箱庭の日常③
授業はいつの間にか終わっていた。教室の席で座っていると夕陽に当てられ、暖かく感じていた。
「おい。封魔。お前もこの後、遊びに行かねえか。」
「おう。行こうぜ。」
篠原は男女数人の友達を誘っており、顔も名前も分からないが、俺もその中に入って一緒に遊びに行く。
「先輩。どこに行くのですか?」
「夜月、今日はゲームセンターにでも行こうかなと思ってな」
夜月は俺を見つけると、声をかけてきたが、それ以降は何も言わないが、着いてくるようだった。
「行こうぜ。」
「ちょっと先輩。忘れていますよ」
俺は夜月の注意に思い出すように夜月の教室へと向かった。
「おい。麻奈。お前も遊びに行かねえか?」
「封魔さん。ごめんなさい。今日はこの後に図書館へ向かうことにしていますのでこれで」
麻奈は俺の提案を断ることは非常に少なく、珍しいものを見たような目で麻奈を見て、断念した。
「それじゃあ、俺は七時くらいに家に帰るから」
「はい。分かりました。封魔さん」
俺は麻奈と別れると、そのままの足で学校の生徒用玄関へと走っていった。
「悪い。麻奈は来ないって」
「そっか。残念だ」
俺たちは街にあるゲームセンターで遊びまくった。エアーホッケーにメダルゲーム、カーゲーム。数人の生徒で遊ぶのに十分な時間を使って遊ぶ。
「おっしゃ俺の勝ち」
「夜月ちゃんが強いだけだろ」
「良いだろ。」
遊ぶものは色々あったが、男女が揃うとやはりゲームセンターの鉄板のプリクラは撮るようで一緒に撮ろうと誘われた。
「そんなに多いと入れないだろ」
「それもそっか」
「先輩待ってください」
俺がプリクラの外で待っていると、夜月も撮らずに現れた。
「先輩。本当に関心なりませんよ。率先して誘いを拒むなんて」
「まあ。入らねえから。」
「じゃあ、私と…撮ってみますか?」
夜月は恥じらいを持ちながら俺にプリクラを撮ろうと誘ってきた。
『それじゃあ撮るよ〜!」
『3』
『2』
『1』
機械の案内に従って写真を撮るフラッシュが焚かれ、思わず俺は目を閉じてしまった。
「な!何ですか!私はこんなことしませんからね。絶対」
「怪しい」
「それに私はゲームセンターに行った事もありませんし」
「何を見ているのですか?」
「凛華。これ見て。魔王」
「これは一体なんですか?」
「さあな。でもこれはものではないな。篠原とやらの友達とやらの顔がはっきりとしていない点やこいつのせいなのか知らんが、麻奈がいる時点でおかしい世界だよ」
「先輩…」
「封魔さん。どうかされましたか?」
目を開けると、麻奈がいた。そして俺は家のリビングで寛いでいた。
「封魔さん、今日はどうでしたか?」
「ああ。夜月が元気そうに遊んでいたよ」
「そうなのですね」
麻奈は嬉しそうに俺が話す内容を聞いているようだった。
「封魔さん。篠原さん、でしたっけ。あの方とはどのような関係なのですか?」
「え?」
麻奈は突然、おかしなことを言い出した。俺の長年の友達ではあるものの、麻奈とも面識のある篠原をどのような関係などと言う言葉で聞いてくることはないはずであった。
「それは俺の長年の友達だろ?」
「そうなのですね」
麻奈はどこか他人行儀に話を聞いており、違和感を残す会話になってしまった。
「封魔さん。明日も早いので寝てください」
「ああ。そうだな」
俺は寝る支度をして布団に入って考えた。「明日は早いって。明日は土曜日じゃ」と。
麻奈の言うことに従わないわけもなく俺はそのまま深い眠りについた。




