入り乱れる世界『裏』
「全く。あなたはもう少し船酔いを克服する努力をすると良いです」
「ごめんなさい。香ノ木さん。夜月も謝らないといけないわね」
少し前もホテルの一角。封魔と夜月が買い物へ向かって程なくしたそこでは三人で各々のスタイルで休んでいた。
「それでなぜ、美沙さんはそんな格好なのですか」
「落ち着く。」
美沙はシングルベッドの隙間の地面に挟まって横になり、汚く休んでいた。
「美沙さん。私のベッドでも良いのでこちらに…もう眠っているのですね…。全く。彩花さん!」
凛華は呆れて彩花にも協力を頼もうと顔を向けた。
「彩花さん?」
彩花もすでに眠っていた。今まで話していたはずだったのだが急に声が止まり眠っていた。
「これは!マズイ!」
凛華は部屋の妙な空気に気がつき出よう扉を開けようと向かった。
「これで…」
扉のノブに手が掛かり、引っ張ると目の前にはマスクを被った男が立っていた。
「あなたは!」
凛華は驚いて一歩下がって応戦しようと魔法を放つ構えをした。
「うっ!」
「凛華は魔法を撃つ前に時間が必要になる。弱点が克服されていないよ。それとその場の状況ももう少し把握しような。」
凛華は何もできずして意識が無くなり眠りへと誘われた。
「魔王…」
「気が付いたか?凛華ちゃん!」
「なぜあなたがここにいるのですか!鳳翠さん!」
「あれ?てっきりあの学園長が予想していたと思っていたのになあ。」
「学園長?どうして!」
凛華は何も伝え聞いていないことに驚きと何より裏切り者がいたことに驚きが込み上げてきた。
「安心して他の子は無事だよ。まあ。あの二人は別だけど…」
「あの二人…魔王と夜月さんに何かしたのですか!」
「あれ?もしかして凛華ちゃんも魔王のことが気になるのか?」
凛華は鳳翠の話に入り込めずに考えがまとまらない。
「おい。貴様。何をやっている。さっさとその女も殺せ!詰まっているんだよ!」
「うるせえな。分かっているよ」
鳳翠に指示をする男それはどことなく以前の事件で見た男に似ていた。
「こいつらに…こんな小娘に我々の崇高なる計画をパーにされたのか!クソ!何が魔法世界に仇なす者だ!この世界には魔王こそが世界の定義でもほざく連中ばかりだ!クソ!こんな世界に我々が報いるためにどれほど貢献して来たのか分かっているのか!この!この!」
男は凛華の姿を見るなり怒り狂い、手足を縛られた状態にも関わらず何度も蹴り出した。
「その辺にしろよ!それは一応。俺の学友だった物だからな。それに商品を傷めさえてどうする。」
「チッ。あとはお前に任せた勝手にしやがれ!」
男は怒りながら部屋を後にして行った。
「全く。せっかちは長生きしねえよっていつも言っているんだがな。大丈夫か?」
「気安く触るな!裏切り者!」
「仕方ねえだろ!俺にも事情があるんだよ。まあ。教えねえが…。」
凛華は鳳翠に敵意をむき出しで吠える。
「あなたの学園での生活は何が目的なのですか!この暮らしの先に一体。何があるのですか…」
凛華は涙をながり鳳翠に訴えるが何もかもが遅いそこに暗い目で見つめる者しかいなかった。
「さあな…。」




