ペアリング
今日も問題無く仕事が終わった。
やる気が有るとこんなにも仕事も楽しいとは思わなかったな。
あっという間に終わらせることが出来た。
無理して残業をすることも無いので、定時で帰らせてもらうことにした。
「…ちょっと買い物して帰るか。」
俺が今居るのはアクセサリーショップだ。
折角彼女になってくれたアリシアにプレゼントしてやろうと思ったからだ。
とは言ってもどう言った物を買えば良いんだ?
「何かお探しでしょうか?」
俺が迷っていると、店員が声を掛けてきてくれた。
「えっと、彼女へのプレゼントが欲しいのですが、良く分らなくて。」
「それでしたらこのペアリングとか如何ですか?
お値段も手ごろですし、お勧めですよ。」
店員が提示したのはシルバーのリングだった。値段も3万くらいだしそれほど高くない。
「でも、彼女の指のサイズが分からないんですよ。」
「サイズは後で調節出来ますから、プレゼントした後に一緒にご来店しては如何ですか?」
そういう方法も有るのか。
何を買えば良いのかも分らないし、これにすることにした。
「では、これでお願いします。」
「ありがとうございます。このリングにはお互いの名前を掘るサービスを行っています。如何ですか?」
「えっと、時間が掛かる物ですか?」
「いえ、機械で掘るので直ぐですよ。」
「じゃあ、お願いします。」
「お名前をお聞きしても宜しいですか?」
「良和です。彼女はアリシア。」
「海外の方なんですね。羨ましいです。
では会計が済み次第対応致しますね。」
「はい。」
俺は会計を済ませ、リングの処理をお願いする。
10分ほどして店員が戻ってきた。
「お待たせいたしました。」
店員がラッピングされた物を渡してきたので受け取った。
「ありがとうございます。」
「またのご利用をお待ちしております。」
俺はアクセサリーショップを後にした。
アリシアはどんな顔をするのかな? 渡すのが楽しみだ。
・・・・
「ただいま~」
「おかえりなさい~」
パタパタとアリシアが来て迎えてくれた。
「これを、アリシアに。」
俺は先ほど買ったプレゼントをアリシアに渡した。
「また食べ物ですか!?」
「違う違う、開けて見な。」
「何でしょう? ドキドキします。」
アリシアが包装を開けると…
「うわっ、何ですかこれ?」
「ペアリングだ。その、何だ、恋人同士が付けるアクセサリーだ。ほら。」
俺が自分の分のリングを右手の薬指に付けた物をアリシアに見せた。
「うわっ、うわっ、凄い! お揃い?」
凄く喜んでくれている。
「ほら、アリシアも付けて見せてよ。」
俺がそう言うと、アリシアは俺に指輪を渡してきて
「ヨシカズさんに着けて欲しいです。」
恥かしそうにそう言った。これはたまらん!
俺は震える手でアリシアのペアリングを受け取り、右手の薬指に着けてあげた。
「…ブカブカですね。」
肉が付いたら丁度良さそうだが、ガリガリのアリシアの手には緩すぎた。
「お店で調節してくれるみたいだから、後で一緒に行こうな。」
「うん♪」
俺がそう言うと、アリシアは嬉しそうに頷いた。




