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おどりこ魔王との出会い

 ご閲覧ありがとうございます!

 魔王は死んだ。


 世界は平和になった。


 しかし、すぐ乱れた。


 魔王が死んだので、夏休みに入っていたモンスターたち。


 夏休み明けにも関わらず、はりきって村を(おそ)う。


 噂によると、新しい魔王が現れたとか。


 底辺勇者の俺は、震えが止まらない。


 俺はロアスって名前だ。だが、恐怖で名乗れないだろう。


 今までならば!


 だが、これからの俺は違う!


 裏道具屋なる店で買った、最強アイテム・『チートポーション』を持っているからな!


 さあ、モンスターどもよ! どこからでも、かかってくるがいい!


 チートポーションが入ったビンを高らかに掲げたその時ーー。


 前方の丘から、高笑いが聞こえてきた。


 「ふはははっ! その身なり、勇者だなっ! 覚悟するのだっ!」


 俺は丘を見上げて、挑発(ちょうはつ)をする!


 「モンスターよ、運が悪かったな! 俺はたった今から最強勇者だっ!」


 そう高らかに言った。


 が、相手はモンスターではなくかわいい女の子じゃないかっ!


 オレンジのセミロングで、黒いローブをまとっている。


 いや、まとっているというより身体を(かく)している気が……。


 ともかく、モンスターと勘違(かんちが)いしたので謝らないと。


 「ご、ごめん。てっきりモンスターかと」


 セミロング少女はニヤリとして、


 「モンスター? 余はそんな下等生物ではないのだ! 余こそ、魔王・ガーネットなのだっ!」


 いきなり魔王きたーっ! なんとか名乗らないと……。


 えっと、確か相手の首の辺りを見れば緊張(きんちょう)しないんだよな……。


 俺が心の準備をしていた最中、魔王少女ことガーネットは飛んだ。


 丘から俺の下まで急降下してくる!


 「ぎゃふ!」


 着地失敗したけど……。


 ガーネットは、大の字になって土にうつぶせになる。


 仕方ない、手を貸してやるか。


 ガーネットのか細い手をゆっくりと握った。


 そして、少しずつ持ち上げる。


 ガーネットの口からこぼれた言葉。


 「ありが……」


 しかし、すぐに我に返ったみたいで、


 「べ、別に感謝した訳じゃないのだっ! あ、足下にアリさんがいたから、踏んづけないようにと……」


 急に光属性な発言!


 「い、いや、アリさんなんてどうでもいいのだっ! けっして、かわいそうだなんて思ってないのだっ!」


 言い訳を重ねるガーネットをゆっくりと立ち上がらせた。


 その時、俺はあることに気づく。


 へぇ、黒いローブの下はこうなっているのか。


 白く薄いドレス。その下には、青い水着みたいなのが透けて……。こ、この組み合わせはおどりこの衣装だっ!


 俺がじろじろ見つめていると、ガーネットは焦り出した。そして、再び黒いローブをまとう。どうやら、おどりこの衣装を見られたくないらしい。


 ガーネットは顔を真っ赤にして、


 「よ、余は別に恥ずかしくないのだっ! 女魔王から転生して、おどりこになんてなってないのだ!」


 ガーネットはハッとして、


 「ち、ちがうのだっ! とにかく、余は魔王なのだっ! えらーい魔王が、おどりこの衣装なんて着るわけないのだ! フ、フハハハッ!」


 ローブで身体を隠し、高笑いをするガーネット。


 しかし、彼女の後ろには怪しい影が2つある!


 危機を察知した俺は、早速『チートポーション』を飲んだ。


 身体中から、エネルギーがみなぎっている!


 今ならどんな剣技、魔法も使いこなせそうだ!


 よっしゃっ、早速ガーネットを救ってやるぜ! と、彼女を見つめたらーー。


 背後から、影たちがガーネットを押した。


 「ぎゃふっ!」


 ガーネットはまた、大の字でうつぶせになった。


 その背後から、スライムとゴブリンが眼を光らせている。


 よし、チート能力を持つ今なら絶対に勝てる!


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