モルモット
「この先が研究室です」
香ノ木さんの案内いもあり、俺たちは凰火が向かったと思われる研究室へたどり着いた。
「ここが研究室…」
閉鎖的な空間にいくつもの研究サンプルの入ったカプセルが点在しており、妙に見たことのある顔立ちの人間が入っていた。
「これは…。鳳翠さんですか?」
いくつもカプセルに何かしらのものが入っており、その全てに言えることは人間の原型を留めていないと言うこと。
「凰火はどこにいるんだ?」
「先輩、あちらに…」
夜月が見ていた方を見ると、そこには凰火が立っていた。
「凰火!」
凰火は俺の声に反応してこちらを振り向こうと動き出し、顔が次第に見えてきた。
「ま…おう…」
凰火は一言だけ口に出すと、目には赤く染まった涙を流しており、顎の辺りまで流れると、急に口から大量の血を吹き出した。
「おい!凰火!」
近づくと、凰火の腹には小さな穴が空いており、地面には大量の血が流れていた。
「先輩、私は凰火さんを魔法でどうにかします!」
「魔王!あれを!」
夜月と俺が話していると、急に香ノ木さんが先の方を指で指して、見るように促してきた。
「あれは…鳳翠…なのか?」
そこには胴体を機械で覆った鳳翠が佇んでいた。
「これは初めましてと言うべきですね。私の名前は蘆屋龍弥。そこの娘と愛しの『息子』を生み出した父である」
男は凰火に対して娘として考えておらず、鳳翠にも息子であるが、どこか違う意味をつけたような言葉を付けているようだった。
「さあ。鳳翠、奴等を殺しなさい」
「敵を確認…排除する」
感情のない言葉で武器を向けてきた。
「魔王、彼を止めます」
「あぁ」
香ノ木さんと俺は武器を持ち、鳳翠の攻撃を避けながら近づいた。
「攻撃が来ます!」
鳳翠は腕を伸ばし、刃が付いた腕を振り下ろしてきた。
「魔王!」
香ノ木さんの声に反応して俺は攻撃を左に避け、香ノ木さんは右に避けた。
「何をしている!あいつらを倒せ!」
龍弥は鳳翠への命令を強め、無抵抗に何度も体を叩いた。
「良くも!」
香ノ木さんは攻撃を加えていた姿を見て、龍弥に目掛けて攻撃した。
「香ノ木さん!」
俺は香ノ木さんが早まった行動をしているのが分かり、追って近づいた。
「下げれ!」
「手出し御無用!」
香ノ木さんは俺の警告を跳ね返して切り込んだ。
「武装変化!」
香ノ木さんが持っていた一振りの剣は細く鋭い双剣に変化し、さらに動く速さを上げて切り込んだ。
「鳳翠!」
龍弥は自身の体を守るように鳳翠を前に出し、盾にした。
「傷つけたら鳳翠さん。すみません!」
香ノ木さんは鳳翠に謝り、機械部分を一刀両断した。




