空を飛ぶ大きなお友達
仲間になったスケルトンが言う。
「裏口への道は危険だっ! 正面玄関は、この先にある熱湯地帯を抜けるだけだ!」
俺たちは、リアクション芸人かっ!
スケルトンは腕を組み、
「まもけん(株)は、慢性的な人手不足。まず、お前たちに黒装束を着せる」
ランが食いついた!
「つまり、コスプレですね!」
スケルトンは冷や汗をたらし、
「違う、お前たちを変装させる。それから、社員の俺が入社希望者を連れてきたと言う」
ランは「ふむふむ」とうなずく。
「その方法なら、厳重警備がしかれた正面玄関も突破できる! 問題は、この先の熱湯地帯だが……」
それなら大丈夫だ、スケルトン。俺には、氷の魔法がある。熱湯地帯を、銭湯に変えることができる!
「よし、スケルトン! 俺の氷の魔法に任せろっ!」
「おおっ、ロアスとやらは頼もしいな! 俺たちは、熱湯を熱がりながら通勤してたのに!」
ここの社員は、ドMの素質があるな!
こうして、俺の魔法で熱湯地帯のワナは露天風呂に変わった!
ゆったり、お風呂に浸かりつつ俺たちは前に進む。
そして、熱湯地帯を抜けた!
俺は陽気に答えた。
「よっしゃ、後は正面玄関だけだな!」
しかし、いきなりスケルトンに腕を引っ張られた!
それから、俺は草むらに放り込まれた!
「いってーっ! スケルトン、何するんだよっ!」
「すまない。それより、草むらに隠れろ! そして、前を見てくれ」
「赤いじゅうたんがあるが。国の要人でも来るのか?」
「いや、社長のご帰還だ」
「どんだけ社長独裁!」
「空を見ろ。グライダーに乗って社長が帰ってきたぞ!」
「あの社長器用だな!」
「飛んだまま、じゅうたんを越えて……。今、入り口に降り立った!」
「スキージャンプの実況かっ! じゅうたんも意味ないし!」
「それより、黒いのれんがかかってるだろ。あれが、正面玄関だ!」
「なんで、R18ののれんなんだよっ! どこからパクった!」
「残念ながら、正面玄関は諦めよう……」
「なぜだ? ここまで来て」
「これから、社長帰還パーティを庭で行う! よって、正面玄関は通行止めだ」
「どんだけ、社員の時間をムダにすれば気がすむんだっ!」
「やはり、裏口から行くしか……」
その時、ランが手をあげた。
「あのー、スケルトンさん。裏口は危険ですよね? 地雷があるでしょ」
「まあ、そうだが他に方法がない……」
「私が、パーティの余興でセクシーダンスをおどりましょう! そしたら、通してもらえるかも!」
ノーパ○でダンスは危険すぎるって!
ただでさえ、熱湯地帯で白ローブが少し透けているのに!
スケルトンは、ランの言葉を却下した。
「悪いが、それは無理だ。人間のセクシーダンスは、モンスターには効かない!」
ガーネットは落胆して、
「う、裏口から行くしかないのか!? まだ死にたくない! 余は、転生したてのひよこちゃんだぞっ!」
大きなお友達が喜びそうなことを!
ガーネットの質問に、スケルトンはうつむく。
「安全に裏口から行く方法は一つ……。あそこで、飛んでいるタカに運良く乗れれば……」
「どうすればいいのだ!?」
頭を抱えるガーネット。
俺も手詰まりだ。街を守る者として、まだ死ねない!
なんとか、タカに乗る方法はないのか!?
俺たちは悩む。
しかし、ランは一人笑顔をのぞかせている。
「みなさん、あのタカに乗る方法がありますよ!」
ガーネットは驚いて、
「さすがはラン! 図書館で働いているだけあるなっ! で、方法は?」
「タカは地面全体を見渡しています! セクシーダンスで魅了すれば、乗せてくれるでしょう!」
「ほ、ほんとに全体を見渡しているのか!? 文章の見直しみたいだなっ!」
「ええ。書籍化作家も、推敲はタカに任せているらしいです!」
誰の情報だっ!
俺がひそかにつっこんでる間に、ランはおどりだした!
白ローブから生脚が見える!
あまり激しく動かないでくれっ! ノー○ンで危険だからっ!
タカの反応は……。
チラ見して無視したーっ!
やはり、タカには効かないのか……。
しかし、一人だけ諦めてないものが……。
「余はまだ死にたくない! い、一か八かおどってやるぞ!」
ガーネットも、黒ローブから生脚をチラつかせておどる!
しかし、ランと違いめっちゃ恥ずかしそうだ。
タカの反応は……。
うおっ、急降下してきたぞっ!
さすがだっ、ガーネットは現職のおどりこだからなっ!
「く、黒ローブの君! 可愛らしいダンスだった! よーし、君たちを裏口まで連れてってあげる!」
違うっ、このタカは大きなお友達だっ!
そのおかげで、俺たちは労せず裏口についた。




