+Assassin⑤
「魔王対戦。あれは私を新たなものへと変えた。そして世界を変えた。だからこそ私は不甲斐ないあの七番目の魔王を…殺しに来た」
二年前、創造の魔王が神戒島に現れた。創造の魔王は神出鬼没、そして現れた場所は一面焼土となる。創造の魔王は破壊するため、破壊の王として君臨していた。
しかし、神戒島に現れた創造の魔王は、意味があって現れたのだ。その頃、神戒島では、魔王と人類の会談があった。他の魔王や魔法組織がいる中、創造の魔王は、町中を破壊し、一面焼土。その後、世界の亀裂を作り、異空間へ向かった。この話がアヴィルの経験した魔王対戦の真相だ。
「それが魔王対戦の生き残りであるあなたの情報ですか、ですが、それと先ほど言った望月封魔への発言はつながっていません」
「創造の魔王は異空間から魔王の素質である望月封魔をこの世界に転移させた」
「しかしなぜこの世界に送ったのですか」
「その理由は俺には知らん」
話を聞いた鵜月とアヴィルは、静寂な空気になった。
「それでどうするMIOの魔導士」
「その答えは簡単です、あなたをインペルⅩNo,5である霧場鵜月があなた方を確保します」
「掛かって来い」
北では、
「みんなさん、私と戦いましょう」
少女の体の形に添って、ピンクのベールに覆われ、少女の瞳は、青く輝きまるで未来を見ているように透かしてパラドクスの幹部三人と部下の九十人の敵をけん制している。
「これがインパルⅩNo,2の実力か…」
「どうされましたか?まさか、これで終わりでしょうか?まぁあなた方の事ですから多寡が知れていますが」
「この化け物が!」
幹部の一人アティス=ウォードが言葉を発するとともにトマトのように血の塊となった。
「アティス!」
「あなた方は触れてはいけない領域に入ったのです覚悟はできていますね」
「ぎゃー!」と言う悲鳴とともに骨が砕ける音、血が大量に出る音が鳴る。
「ふぅー」と疲れながら、浮いていた体を地面に降りた。少女の体は地面を接すると、胸が揺れる。地面に着いたが、感覚が悪かったのか、少女は一度飛び跳ねた。そして、満足そうに赤く染まった地面を見て、胸とお尻を揺らしながらスキップして消え去った。
「そうだ!この際、新人魔王くんに会いに行こうかなぁ」
「これを一人で抑えようとしていたのかい?」
雅樹は彩花に言うと「私しかいなかったのよ」と言い返した。
「今回のお客さんは派手に動いているから早めに片づけるよ」
彩花は、雅樹の言葉に気合いを入れ直したようでグローブを嵌めなおした。
「ちゃんは、パラドクスの部下を」
は、地面を殴り、揺れた。パラドクスの部下と幹部は、倒れ込んだ。
「行くぞ、クロノゲイザー」
『了解しました、マスター』
雅樹は、〈虚栄〉の魔法を剣に込めた。
「死にたくなかったら、歯を食いしばれ!」
魔力を込めた剣を振り下ろした。
「『微小爆発』」
小さい規模で威力が強い魔法が東にいるパラドクスの幹部と部下の負傷者が八十人以上となった。
「ふざけるな、たった、本当にたった一撃でここまでの被害とは…」
「パラドクス幹部を無傷で捕えたら良いのだが、」
「絶対に貴様だけは切る」
ジョルジュは、雅樹に顔色を変えて言う。
「貴様、パラドクスの幹部としての力を甘く見るな」
多くの魔力を体内にため始めた。
「人為的に魔力の暴走をさせるのか」
「俺自身が魔力の塊となり、破壊してやる」
「クロノゲイザー、こいつの魔力を食い尽くせ」
『対象の魔力吸収を開始します』
クロノゲイザーはジョルジュの体内にある魔力吸収を開始した。
「暴走しかけていたのに止まった?」
「魔剣に魔力を奪われていくだと…」
ジョルジュの体内に溜まっていた魔力が削られていくのをと雅樹は眺めていた。当然ジョルジュの体内は、空となった。
「か…体が消えて…!」
「一体どうして?」
「こいつの体内は魔力で回っているから無くせば、無へとなる」
「ジョルジュさんが消えた…」
「次はお前らだ、覚悟はいいな」
「ば…化け物だ…」
「引くぞ」
パラドクスの幹部であるジョルジュの死に部下は動揺が隠せず逃げ始めた。だが、幹部がいないため、バラバラに動いていた。
「早く船に戻るぞ」
「しかし、逃げたら、アヴィルさんに殺されてしまう」
「島の中心に行かないと行けない」
「ちゃんは、中心部に向かってくれ」
「あなたは?」
「こいつらをここから行かせない(生かせない)」
「この男を全員で囲むぞ」
「あぁ、数で押し切る」
「頼むから帰ってくれないか」
「残念ながら、それはできない」
「まだ幹部が生きていたのかよ、」
「マルコさん!」
「貴様のせいで気を失っていた間にジョルジュを殺したと言うのか…」
「お前たちを相手にする時間はないのだが」
「貴様、俺たちを相手にしたくないようだな」
「違うが、」
雅樹は、マルコが行った事を否定した。
「ならなぜだと言うのだ」
「早くちゃんの所に追いつかないと行けないからな」
「貴様はどこまでも上から言いやがって」
大柄のマルコから雷光が放射された。
「体から電気が出るとは…」
「俺の称号は西欧の雷光だと知って戦うつもりか」
「西欧の雷光って何だよ」
「貴様、俺を舐めるな」
マルコは、島の頭上に雷雲を発生させた。
「天候を操れるとは…」
「魔王諸共くたばれ、」
マルコは、島の頭上にあった。雷雲から雷を落とした。
「クロノゲイザー!俺の魔力を食い尽くして良い、この島を守れ」
『極大魔法発動を開始します』
クロノゲイザーは、雅樹の魔力が限界まで使い、上空に魔法陣を展開させた。
「これは素晴らしい」
神戒島にいた魔導士と魔族は空の光景に見て驚いた。
「おい、夜月あれは何だ?」
「あれは、〈虚栄〉の魔法陣です」
「〈虚栄〉って言う事は…」
「先輩のインペルと同じです」
「俺も強くなったら、あんな事ができるのか?」
「恐らく、あれ以上かと」
「俺の魔王の力ってすごいのか?」
「はい、しかし、この規模もインペルⅩの魔導士ではないと…」
「つまり、この間言っていたNo,1の魔導士か」
「はい」
「俺たちはこの状況で何をすべきか…」
封魔は理解に乏しい頭を使い、何が必要なのか考える。
「夜月、望月封魔」
「?」
彩花は、傷だらけで足を引きずった状態で来た。
「笠木さん、この魔法陣は」
「それは、内緒にしてほしいわね」
「どういう事だ?」
「インペルⅩのNo,1の方ですか?」
「どうして…!」
彩花は夜月の鋭さに驚き戸惑った。
「やはりですか」
「やはり?」
「恐らく、この島に任務として来ていたのでしょう」
「インペルⅩの魔導士で一番強いやつが来ていたのか?」
「それもインペルⅩの私と最近まで知らなかった笠木さんも」
「何が言いたい」
「私と笠木さんに教えなかった理由として、任務内容が先輩に関わっているのでしょう」
夜月は封魔に冷静な状態になって続ける。
「それでNo,1の魔導士ってどんな奴だ?」
「それははっきりとは」
「それで、西は、大丈夫だとは思うが、南は…」
「霧場先輩ですね」
「インペルⅩが強いと言っても敵が多かったら、負われてしまうだろ」
「確かにそうですね」
「東には、幹部が三人と大体百人くらいの部下が来たわ」
「三人でしたか…」
「流石に百人の部下は多すぎる。押されるかもしれないな」
鵜月は、封魔の言った状態になりかけていた。
「MIOの魔導士が強いと思い部下を増やしたものの相手にならん」
極大魔法を打ったため、パラドクスの攻撃を避ける体力しかなかった。
「貴様に敬意を表して、貴様は生かそう」
鵜月の体はボロボロになり、水晶も砕けた。
「よし、行くぞ、」
『アヴィルさん…アヴィルさん』
「どうした?」
アヴィルが持っていたトランシーバーから部下の一人から連絡があった。
『今行く、抑えていろ』
「了解しました」




