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桶の主張と乙女心

 ロリっ子ぽい美少女を抱えて女子寮へと戻る道すがら、視覚という分野は既に極めたと思っていたのに、視覚と感覚のミックス……を開眼しそうになりつつもロリっ子では流石にその境地に至らなかった美の探求者桶神九十九です。

 いや、抱えても物凄く軽いしだな、肉付きが悪すぎるというか……

 これで開眼したらそれはそれで問題だとおもうのだがどうだろうか?

 まあ、それに目を回しているところで無体を働く程落ちぶれていないしな、触るならラッキースケベか正々堂々と正面からお願いして触らして貰うさ。


 俺が思うに痴漢という性犯罪行為に走る愚か者がいるけど、あれは恐らく性的興奮と犯罪を犯しているという心理的な不安感を履き違えた馬鹿だと思う。モノは違えど吊橋で男女が二人きりになると女性の心理状態がドキドキを勘違いしてっていう余りにも有名になり過ぎて使えなさそうとまで言われるアレと同じではないかと思う。

 痴漢はな……あれは女性だけの敵ではないんだ、男性の敵でもあるんだぞ?

 冤罪を作り上げる馬鹿もいるけど、その温床を作ってるのは奴らなんだ。

 なんでこんな事を熱く語っているのか俺にも判らないけどな。


 まあいい、なんにせよ、今こうして抱えているがこのままでは俺は流石に正面から入れないと言うことで、レイチェル達にミューを預けて一旦姿を消させて貰おう。


「じゃあ、ウォルフェさん、ちょっと手を前に差し出してみて貰えますか」

「は、はいこうですか?」

「ええ、では宜しくお願いします、はいこれお願いしますね」


 すっと霧の様に消える意識体、そして彼女の手の中には桶だけが残った訳だ。


「うぉ、本当に消えた!?」


 レイチェル、お前は説明したのに信じてなかったのかよ!?


「駄目ですよ、レイチェルさん。桶神さんの事信じてなかったのですね?」


 まあ、そのなんだ、信じてくれて大変有難いし、大切に扱っていただくのは有難いのだけれども、こうも大事に胸に抱かれるとですね……

 意識体もないのに鼻血が迸りそうだわ!


「それでもぉ驚いても仕方がないことだと思うのぉ」


 レイチェルがボーっとし過ぎてミューが崩れ落ちるのを軽々とヴィーナさんが受け止めながら言ったのだけど……流石牛人といった所だろうか、今片手で持ち上げたよ!?

 あれだ、うん、逆らわないよ俺は。


『まあ、驚かせてすまないな、だがこれで信憑性が増しただろう? 兎も角続きはミューを中に運び込んでからでいいだろう』

「ああ」



 流石に気を失ったミューの部屋と言うわけにも、というか女性の部屋に上がりこむのはどうだという事で、談話室のソファにミューを寝かせて気が付くのを待った。

 其処は入るべきだろうと囁く悪魔が居ようとも一旦は断るべきだという天使の囁きこそが王道と、ウォルフェさんが一回是非と言ってくれたのを形式的に遠慮したら、すかさずに談話室がありましたねと即座に機転を利かされて悔しかったとかそんな事ないから!


「ところで九十九様がこうして浴場に居ない間は……」


 なるほど其処は安心して何時も入っていたウォルフェさんには気になる所だろうな。


『問題ない、こうして浴場(聖域)を離れている間は多少俺には及ばないものの眷属に不在の間の防衛は任せているから安心して欲しい』

「なるほど、流石です!」

『ハッハッハ、当然だろう、犯人を捕まえるにも浴場を疎かにしては意味が無い』


 ヌコ……やり過ぎてなきゃいいのだが、まあ本格的に男子寮の勇者共が訪れるのは夜だから、まあ問題あるまい。


 ――その頃の浴場へ通じる道……


「シャァ! カメラを設置するとは不届きにゃ、成敗だワン!」

「撤収! 女子寮に新たな守護者が設置された模様、撤収ぅぅぅううう!」

「ワフゥ、逃がす訳がないにゃぁ! くらうにゃぁ、誰得、裸王の刑だワン!」


 荒ぶるヌコ状生物はスライムでもある……

 描写の必要性はないだろう。


「ニャフー! 裸王ついでに毛もサービスニャッフー! あ……まあイイニャン……悪は滅びたワン!?」


 其処では恐ろしい事態が進行していたのを桶神九十九は勿論、事件に関わった者以外に知る事は無かった。

 見事な全身シェイブによって眉毛まで無くした生徒はその恐怖で暫く部屋に篭ったのは余談であるが確実にそれが原因であった事は間違いではないだろう。




 流石に姿を現さないで会話しているのも変だと言うことで、ミューが目を覚ました所で姿を表した訳だが……話は本題というかなんというか良くわからない方向へと進んでいった。


「そ、それで……わ、私の肌をみ、見て……」

「安心しろ、湯気と謎の光の呪は有効だから?」

「……大婆様のね……まあいいわ、で、でも此れからはダメよ!」

「いや、俺の聖域はあそこだし?」

「ダメったらダメぇ!」


 いや、おかしくないか?

 そもそも呪の追加で来たんだよな、ミューって……

 それなのに俺をそこから外すのはおかしいだろう、そもそも何かが宿ると知ってたふうだったしな。


「でもお前俺みたいな存在に桶がなるって知ってて話しかけてたよな?」

「そ、それはそれ、これはこれよ!」


 ……“それ”でなのかはまだいいが、“これ”の“これ”ってなんだよ。適当に言っただけだなこれは、まったく意味不明な事を言えば煙に巻けると思ってるな。


 だが俺をハライソから追い出す事など不可能!


「はあ……判ってないな、ミュー……」

「何がよ! 乙女の園なんだから当然でしょう?」

「俺が居たからこそ乙女の園は楽園であり美の追求の場となり、そして最も安全な場所なのだぞ」

「た、確かにあの温泉の騒動を治めたのってそこの色男なんだろ?」


 そうだ、よく判っているじゃないかレイチェル。


「つまり、あの時温泉に九十九様が居なければ危なかった訳ですね! 流石です」

「ハッハッハ、温泉に踏み込もうとしたのが奴らの運の尽きってことだったんだよ、うん。どうだミューこれでもまだ反対なのか!?」

「だって肌を晒すのよ?」

「だから、それは見えない様に出来ているし、そもそもだ!」


 これだけは言っておかないと、誤解を生じさせては今後の悟り(美の追求)への道が閉ざされかねない。


「そもそもなによ!」

「俺の好みは女性らしいウォルフェさんみたいな美貌だ! つまり美の追求であって欲情する為に言ってる訳じゃないのだよ」


 フ、我ながら素晴らしい決め台詞だったな。

 だが、俺の目の前には拳を握り締めたミューがいた。


 たまーにですね、こうして書きやすい文章を書きたくなる衝動というか……

 気軽なネタって書きやすいですよね……

 ええプロットが無いのは毎度なのですけど、方向性すら決まってないから、恋愛小説のこの先の展開を考えるとそんな悲劇用意してどうするよ! とか色々思ったり視点が語り口調になってて書速が上がらないとか色々あるんですよ。

 ええ、推敲もせず書きなぐって投稿してるのもありますが、気楽です。

 馬鹿らしい文章だなあ、と思って読んでいただいて楽しんで貰えれば桶神九十九も満足だと思うのですよ。

 某少年漫画のマグナムな股間の遊び人にも負けない主人公になってくれればいいなあ……

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