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織田家のアナザー・ジャパン  作者: 青い水


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第28章 目指せウェストコースト

やっと北米大陸に着いたと思ったら


「ヘックション!」

「お、どうした奔吾、珍しいな、風邪か?」

「いや、突然背中に寒気が。」

「気をつけろよ、温暖とは言え海風が吹くんだ。」

「ああ、ここから大陸までは20里ってとこだな。泳いでも行ける。」

「サメと闘いながら20里がんばれ。」

「この島に名前を付けよう。」

「アナカパ。」

「なんだ、それは?」

「いや、急に出た。」

「ならば穴河童島にしよう。」

「まあ、仮の基地だし、それで良いよ。」



「で、ロシアは本当にアジアを諦めたのか、竜之介殿?」

「わかりません。もう樺太に引っ込んで長いもので、大陸の情勢ははっきりしません。」

「北方の国境の向こう側に動きはないのか?」

「国境の砦から観察する限り、何もないようです。原野は放置されています。」

「ロシアの都まで行って探らせるのは無理だから静観するしかないな。」

「はい、調べても鳩で連絡できる距離ではありませんし、無視しましょう、信高様。」



「奔吾、あの熊だけはやめておけ!」

「そうだよ、巻き添え食うのはまっぴらだ!」

「ふつうの熊じゃないぞ、背丈が10尺もある。」

「なんとかなるんじゃないか?」

「なるわけねーだろ、この戦闘狂!」

「そうだよ、おまえの奥義でも10尺も飛べないだろ。冷静になれ!」

「うむ、確かに。飛影乱舞は使えんだろう。ならば正拳突きで。」

「あんな脂肪の塊に正拳突きが決まるわけねえよ。とりあえず逃げるぞ。」

「あい、わかった。」

挿絵(By みてみん)


 粉雪と竜之介は50代を迎えてまだなお壮健だった。年に数回は甘雪を訪れ、代表者たちと懇談し、将来構想について意見を求められていた。2人は金竜疾風の情報共有で、ハワイにいる子どもたちの仲間が、さらに東の大陸へ向かうと知った。太平洋の東の果てには広大なアメリカ大陸がある。その西の海岸線は、南はメキシコから南アメリカ大陸までつながるが、では北はどうか?カムチャッカ以北はまだ未踏の地で、そこから先に続くかもしれないアメリカ大陸の北端はどうなっているのか?抑えられない好奇心が粉雪を駆り立てるが、失敗して晩節を汚すだけではなく多大な迷惑をかける可能性を考えると自分が動くのは控えるべきだろう。この冷静な結論に達したのは、これまでの重い責任を担ってこなしてきた仕事の経験のおかげだ。若い世代に託さなければ。アメリカ大陸の北の西海岸。それはハワイから目指す西海岸につながる陸地なのか?


「おお、粉雪ではないか。どうした、尾張で会うとは?」

「竜之介さん、おまえ様に一日も早う会いたくて。」

「まあそれもあるだろうが、信高様に相談か?」

「はい、折り入ってお話しが。」

「ならば俺も行こう。昨日お目にかかったばかりだがな。」

「そうしてもらえると心強い。」



「奔吾よ、獲物を探す獣のような眼はやめろ。」

「そうだよ、殺気がダダ漏れで、忍びじゃなくても気づいて逃げられる。」

「うむ、明鏡止水を忘れていた。」奔吾は深くゆっくり呼吸をして目を閉じた。

「それにしても低い灌木が散在する乾いた草原が地平線まで続いているわね。」

「水場があるのだから人里もあるだろう。」

「ねえ、あそこ見て。あの半球の大きな塊、あれ人が作った家じゃない?」

「ああ、5つも並んでいる。おそらく集落だ。行ってみよう。」



「信高様、粉雪でございます。」

「おお、粉雪か、久しいの。壮健か?」

「はい、もう50を過ぎましたが、忍びの鍛錬は欠かしておりません。」

「それはたくましい。見習わなければならんな。」

「信高様、本日はお願いがあって参りました。」

「ほう、おぬしから願いとは珍しい。申してみよ。」

「北の地の探検でございます。現在、カムチャッカ半島の根元より北の地は甘雪の領土でございます。しかし、故郷の防壁のさらに向こう側、そこは未踏の地です。界隈は調査しましたが、針葉樹林の向こう側には低木が点在する不毛な荒地が広がっていたとのことです。お願いというのは、信高様、その荒地、そしてその先の調査です。私の予想では、その荒地を進んだ先にアジアの極北、アジアの果てがあると思うのです。そしてその果ての向こう側にアメリカ大陸の北方地帯が広がっていると予測されます。そこから海岸線を果てしなく南下すれば、いま金竜旋風がハワイから潜入している西海岸に到達できると考えられるのですが、いかがでしょう?」

「それについては、私にも同じような考えがございます。同じようなと言っても、主に陸路ではなく海路を通るのですが、カムチャッカ半島の東の沿岸から船を出し、小さな島々を次々と訪問しつつ、東へ東へと進めば、やはりアメリカ大陸の北部へ到達できるのではないかと。いかがでしょう?」

「おや、竜之介さん、私に黙ってそんな企みを?」

「いや、粉雪の大胆な計画も初耳だぞ。」

「ふむ、おまえたちの計画は実に大胆にして斬新。実に興味深い。人も金も大いにかかるが、やるだけの価値はあるだろう。斑鳩の頭領には話を通しておく。人選も含めてよく話し合って計画を進めてくれ。」


「こんにちは、はじめまして!」


紫煙は明るく挨拶しながら紙芝居のように紙会話の紙の束を掲げた。鋼火に教わった紙会話、紫影はすぐに会得して、たいていの種族と意思疎通が出来るようになっていた。


「私たち、海の向こうの島から来ました。私の名前は紫影で、これが銀天、こっちの大きいのが奔吾です。」


「シエイ、ギンテン、ボンゴ。」住民は目を閉じて両手の甲をこちらに向けた。3人は、とりあえず頭を下げた。


「アハシト。」住民は自分を指さしてそう言った。


 紫影は絵会話帳にすばやく何かを描いて、満面の笑顔でアハシトに飴を渡した。絵会話帳には、飴の舐め方、味もいろいろある、他の住民にも配りたいと、が表されていた。アハシトが合図すると、住居からぞろぞろと人が出てきた。50人ほどいた。みんなで和やかに飴を味わった。



北米を3方面から攻略?

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