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グロマギア  作者: ハナビ
暖かな摩天楼篇
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龍の死骸

俺たちが香港から学園に着くと学園長室へ招いてきた。

「おかえり!旅行は楽しかったかな!」

「楽しいどころじゃねえよ!」

学園長室にはゼルビス学園の学園長ジオと神戒島の学校で俺の担任だった麻樹(あさいつき)沙希(さき)、通称:さっきーちゃん。インペルⅩの蘆屋(あしや)(あや)が俺たちを待ち構えていた。

「おい。ジオ、冗談はそのくらいにしろ」

「おっと。沙希ちゃんから怒られるのは程々にしておこうかな」

凰火(おうか)鳳翠(ほうすい)!二人とも無事で良かったよ…」

「この娘も五角会(ごかくかい)の連中に目を付けられていたからな。簡単に動くことができなかったんだよ」

さっきーちゃんは綾に付いていたようで俺たちにも事情を話した。

「その辺の事情を綾さんから聞いたのですね」

「さすが。凛華(りんか)ちゃんだね」

ジオは香ノ木(こうのき)さんの淡々とした言い方で話を進める姿に頼もしそうにしていた。

「それで学園長はどこまで知っているのですか?」

「買い被りだよ。僕は大枠だけ聞いただけだ。だからこそ君たちを呼んだのさ」

香ノ木さんはジオの力を警戒しているのか険しい顔で睨んでいた。

「では詳しい話を聞こう」

ジオは今まで見せていた笑顔を止めて真剣な顔で話を聞き出した。

「結論から。五角会で捕えられていた鳳翠さんを救出。そこで研究していたクローン研究と思われるものを破壊。研究員を含めて多くの犯罪者を拘束しました」

「その話は本当なの?」

綾は五角会の話を大まかには知っていたようだが、詳しい話がなかったのか驚いた顔で話を返した。

「そこに子どもたちはいませんでしたか?」

綾もまた幼い頃から知っていたフォン・イェンとハオランが気にしていたようで不安げに聞いてきた。

「あの方々は向こうに残り、後処理のお手伝いを任せております」

「そうなんだね」

香ノ木さんは綾に軽く話したが、心配そうな顔は変わることはなかった。

「そういえば、あの方々と魔王は親しげでしたね」

「大した話をしていねえよ。あと人の名前を魔王って呼ぶな」

香ノ木さんはフォン・イェンと話すことはあったが、事務的な話しかしていなかったこともあり、俺の方をジト目で見てきた。

「ああ。何だ?あいつらも元気にしているし、暇になったらこっちに来るんじゃねえのか?」

俺は綾を励まそうとしたが失敗してしまい、あっさりとした話しかできなかった。

「じゃあまた会えるんだね」

「だろうな」

綾は嬉しそうにしており、和かな表情に変わっていった。

「それとね。お父さんが生きていたの!」

「そうなの?」

綾は凰火や鳳翠と違い、血のつながりのない龍弥(りゅうや)の話に嬉しそうにしていたが、次第に暗くなってように見えた。

「その表情もしかして何かあったの?」

「それは…」

言い出せない凰火は目を瞑り、口を閉じた。

「研究員の中には凰火さんと鳳翠さんの父である龍弥もいます」

「凰火ちゃん…」

綾は悲し気に凰火を見つめて両手をギュッと握った。

「また会えるよ!きっと」

「そう…だね」

綾の励ましたつもりの言葉も凰火にはやや悲しげ気持ちで返した。

「お!」

「げ…この気配…」

悲しそうな雰囲気になっていた凰火と綾を見ていると、ジオとさっきーちゃんは何かに反応したようで口から声が漏らして表情を緩めた。

「もう!湿っぽいよ!」

学園長室の扉が急に開け、聞こえてきた声を頼りに向くと(りん)さんが立っていた。

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