魔法の授業②
「次は私たちの魔法の相性について説明します」
「相性って、確か。夜月の魔法が俺の魔法に有利だって言っていたよな」
俺は以前に夜月と彩花に教わったことをふと思い出して一例に挙げた。
「はい。それも魔法の相性ですね」
「魔法の相性は単なる強さが比較されるわけではありません。魔道士には魔力がありますので、魔法の相性に魔力の多さである程度の強さが分かります」
鵜月は強さの話に歯切り悪くも説明を続けた。
「ですが、魔道士の戦いにおいて実力だけで勝てるわけでもありません。例えば蘆屋凰火さんです」
「凰火?」
凰火の実力は五角会の一件で分かっていたが、弱いとも魔力の弱さが分かるわけでもなかった。
「彼女は魔力だけで言えば、一般の魔道士とそう変わらないでしょう」
「そうなのか?」
「ですが、彼女は魔法操作と発動速度が速いので、あなたと私が魔法を一つ攻撃をする中で、彼女が魔法を何発も撃ちます」
鵜月の話を聞いたが、どうにも相性に引っかかる所があった。
「実際に私は彼女を苦手にしています」
「どうして?」
凰火の強さは見た限りだと鵜月の魔法の強さに劣ると見えたが、本人が苦手と言っているのが不思議に思えた。
「先輩、先程の休憩中に説明しましたよね。霧場先輩は相手の魔法分析すると…」
「凰火さんの魔法の手数に私の魔法は対応が難しく、防げても二個から三個ほどです」
「防ぐにも魔法の分析が必要になるのか」
鵜月の魔法に弱点があることは分かったが、それだけで苦手までとも思えなかった。
「彼女のインペルは〈嫉妬〉そしてゲートは〈孤独〉。他者の干渉や妨害から遮断することに長けたゲートです」
「単純に分析が難しくてゲートの力で防がれるってことだな」
鵜月は凰火の魔法を苦手にしていながらも俺に分かりやすく説明してくれる程に魔法の知識と分析に理解があるように思えた。
「さすがインペルⅩって感じだな。知識が豊富だな」
「他人事のように言いますが、あなたもこの程度は熟知していただきます」
鵜月は俺の褒め言葉に鋭い眼光で睨み圧をかけて言ってきた。
「流石に全部は…」
「先輩、これは経験則ですが、教える時の鵜月さんを怒らせると怖いです…」
夜月は鵜月に聞かれたくないのか小声で俺に話しかけてきた。
「何を話しているのですか?」
「えっと…。先輩のゲートは〈支配〉なので…他者の魔法を使う力です。魔法の使用には分析が必須になるため身につける必要があるかと助言したのです」
夜月は鵜月と目線を外しながら苦し紛れの言い訳を言った。
「そう言うことです」
「お…おう」
俺は鵜月の圧に負け、魔法の知識を強引に覚えることとなった…。




