第三幕:絆の崩壊と疑い
【第三幕】
やあ、君。
自分の寝台に美しい女の人がいたら、誰だって驚くものだ。
だけど、小人たちは人間ではない。
どちらかと言えば、魔法の存在に近い。彼らがどんなに苦しもうともね。
人とは感じ方が違った。
残念だけど、
ボクには彼らが驚き以外に何を思ったかまではわからない。
第二幕では、帰宅した小人たちの前に、白雪姫と名乗る女が現れた。
女は彼らのアジトに住んだ。
小人たちは白雪姫を歓迎してた。
ーーグリッズル以外は。
他の仲間たちは白雪姫を迎えることに賛成していた。
彼女は、アジトをキレイに掃除してくれるし、彼らに贈り物をしてくれた。
白雪姫が微笑むたびに、小人たちは少しずつ柔らかくなっていった。
グリッズルだけが、その笑顔の奥にある“人間の意図”を探していた。
約二週間経ったある日のことだ。
ーーとうとうグリッズルは、怒鳴った。
「お前たち、ポッとでの人間の女のいうことを、ーー信じているのか!」
グリッズルは顔をおさえた。
「とんだ、お笑いぐさだ!
茶番だ!
運命は変わらない!」と彼は言ってた。
クワークルは、彼女の指輪をグリッズルに見せた。
「見ろよ、グリッズル。彼女からの贈り物だ。これを売って、私たちは破滅から逃れられる」と言って、クワークルは微笑んだ。
「呪われてるさ、そんなもの。捨てちまえ」とグリッズルは取り上げようとした。
「狂ったのか!?」とクワークルは指輪を懐に隠した。
「君こそ!そんな高価なもの!いらぬ目を招くぞ!」とグリッズルはーー。
「彼女は黒い髪に、白い肌は雪のよう。
頬は血のようだーー」ジュビロが囁く。
ブラスキンがうなづき、その頬を赤らめた。
「ボクらも血まみれにならんようにしなきゃな!
クワークル、ーーいい加減、あの女を追い出せ、関わるな!」とグリッズルは唸った。
彼は彼女を何か怪しいと思っていた。
上手く説明できない何かを感じてた。
「これも、神から与えられた運命だ。彼女を守れば、
私たちは外の連中から、
人間扱いをしてもらえる......」とクワークルが呟くように言った。
「ーー与えられた?
どの神からのだ? 人間どもの新しい神が、ボクらに慈悲を与えることはないーー」グリッズルは後退りながら吐き出した。
「ーーあの神はボクらを全滅させようとしてるんだぞ!」
彼は一呼吸おく。
「ボクらへの慈悲なんかーー、
少しもーー」
七人の小人は沈黙した。
「お前たちが、その気ならーーあの女と住むがいい。ボクはあの女の正体を探りに街へ行く!」
そういうと、彼は外套を掴むと人里へ向かって走り出した。
(こうして、第三幕はグリッズルの後ろ姿で幕を閉じる)




