01 始まるのは物語か、それとも…
ここは裁戸市。少しばかり治安が悪いことを除けば、何の変哲もない地方都市である。
しかし、最近科学的に説明しづらい超常現象が起こっているという噂や、目撃情報が多くなっている。
そして、極秘裏に裁戸警察署に、超常現象調査課が作られたのである。
「ほんとに超常現象なんて起こるもんですかねぇ…?
俺はもっと強盗とかを捕まえて、社会の役に立つために働きたいっす。」
超常現象調査課の天崎正義は、上司である五十嵐茂に文句を言っていた。
それもそうだろう、最近起こり始めた超常現象。そんなものに警察の対応のしようがないというのも当然あるが、なにか成果を残したとて、なにか人に褒められるわけでもない。まだ新人の正義にとって、ここで働くのは精神的にしんどかった。
「馬鹿野郎、これを見ろ!」
そう言って五十嵐はスマホの画面を見せつけてくる。
そこには、黒っぽく、大きな爪を持った人ではないなにかが、周辺の建物の一部を破壊している映像があった。
「でもこういうのも今はAIで作れるじゃないですか。それか、ただのコスプレで、あとから建物壊して映像を編集すれば…」
「馬鹿野郎、人に気づかれずにこっそり建物を壊します、なんてできるもんか!それに目撃情報が何件もある!調べてみたが、目撃者それぞれの接点は特になかった!
超常現象は本当に起きたんだよ!」
「そう思うと怖いですね〜。もうちょっと自分も調べてみますか。」
そのとき、デスクの上においてあった電話がなった。
『超常現象発生、目撃情報確認、支給現場へと向かってください。』
電話から聞こえた機械音声はそう告げた。
「これでこの一連の超常現象が本当なのかどうか分かる…」
「ごちゃごちゃ言わずに早く行くぞ!こうしてる間にも人が傷ついているかもしれないじゃないか!」
「!」
それを聞いて、正義は気付いた。気づいたというよりかは思い出したという表現のほうが正しいだろうか。超常現象も強盗も殺人も関係ない、大事なのは人の命を守ることだということに。
「よし、行きましょう先輩!」
そして二人は車に乗り込み、事件発生箇所へと向かうのであった。




