程の先輩)

・冒険者協会・担当官(中年)


---


## ■ 目的(必ず“増えるのはOK/減らすのはNG”)

1. 07Fの「肉体地獄」の翌日に、青春の“呼吸”を作る

2. 同年代だけの狩り=大人ごっこのワクワクを描く

3. ミナトの“早口・詰まらせない・次”の運用を日常で再確認する

4. ランド&さやかの「ミナトに合わせきれないズレ」を自然に描く

5. リーンの“半歩後ろ/戻れる形”の運用を自然に示す

6. 小型魔物との初戦で「回った」快感を一度だけ鮮明に出す

7. 稼ぎ(リム)と串の味で“青春の実感”を作る

8. ラストでミナト自身に「来たい」と言わせ、居場所の形を作る


---


## ■ テーマ

「ズレた理由で同じ笑顔」

「仲間と距離と運用」

「夏の夕方の軽さと、戻れる形」


---


## ■ 物語構造(Dual Structure / Multi Structure)

Aパート:狩りに行くまでの準備・許可・出発(青春の軽さ)

Bパート:外縁フィールドでの狩り → 稼ぎ → 帰路 → 夜の反省会(距離と仲間の確認)


---


## ■ beats(物語の流れ)


① **Scene1:翌朝・寮の廊下(筋肉痛の二人)**

 ・07Fの翌日、ランド&さやかが筋肉痛で登場

 ・「狩り行こうぜ!」の勢い

 ・ミナトの「……行きたい」で動機が揃う


② **Scene2:冒険者協会・合同課程の許可申請**

 ・初級狩猟の申請

・田中結菜先輩からの助言(風霜鳥ミニ/風穴獣ミニ、薬草)

・夕方の風で夏の温度差が立ち上がる


③ **Scene3:準備わくわく**

・荷物チェック

・ミナトの丁寧な準備

・リーンの“戻れる形”の確認

・さやか&ランドの小声の会話(誤読の芽)


④ **Scene4:夕方・出発(学園都市外縁)**

・先生の目がない“軽さ”

・四人のズレた動機

・ミナトの早口と“詰まらせない”


⑤ **Scene5:薄暮・初戦**

・足が揃わない

・ミナトの指示で“回る”

・「回った!」の快感

・「次、もう一回やれる」


⑥ **Scene6:小型魔物との遭遇(外縁フィールド)**

・風霜鳥ミニ/風穴獣ミニとの本当の初戦

・ドロップ(風羽・風牙)

・稼ぎの実感

・仲間の距離の話題

・リーンがミナトの位置をずらす(運用)


⑦ **Scene7:夜手前・二戦(事故ギャグ)**

・ランドが突進を受け止めきれず事故

・木の枝で“こぶ”

・「ミナトの指示、速ぇんだよ……」

・さやかの誤読(“近い”)


⑧ **Scene8:清算(稼ぎの確認)**

・風羽×4、風牙×2 → 1400リム

・ランドが逃した分のツッコミ

・ミナト「手袋が買える……」


⑨ **Scene9:串を食べながらの会話(帰路)**

・自分で稼いだ金で食べる串

・青春の味

・ミナト「……来たい」

・(揃わないのに、揃ってるみたいだ)


⑩ **Scene10(A-EX):リーンの反省会(夜・水理邸)**

・良かった点(指示・察知・楽しそう)

・反省点(距離・笑いすぎ)

・「仲間は、守る距離を間違えると、壊れます」

・“守るための距離”で締める


---


## ■ 物語の意義

・07Fの“肉体の限界”から、00Xの“青春の軽さ”へ感情の振幅を作る

・四人のズレを肯定し、仲間の距離感を描く

・ミナトの運用(詰まらせない/次/戻れる形)を日常で再確認する

・リーンの“見守りの歴史”を静かに積み上げる


---


## ■ 次回へのフック

・00Y(魔法構造解析:初期仕様)への接続

・小事件B(お小遣い稼ぎ②:慣れと馴染み)への連結

・ランド&さやかの“ズレ”が次の成長回でどう変化するか


---


## ■ 固定ルール

- この台帳は **“増えるのはOK/減らすのはNG”**

- beatsは **最低3以上**(短縮禁止)

- 目的は **2項目を基本とし、削除不可**

- 物語構造(A/Bパート)は必ず記述

- テーマは **最低3行**




────────────────────────────────

00X「積土成山:初めての盛り上がり」

(季節:夏の始まり/舞台:学園都市ベイルスレイブ外縁/時間:夕方→薄暮→夜手前)

────────────────────────────────


────────────────────────────────

◆ Scene 1:翌朝・寮の廊下(筋肉痛の二人)

────────────────────────────────


【ト書き】

朝。

昨日の合同トレーニングの疲労が、まだ体に残っている時間帯。


ミナトが寮の廊下を歩いていると――


(ギシ……ギシ……)


変な足音が近づいてくる。


ランド(ぎこちない歩き方)

「……み、ミナト……!」


さやか(同じくぎこちない)

「お、おはよ……ミナトくん……!」


ミナト(眉を上げる)

「……歩き方、どうした」


ランド(胸を張るが痛い)

「筋肉痛だよ!! 昨日の地獄のせいだよ!!」


さやか(涙目)

「脚が……棒……でも……」


(間)


さやか(ぱっと顔を上げる)

「今日、狩り行かない?」


ランド(勢い)

「行こうぜ! 俺らだけで!」


ミナト(呆れ)

「……筋肉痛で狩り?」


ランド

「筋肉痛でも狩り!」


さやか

「筋肉痛だからこそ狩り!」


ミナト(小声)

「……理屈になってない」


【ト書き】

そこへリーンが静かに近づく。


リーン(淡々)

「主様。お二人は筋肉痛です。

 ……ですが、行きたいのであれば、同行します」


ミナト(息を吸う)

「……行く。

 ……いや、行きたい」


ランド&さやか(同時に)

「よっしゃあああ!!」


────────────────────────────────

◆ Scene 2:冒険者協会・合同課程の許可申請(夕方前)

────────────────────────────────


【ト書き】

学園都市ベイルスレイブの中央区にある「冒険者協会・学園合同課程窓口」。

放課後の時間帯は、学生の申請で少し混む。


窓口の担当官(中年・事務的)

「四名、合同課程・初級狩猟の申請だな。……ふむ、監督教官なし、と」


ミナト(少し緊張)

「……はい。安全帯の外縁だけで、戻れる形で動きます」


担当官

「風鳴りの風穴・外縁か。小型魔物だけだが、油断するなよ」


ランド(元気)

「任せてください! 大人ごっこ、してきます!」


担当官(苦笑)

「……まあ、初回はそんなもんだ。

 はい、許可証。日没前に戻れよ」


さやか(ぱっと明るく)

「やった! 許可出た!」


リーン(淡々)

「……平和な範囲です」

「主様の疲労も、戻れる範囲です」


【ト書き】

受付の奥から、一人の女性が歩いてくる。

合同課程の一年上の先輩、田中結菜だ。


田中結菜

「待って四人とも

 風鳴りの風穴・外縁がどういうところか知っているの?

 たとえば……どういう魔物が居て、……何が採取できるのか

 とか……

 」


ミナト

「ベイルスレイブ近郊の迷宮については、一通りガイドで確認しています

 ……でも、注意点があれば、教えてほしいです」


田中結菜

ちらりとミナトを見る。ほほえんで答える。

「そう、よく見ているのね」

付箋紙の入ったガイドを開きながら


「風鳴りの風穴・外縁なら、特に危険な魔物は

 小型の風霜鳥(風)と小型の風穴獣(風)って

 ガイドに乗っているけど……」


「攻撃の仕方をかいていないのよね」

小さく息を吐く


ミナト

「攻撃の仕方……」


ランド

「小型なんだし、攻撃される前に殴っちゃえば?」


さやか

「ランドくん……すっかり筋肉信者になっちゃったね」


ランド

「昨日の教官の言葉、刺さったんだよ!

 筋肉は裏切らん!」


さやか(意地悪く)

「怪我しても知らないから……ね」


ミナト

「まさか、見えないところから攻撃とか?」


田中結菜

「それはないわ、だけどね、勢いよく突っ込んでくるから

 距離を見てないと、ケガすることとが多いの

 風穴獣(風)が曲者

 それと、止血に効く薬草が生えていることがあるから

 拾ってくると、魔法薬の授業に役立つよ」


ミナト

「なるほど、保存がきくからってことですね」


田中結菜

「そ、せっかくなら、取ってこなきゃ損よ」


ミナト

頭を下げる

「先輩ありがとうございます」


ランド

ノリで礼を言う

「先輩ありがとうございます」


さやか

慌てて礼をする

「先輩ありがとうございます」


リーンは静かに頭を下げる。


田中結菜

「ふーん……あなた達、良いわね。気をつけていってらっしゃい」

「一年の頃の私より、ずっと落ち着いてるわよ」

笑顔で応える


4人とも

「はい、ありがとうございます」


【ト書き】

四人は許可証を受け取り、外へ出る。

夕方の光が差し込み、空気が少しだけ軽くなる。

谷風が吹き、昼の熱が一気に冷える。


────────────────────────────────

◆ Scene 3:準備わくわく

────────────────────────────────


【ト書き】

協会前の広場。

学生たちが行き交い、夕方の光が石畳に反射する。

日中の熱がまだ残っているが、谷風が吹くと一気に冷える。


四人は、許可証を受け取った勢いのまま、荷物の最終確認に入る。


ランド(胸を張る)

「よし! 水袋よし! 予備の布よし! 俺、完璧!」


さやか(スカート押さえながら)

「お菓子持ってきた! こういうの必要でしょ!」


ミナト(真面目に)

「……お菓子は戦闘に使わない。

 でも、帰りに食べるのは……まあ、いい」


リーン(半歩後ろ)

「主様、魔石袋の紐が緩いです。締めます」


ミナト

「あ、……ありがとう」


【ト書き】

ミナトは、自分が持ってきているものを丁寧に確認する。


・ナイフ

・魔法の杖

・杖が壊れたときの予備の指輪

・水袋

・止血にも汗拭きにも使える布

・いざというときの回復薬


次に装着しているものも確認する。


・服:擦れなし

・靴:割れなし、紐しっかり

・フード:破れなし


ふと、リーンがじっと見ていることに気づく。


ミナト

「リーン? 槌は持った?

 他に忘れものない?」


リーン

そっと槌を見せる。武器というより“道具”の扱い。

「はい、こちらです。

 主様、地図をお持ちですか?」


ミナト

胸ポケットを探る。畳まれた紙に触れる。

「ある……ここに追記される」


リーン

ふわっと笑う。

「……では戻れますね」


【ト書き】

少し離れたところで、さやかとランドが二人を見ている。


さやか(小声)

「ねね……リーンちゃんて……」


ランド(もっと小声)

「お母さんだよな」


さやか

ぷっと噴き出して、ランドの腕を叩く。

「ちょ……ダメだって……!」


【ト書き】

さやかは、本当は“お母さん”ではない別の言葉が喉まで出かかったが、

ランドの一言で笑いに消えていった。


【ト書き】

四人の“ズレた準備”が、同じ方向へ向いていく。

夕方の風が吹き、夏の熱が少し冷える。


────────────────────────────────

◆ Scene 4:夕方・出発(学園都市外縁)

────────────────────────────────


【ト書き】(夕方・出発)

夕方。学園都市の外れ。

短い夏が始まったばかりで、日中の熱がまだ地面に残っている。

でも、谷沿いの風が一度吹くと、汗が冷えて「夜が近い」と分かる(ベイルスレイブの夏は、昼と夜の差が早い)。

学園の敷地を出ると、空気が軽い。

見張りの目が減るわけじゃない。

でも“先生の目”がないだけで、子どもは息がしやすい。


ミナト(いつもより早口。自分で気づいてない)

「……今日、俺らだけだよな」

「先生いない」

(間)

「……変な感じ」


ランド(にやにや)

「わくわくしてんじゃん」


【ト書き】

ランドは、にやにや笑い、ミナトの背中を軽く肘でつつく。

そのまま両腕をぐるぐる回し、肩を鳴らす。


「はい、同年代だけの稼ぎ! 大人ごっこ!」


さやか(明るく)

軽く跳ねるように歩き、

時折、スカートの裾を押さえながら

笑う

「お小遣い稼ぎだね!」

「ね、これ“放課後の冒険”ってやつじゃない?」


リーン(半歩後ろ。淡々)

口元がわずかに緩む

「危険度は低いとはいえ、油断は禁物です」

(間)

「……ですが」

「楽しそうですね」


【ト書き】(薄暮へ寄る)

日が傾くほど、熱が抜ける。明るいのに、体感は冷える。

夕方の“軽さ”が、ちゃんと「今だけ」だと分かる空気。

ミナトが一瞬だけ笑いそうになって、飲み込む。

15歳の“かっこつけ”が出る。


ミナト

「……手早く」

「詰まらせない」

ミナトは腰のポーチを確認し、魔石袋の紐を締め直す。

丁寧な手つき締めていた。

(小声)

「……でも、稼げるのは、嬉しい」


ランド(腕まくり)

「よし、今日の目標! 充電二個分!」

「俺、帰りに焼き串買う!」


さやか(即)

「私、甘いやつ!」

くるっと半回転して、ミナトを見る。

「……ミナトくんも、買うでしょ?」


ミナト(反射で)

「……買わない」

(間)

「……いや、買う」


【ト書き】

さやかは、前を振り向いてから笑う。

ランドは、親指を立てて、先を見る。

ミナトは、二人を後ろから見て笑う。

リーンは、主の笑顔につられて笑い、

そっと腰の槌に手を添える。


────────────────────────────────

◆ Scene 5:薄暮・初戦

────────────────────────────────


【ト書き】(薄暮・初戦)

小型の魔物が出る。

初回は足が揃わない。


【ト書き/ミナト内心】

視線が対象を追えている。

(見えてる)

(でも動きがズレる)

(……もう一拍)


ランド

「うおっ、そっち行った!」


さやか

「え、え、私こっち?!」


ランドは前へ踏み込み、

さやかは前傾だった重心を戻して、

後ろへ跳ねる。

ミナトは一歩だけ横にずれ、まっすぐ小さな魔物を見据える。


ミナト(声が少し上ずる)

「ランド、押さえる!」

「さやか、左!」

「リーン、回収、先!」


リーン

「了解です」


【ト書き】

リーンは、魔物の背後へ回り込む。

ランドは体をひねって魔物の正面に立つ。

さやかは魔力を指先に集め――撃つ!


パン!

魔物が爆ぜ、小さな欠片と靄が出る。


さやか(ぱっと顔が明るい)

「できた! いまの!」

「ね、ミナトくん! すごい! “回った”!」


【ト書き】

ミナトの呼吸が一瞬だけ軽くなる。


ランド(笑う)

「回った回った! 俺ら、いけるじゃん!」


ミナト(嬉しくて、でも抑える)

「……普通」

(でも口元が緩む)

「……次、もう一回やれる」


【ト書き】

ミナトの口角が上がりかけて戻る。


リーン(小さく)

「“次”が出るなら、いいです」

「戻れる形で」


────────────────────────────────

◆ Scene 6:小型魔物との遭遇(外縁フィールド)

────────────────────────────────


【ト書き】

風鳴りの風穴・外縁。

谷風が吹き抜け、草が揺れる。

小型の影が二つ、草むらから飛び出す。


ミナト(即座に)

「……来た。風霜鳥と、風穴獣の小型」


ランド(嬉しそう)

「よっしゃ、初戦だ!」


さやか(少し緊張)

「ミナトくん、指示お願い!」


ミナト(早口)

「ランド、押さえる!

 さやか、左!

 リーン、回収、先!」


【ト書き】

風霜鳥が小さな風刃を飛ばす。

風穴獣が突風で距離を詰める。


ランド(踏ん張る)

「おらぁっ!」


さやか(光の矢)

「えいっ!」


リーン(背後から)

「回収します」


【ト書き】

風霜鳥が霧散し、羽がひらりと落ちる。

風穴獣が倒れ、風牙の欠片が転がる。


さやか(ぱっと明るい)

「落ちた! ドロップした!」


ランド(拾いながら)

「これ、いくらだっけ?」


ミナト(即答)

「風羽が200リム。風牙の欠片が300リム」


ランド

「おお、今日の目標、いけるぞ!」


リーン

少し笑って

「魔石も、充魔力されていますね

 良い感じです」


【ト書き】(薄暮→夜手前)

空の色が落ちる。暗くなる前に、風がもう一段冷える。

短い夏は、夜の準備が早い。急がないと“戻れる形”が崩れる気がする。

倒れた魔物から魔石を拾う。

リーンが袋に入れる。

ミナトが掌でなぞると、淡い光が増える。


ランド(勝ち誇る)

「見ろよ、光ってる! これ充魔力できてきただろ!」


さやか(勝手に盛る)

「ねえ、こういうのってさ」

「“みんなで回ってる”って感じするよね」

(にこ)

「……うちら、仲間って感じ?」


【ト書き】

ミナトの視線が距離→手→周囲へ流れる。


ミナト(間)

「……仲間って距離?」


さやか

「そうそう、距離! 仲間!」


【ト書き】

リーンが、ミナトの立ち位置をほんの少しだけ後ろへずらす。

詰まらない距離を作る。


リーン(丁寧)

「距離は、詰めすぎない方がよろしいかと」


ランド(からかう)

「おーこわ。保護者かよ」


リーン

「はい」


ランド(即)

「じゃあ俺が保護される側やるわ」

(胸を張る)

「守られて育った男、ランド」


さやか(乗る)

「だめ、かわいい」

「“保護される側”って名乗るの、逆に強い」


ミナト(ぼそ)

「……何の話だよ」


リーン(淡々)

「平和の話です」


【ト書き】

三人が笑いかけて、ミナトだけが一拍遅れて笑う。

遅れて笑うのが、ミナトの癖。


ミナト(小さく)

「……やめろ」

(でも笑ってしまう)

「……笑うと、集中が落ちる」


ランド(ニヤ)

「集中落ちても勝てるのが、青春だろ」

「知らんけど」


さやか(即)

「知らんのかい!」


リーン(小声)

「知らないなら言わないでください」


ランド

「言いたい年頃なんだよ!」


────────────────────────────────

◆ Scene 7:夜手前・二戦

────────────────────────────────


【ト書き】(夜手前・二戦)

小型の風穴獣が再び出る。

今度も足が揃わない。


さやか

「あ、でてるでてる!」


ミナト(声が少し上ずる)

「ランド、押さえる!」

「さやか、後ろ!」

「リーン、回収、左に!」


【ト書き/ミナト内心】

ミナトの指が迷わない。


ランドは地面を蹴り、風穴獣の突進を肩で受け止める。

さやかは後ろへ跳ねながら光の矢を放つ。

リーンは横へ回り、風穴獣の退路を塞ぐ。


ランド

「うおっ、そっち行った!」


どしん! 痛々しい音が響く。

同時に、がさがさと木から何かが落ちる音。

うめき声。


ガサガサっと風穴獣が森の奥に消えていく。


さやか

「ランド!」


ランド

「ぐぉぉぉ、いてぇ…」

「がっ」


コン。

今度は軽い音。

ランドの頭に、小さなこぶが浮かぶ。


ランド

「あぉぉぉ、ぃいてぇ…」

(痛いのに笑う)

「……ミナトの指示、速ぇんだよ……」


ミナト(耐え切れない)

「ぶっ……く、く、ぅ」


さやか

「ミナト君だめ、だみゃぁ……あはははっ」


リーン(即答)

「平和です」


ランド(痛いのに笑う)

「いててて、笑うなよ」

(でも釣られる)

「はぁーはっはっは」


【ト書き】

釣られて笑うのは、若い者の特権だと思う。

息が乱れる。

でも怖くない乱れだ。


さやか(息を整えながら、言いかけて飲み込む)

「……ありが――」

(咳払いして誤魔化す)

「……今の、完全に“近い”!」

(小声)

「……ミナトくんの“近い”は、まだ遠いけど……」


ミナト

「近いの使い方が雑なんだよ」


ランド(頭をさすりながら)

「雑でいいんだよ、青春は!」


リーン(淡々)

「雑は事故の母です」


ランド

「今、母って言った?」


リーン

「言いました」


────────────────────────────────

◆ Scene 8:清算(稼ぎの確認)

────────────────────────────────


【ト書き】

日が沈みかけ、そろそろの雰囲気が出てくる。

誰というわけでもなく、帰り道を見だす。


ミナト

「そろそろ……清算かな」


さやか

「だね、日も沈みかけだし」


ランド

「ちぇ、もうかよ、で、稼ぎどう?」


リーン

「風羽×4と風牙の欠片×2で 1400リムです。

 ランド様が、獣をにがさなければ、2000リムに行ったかもしれません

 大変残念です。残念です」


ランド

「2回も言うなよ……」


さやか

(思い出して笑う)

「ぷっ、くくっ……」


ミナト

「一人350リムだね、やった、手袋が買える……」

「そうだ、魔石は、各自所持していたものをそのままでいいよね」


ランドとさやか

「さんせー!!」


【ト書き】

充魔力した魔石を換金した後のことを各々想像してにやにやと笑い合いながら

帰り道につく


────────────────────────────────

◆ Scene 9:串を食べながらの会話(帰路)

────────────────────────────────


【ト書き】

帰り道。

屋台の灯りが揺れ、夕方の風が冷える。

四人は串を買って歩く。


ランド(肉串をかじりながら)

「うめぇぇぇ! これが“自分で稼いだ金”の味!」


さやか(甘味串)

「ね! ね! こういうの、青春って感じしない?」


ミナト(照れながら)

「……まあ、悪くない」


リーン(焼き野菜串)

「主様。歩きながら食べると、こぼれます」


ランド

「保護者かよ」


リーン

「はい」


さやか(笑う)

「ランドくん、守られて育つ男!」


ミナト(小声)

「……また来よう。……いや、来たい」

(内心)

(……揃わないのに、揃ってるみたいだ)


リーン(静かに)

「はい。次も、戻れる形で」


────────────────────────────────

◆ Scene 10(A-EX):リーンの“反省会”

(帰宅後・夜/水理邸の裏庭)

────────────────────────────────


【ト書き】

帰宅後。

夕食を終え、街の灯りが遠くに揺れる頃。

水理邸の裏庭は、夜風が通り抜ける静かな場所だ。


ミナトが外に出ると、

リーンが庭の端で槌の柄を磨いていた。

月明かりが金属に反射し、淡い光が揺れる。


リーン(振り返る)

「主様。……お疲れ様でした」


ミナト

「……リーン、まだ起きてたの?」


リーン(槌を置き、姿勢を正す)

「はい。少しだけ、考え事を」


ミナト

「考え事……?」


リーン(1歩ミナトに近づき)

「はい。主様、いえ、ミナト、話を聞いてください。」


リーン(静かに頷く)

「本日の“初めての盛り上がり”についてです」


【ト書き】

リーンはミナトの前に立つ。

距離は半歩。


リーン

「まず――良かった点から」


(指を一本立てる)

「一、ミナトの指示は明確でした。

 ランド殿とさやか嬢の動きが、主様の言葉で“回った”のは事実です」


(指を二本)

「二、危険の察知が早かった。

 初戦の軌道読みは、さすがミナトです。早いです」


(指を三本)

「三、楽しそうでした」


ミナト

「……三つ目、必要?」


リーン(淡々)

「必要です。

 主様が楽しそうだと、周囲の動きが安定します」


【ト書き】

リーンはそこで一度、視線を落とす。

槌の柄を軽く握り直す。

“ここからが本題”という仕草。


リーン

「では、反省点を」


(間)


「一、ミナト。笑いすぎです」


ミナト

「えっ」


リーン(淡々)

「笑うと集中が落ちる、とミナト自身が言いました。

 ……実際、落ちていました」


ミナト

「……う」


リーン

「二、距離の管理が甘い。

 さやか嬢との距離、ランド殿との距離、

 そして――」


(少しだけ間を置く)


「……私との距離も、です」


ミナト

「え、俺……そんなに?」


リーン(小さく息を吐く)

「はい。主様は“仲間”という言葉に反応して、

 半歩、前へ出ました」


【ト書き】

リーンはミナトの足元を指す。

ミナトは自分の靴先を見て、

ほんの少しだけ前に出ていたことに気づく。


ミナト

「……無意識だった」


リーン(柔らかく微笑む)

「無意識だからこそ、反省会です」


【ト書き】

リーンは槌を腰に戻し、

ミナトの前に立ち直る。


リーン

「主様。

 本日の四人の動きは、確かに“仲間”でした。

 ですが――」


(ミナトの目を見て)


「仲間は、守る距離を間違えると、壊れます」


ミナト

「……」


リーン(静かに)

「主様が前に出すぎれば、ランド殿が無茶をします。

 主様が笑いすぎれば、さやか嬢が油断します。

 主様が距離を詰めすぎれば、私が……」


(言いかけて、言葉を飲む)


ミナト

「……リーン?」


リーン(小さく首を振る)

「いえ。

 ただ――」


(深く頭を下げる)


「次も、戻れる形で。

 それだけです」


【ト書き】

ミナトはしばらく黙っていたが、

やがて小さく笑った。


ミナト

「……ありがとう。

 リーンの反省会、嫌いじゃない」


リーン(わずかに頬が緩む)

「…同伴ですから」


【ト書き】

夜風が二人の間を通り抜ける。

その距離は、半歩。

“守るための距離”。


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