第5話
燈香さん、光一、俊也と共に今日から学ぶ教室である1組のクラスに入る。
ドアは開口しているのそのまま足を踏み入る。
見た所どうやら殆どが登校している様だ。何人かは既にグループを作り御喋りをしたりしている。
「去年から一緒のクラスメイトもいるな」
「ああ、結構いるな」
クラスに足を踏み込むと俺達に気付いたクラスメイトから挨拶の声がかかる。
「あっ!咲良君、おはよぉ~」
「本当だ!今年も一緒だねぇ~」
「…うむ、よろしく、咲良」
「あっ、燈香。おはよう!」
「今年もよろしくねぇ燈香!」
「………俺達には?」
「…流石、蓮と燈香嬢だな。人気者故の挨拶の数だ」
訂正。挨拶、俺と燈香さんに多かった。光一と俊也は御互いに目を合わせると苦笑する。「相変わらずの人気だな」、と。
「おはよう、皆」
クラスメイトに挨拶を返すと1人の女の子が近づいてくる。
「おはよう、燈香。咲良君、草薙君、風祭君。今年も一緒ね、よろしく。あまり面倒な事をしないでね、特にそこの御二人さん」
話し掛けて来た少女に俺達は挨拶をした。
俺と燈香さんは普通に、光一と俊也は、この少女を象徴する名称で。
「おはようである、委員長!」
「おっ!今年も一緒か。意外と縁があるねぇ、委員長!」
「おはよ、志穂さん」
「おはよぉ、志穂!また一緒で嬉しいよ」
「とりあえず、委員長じゃない!まだ、なってないんだから、そう呼ぶのはどうかと思うわ。まったくっ、皆その名称で呼ぶんだから……燈香もおはよう。…それと、咲良君、おはよ。そのぉ、宜しくね」
宮乃志穂。それがこの委員長ネタで揶揄われた少女の名前だ。
首元くらいの長さで整えてある青みがかった黒髪に、きりっとした瞳にあまり視力が良くないとの事で眼鏡を付けている。
身長は160くらいで出るとこ出ているスタイルをしている。
何故光一達から委員長と呼ばれたかは、俺、燈香さん、光一、そして志穂さんは1,2年と一緒のクラスメイトだったのだ。そして志穂さんは2年ともクラス委員をしていたからだ。あと、なんとなく雰囲気が委員長ぽいからだとか。
その名残で一緒のクラスだった者は志穂さんを【委員長】と呼ぶのだった。
まあ、俺は普通に名前で呼んでいるけどな。
「いいじゃんか。当然今年もなんだろ?」
「ふむ。宮乃嬢が委員長であれば、我々の計画も面白く出来そうだ」
「決めないでよ、勝手に……適任者がいないのなら、まあ、するけど」
志穂さん、何だか,満更でもない様に思うんだが?
あと、俊也は基本、名前でなく名字で呼ぶ。そして相手が女性の場合『-嬢』と付けて呼ぶのだ。
「それはともかく。はい、これ座席表よ。取り敢えずはこの通りに座って」
「了解だ…ふむ。前か……眼鏡故か」
「おっ!後ろドア付近かぁ、ラッキー!スタートダッシュしやすいな!」
「……壁側の後ろ辺か」
受け取った座席表からそれぞれの反応を返す。
「仮ってこと解ってる?」
「さあねっ。そうだ、志穂さんの席は?」
「えっ!?……貴方の前よ」
「そうか、まあさっきも言ったかもしれんが、一年、またよろしくな」
「えぇ、宜しくね。れ、っ咲良君」
「ふっ、名前で呼んでくれてもいいのに」
志穂さんとは燈香さん同様にこの学園に入っての、2年の付き合いになるが、なんでか名前で呼んでくれないんだよね。
俺は別に呼んでくれてもいいのに?と思ってるんだが。
志穂さん的には恥ずかしいらしい。意外と恥ずかしがり屋なのである。
~
そろそろホームルームの時間になるので、御互い指定された席に向かう。
俺も指定された窓側の席に向かう。
そして着席すると、右隣から燈香さんに声を掛けられる。
「ふふ、また蓮君と隣だよ。よろしくお願いします♪」
「ん?おや、本当か?3年間隣とは凄い運だな」
「ふふ、本当だね。それに今年は志穂とも近いから嬉しいな」
「…仮ってこと解ってる、燈香?まあ、私も嬉しいからいいけど」
俺の右が燈香さん、前が志穂さんだ。
席替えでも一緒なら、班活動の際は一緒の場合が増えるな。
それから、チャイムが鳴った。
扉が開き今年1年間の担任の先生が入ってきた。
入ってきた先生の姿に、俺は「なんで?」と不思議そうに首を少し傾げる。
「はい、皆、席に着いてね。……ええ、今年1年、皆さんの担任となりました高町夕です。皆さん、よろしくね!」
どうして夕さんが担任なんだ?




