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第19話 初めてのデートは遊園地

夏休みがやってきた。

土曜日の早朝から湊はひなたと約束した遊園地デートのことを考えながら、家で準備をしていた。

ひなたとの初めてのデート。堂々と二人で出かけることができる喜びと緊張が入り混じっていた。


待ち合わせ場所に少し早めに着いた湊はベンチに座って待っていた。


「湊くん!」


声がして振り向くと、そこにはひなたが立っていた。

淡いピンクのワンピースに白いサマーセーター、小さな髪飾りで飾った姿は、まるで絵本から抜け出してきた妖精のようだった。


「お、おはよう……」


湊も思わず言葉を詰まらせた。


「待った?」


「いや、今来たところだ」


「嘘……早く来てたでしょ?」


ひなたがくすくすと笑った。


「バレたか……30分くらい前に来てた」


「私も……実は20分前に来てたの。ドキドキして……」


二人は顔を見合わせて笑った。


「行こうか」


湊が手を差し出すと、ひなたは嬉しそうに頷き、その手を握った。


遊園地は多くの人で賑わっていた。

二人はまずメリーゴーランドに乗り、クラシカルな音楽に乗って回転する馬に揺られた。ひなたの表情は子供のように無邪気で、湊はその姿に見とれていた。

かつて人々の嘘を見抜くことで人間不信に陥っていた自分が、今は彼女の笑顔から純粋な喜びを感じられることに、小さな奇跡を感じていた。


「何を見てるの?」


「綺麗だなって思って」


ひなたの頬が赤くなった。


「も、もう……照れるよ……」


その後、二人はジェットコースターやお化け屋敷、様々なアトラクションを楽しんだ。

夕方になり、日が傾き始めると、ひなたが観覧車を指差した。


「最後に、あれに乗りたい……」


「いいな」


ゆっくりと上昇する観覧車からは、夕暮れの街並みが美しく見えた。


「きれい……」


ひなたが窓の外を見ながら呟いた。

しかし、湊の視線は景色ではなく、ひなたに向けられていた。夕焼けに照らされた彼女の横顔が、とても美しく見えた。


「ねえ……今日は……ありがとう。こんなに……楽しい一日をプレゼントしてくれて……」


彼女の目には、小さな涙が光っていた。


「ひなた……」


湊は思わず彼女の手を取った。


「私、本当に幸せ……」


「俺も……」


二人の視線が交わり、ゆっくりと距離が縮まる。

観覧車が最高点に達したその瞬間――時間が止まったかのような静寂の中で、湊はゆっくりとひなたに近づいた。

湊がひなたの唇に自分の唇を重ねた瞬間、二人の世界から色が溢れ出した。


一瞬の、しかし永遠のように感じられるキス。

窓の外では夜景の光が万華鏡のように輝き、無数の星が二人を祝福するかのように煌めいていた。


キスが終わり、二人は顔を赤らめながらも、優しく見つめ合った。


「本当に恋人同士になったんだな」


湊が小さく呟いた。


「うん……」


ひなたも幸せそうに頷いた。

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